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スラムの子達の冒険者生活が始まり数日後、僕はラットさんに呼び出された。
呼ばれたので行くと、何とギルドマスターまで揃っていた。
「あの、セレス様...少し困った事になりました」
「どうかしたのですか?」
「簡単な仕事をセレス様の奴隷がしてしまうので、子供の冒険者の仕事が無くなりクレームが出てしまっています」
「だけど、依頼は先に受けた物が優先...それがギルドのルールでしょう?」
「そうですが、依頼者がセレス様の奴隷を指名するので、他の子が介入できなくなっています」
「それも、ルール上仕方ないんじゃないですか? ですが、何でうちの子達ばかりに依頼が来るんですか?」
「それは、セレス様の奴隷が優秀だからです」
「優秀?」
「ここからは私が話そう」
「はい」
「簡単に言うと嫌な顔一つしないで笑顔で仕事をする。しかも丁寧..だから、セレス殿の奴隷に仕事をして貰いたい...そういう依頼が増えている、掃除をすれば済み済みまで綺麗にする、買い物をすれば値引き交渉をして安く買いものをしてくる、ドブ掃除は自分の顔が真っ黒になっても掃除する..そこまでするから、街の依頼はセレスホームの子に..もう巷ではそう言われているんだ」
「だけど、彼女達はスラムで暮らしていたんだ、その位のささやかな幸せ位はあっても良いんじゃないかな!」
「私だって解る..苦労してきた人間がようやくささやかな幸せを掴んだ...しかも努力でな..だが、それじゃ他の子はどうなる? 中には親に捨てられて冒険者で生活している子もいるんだぞ」
「解りました!」
「そうか、じゃぁ自重してくれるんだな!」
「しません!」
「何だと!」
「親が居ないならセレスホームで迎え入れます!」
「「えっ」」
「ラットさん、親が居なくて、子供で生活に困っている冒険者を集めて下さい、全部うちが引き取ります」
「解りました...具体的にはどの様にしますか?」
「そうですね、近いうちに、此処ギルドで面接をしましょう! そして希望する全員を私のパーティに入れます」
「それは、親が居なくて12歳以下の子供の冒険者は全部という事ですか?」
「当人が望むならですが、どの位になりそうですか?」
「多分、20人位になると思いますが...」
「なぁ、セレス殿...お前無理してないか? 女ならともかく男が何でそこまで頑張るんだよ!」
「まぁ...笑顔が見たいからですかね」
「そうか、セレス殿が何故、女神に好かれているのか解る気がするな...ならば、その面接には私も立ち合い手伝わせて貰おう」
「有難うございます」
王城にて、
僕が王城に戻ると姫様が待っていた。
「セレス殿、次のセレスホームの代金は王家の方で出させて頂きます」
「どうしたのですか? 姫様!」
「実は、セレスホームが余りに評判になって、キャミエール家の王都での人気が鰻登りなんです! 貴方が私の騎士なので...私の面目は保たれているのですが..マリアンや王は街の評判が気になって居るようなので..是非お願いします」
「解りました、実は新たに冒険者で親の居ない子を引き取る約束をしてしまったので助かります」
「そうですか? 良かった...それじゃ早速、とり掛かりましょう!」
「ありがとうございます、姫様!」
「良いのですよ、セレス、貴方は私だけの騎士なのですからね...キャミエールが3日間で完成させたのなら王家は1日で完成させましょう!」
「そんな無茶な!」
「無駄な面子を気にするのが王族や貴族なのです」
「はい...ですが無理をして無いですか?」
「これは、お父様、マリアン、私と三人がかりですからどんな無茶も通ります」
「有難うございます...マリア様」
「貴方は本当に不思議な人ですね...人の事ばっかり考えて無茶ばかり」
「そうですか?」
「ええ、他にも私を姫と呼んだり、マリア様と呼んだり、そして、まるで猫みたいに一か所に落ち着いていない」
「そうかも知れませんね」
「ねぇ、セレス、もうずうっと一緒に居てとは言いません」
「はい」
「だけど、何があっても最後は私の元に帰ってくる...そう約束してくれませんか?」
「最後なんて言わないで下さい..殆ど毎日帰って来ているのに」
「そうですね...なんだかセレスが遠くに行ってしまう...そんな気がして..不安なんです」
「行きませんよ、遠くになんてずうっとマリア様の傍にいますよ」
「ありがとう、セレス、まずは紅茶につき合って下さい」
「はい、姫様」
