旧作幼馴染と姉妹が寝取られました~ そんなの気にするな! 幼馴染と姉妹を勇者に寝取られた弟をたった1か月で立ち直らせた、凄腕商人のクズ兄貴!

石のやっさん

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全てを失った日

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隣村から来た 勇者のジョブを持つマモルが俺に告げた。

「悪いが今日から彼女達に近づかないでくれるか?」

今迄の人間関係が完全に崩れた瞬間だった。

俺の婚約者で将来を約束していた幼馴染 リラ

実の姉なのに俺の事を恋人の様に甘やかしてきた リリアン

お兄ちゃんと将来を結婚する、そう言っていた、マリア。

それが俺を見下すように見ながら、マモルに体を押し付け腕を絡めていた。

時は少し遡る。



隣村のマモルに神託で【勇者】のジョブが現れた。

マモルは近隣の嫌われ者で女の子に嫌われていた。

マモルの村から一番近い村が、俺の暮らす村ココル村だった。


マモルの村には同世代の子が居なかったから良く俺の村に来て遊んでいたが、良く暴力を振るう事で嫌われていて誰も遊ぶ相手がいなかった。

だが、年頃になった時に初めて女の子を意識してきたが...今迄意地悪ばかりしていたマモルは毛嫌いして誰も付き合わなかった。

そんなマモルが好きだったのが、俺の幼馴染リラだった。

だがリラは「ごめんね、私は ジミナ君が好きなの」と答えて振っていた。

俺からしたら当たり前だ、小さい頃から一緒に過ごし、お互いを支えながら生活してきた俺(ジミナ)と意地悪ばかりしていたマモルどう考えてもマモルを取る訳は無い。

年頃になり、俺とリラは婚約した。

だが、そんな状態なのに姉のリリアンは「嫌になったらやめて良いのよ? 、私と一緒に楽しく暮らそう」とか言い出すし、妹のマリアは「リラちゃんは良い子だけどお兄ちゃんには似合わないと思う」と良くやきもちを焼いていた。

ちなみにこの二人にもマモルは交際をせまり、見事に撃沈していた。


俺はマモルがこの村に来るのが凄く心配だった。

勇者の力は絶大だ。

もし、暴力を振るわれても黙るしかない。

だが、マモルは到って紳士的だった。

「久しぶりだな、ジミナ」

凄く紳士的な態度で俺に話し掛けてきた。

良かった、勇者になって変わったんだ。

そう思っていた。

「そう、事を構えるなよ、俺は自分と魔王討伐に行く仲間を探しているだけだ、それ以上では無いからな」

「すまない俺が誤解をしていたようだ」


嫌な予感は少しはしたが...仕方ない。

勇者が仲間を探しに来た以上は邪魔は出来ない。

だが、この時に俺はすぐに行動を起こすべきだった。



次の日にリラが俺に言いに来た。

「ごめんね、私、聖女になっちゃった...だから婚約を破