セレスはその夜眠るまでマリアと会話を楽しんだ。
呼ばれたので行くと、何とギルドマスターまで揃っていた。
「あの、セレス様...少し困った事になりました」
「どうかしたのですか?」
「簡単な仕事をセレス様の奴隷がしてしまうので、子供の冒険者の仕事が無くなりクレームが出てしまっています」
「だけど、依頼は先に受けた物が優先...それがギルドのルールでしょう?」
「そうですが、依頼者がセレス様の奴隷を指名するので、他の子が介入できなくなっています」
「それも、ルール上仕方ないんじゃないですか? ですが、何でうちの子達ばかりに依頼が来るんですか?」
「それは、セレス様の奴隷が優秀だからです」
「優秀?」
「ここからは私が話そう」
「はい」
「簡単に言うと嫌な顔一つしないで笑顔で仕事をする。しかも丁寧..だから、セレス殿の奴隷に仕事をして貰いたい...そういう依頼が増えている、掃除をすれば済み済みまで綺麗にする、買い物をすれば値引き交渉をして安く買いものをしてくる、ドブ掃除は自分の顔が真っ黒になっても掃除する..そこまでするから、街の依頼はセレスホームの子に..もう巷ではそう言われているんだ」
「だけど、彼女達はスラムで暮らしていたんだ、その位のささやかな幸せ位はあっても良いんじゃないかな!」
「私だって解る..苦労してきた人間がようやくささやかな幸せを掴んだ...しかも努力でな..だが、それじゃ他の子はどうなる? 中には親に捨てられて冒険者で生活している子もいるんだぞ」
「解りました!」
「そうか、じゃぁ自重してくれるんだな!」
「しません!」
「何だと!」
「親が居ないならセレスホームで迎え入れます!」
「「えっ」」
「ラットさん、親が居なくて、子供で生活に困っている冒険者を集めて下さい、全部うちが引き取ります」
「解りました...具体的にはどの様にしますか?」
「そうですね、近いうちに、此処ギルドで面接をしましょう! そして希望する全員を私のパーティに入れます」
「それは、親が居なくて12歳以下の子供の冒険者は全部という事ですか?」
「当人が望むならですが、どの位になりそうですか?」
「多分、20人位になると思いますが...」
「なぁ、セレス殿...お前無理してないか? 女ならともかく男が何でそこまで頑張るんだよ!」
「まぁ...笑顔が見たいからですかね」
「そうか、セレス殿が何故、女神に好かれているのか解る気がするな...ならば、その面接には私も立ち合い手伝わせて貰おう」
「有難うございます」
王城にて、
僕が王城に戻ると姫様が待っていた。
「セレス殿、次のセレスホームの代金は王家の方で出させて頂きます」
「どうしたのですか? 姫様!」
「実は、セレスホームが余りに評判になって、キャミエール家の王都での人気が鰻登りなんです! 貴方が私の騎士なので...私の面目は保たれているのですが..マリアンや王は街の評判が気になって居るようなので..是非お願いします」
「解りました、実は新たに冒険者で親の居ない子を引き取る約束をしてしまったので助かります」
「そうですか? 良かった...それじゃ早速、とり掛かりましょう!」
「ありがとうございます、姫様!」
「良いのですよ、セレス、貴方は私だけの騎士なのですからね...キャミエールが3日間で完成させたのなら王家は1日で完成させましょう!」
「そんな無茶な!」
「無駄な面子を気にするのが王族や貴族なのです」
「はい...ですが無理をして無いですか?」
「これは、お父様、マリアン、私と三人がかりですからどんな無茶も通ります」
「有難うございます...マリア様」
「貴方は本当に不思議な人ですね...人の事ばっかり考えて無茶ばかり」
「そうですか?」
「ええ、他にも私を姫と呼んだり、マリア様と呼んだり、そして、まるで猫みたいに一か所に落ち着いていない」
「そうかも知れませんね」
「ねぇ、セレス、もうずうっと一緒に居てとは言いません」
「はい」
「だけど、何があっても最後は私の元に帰ってくる...そう約束してくれませんか?」
「最後なんて言わないで下さい..殆ど毎日帰って来ているのに」
「そうですね...なんだかセレスが遠くに行ってしまう...そんな気がして..不安なんです」
「行きませんよ、遠くになんてずうっとマリア様の傍にいますよ」
「ありがとう、セレス、まずは紅茶につき合って下さい」
「はい、姫様」
セレスはその夜眠るまでマリアと会話を楽しんだ。
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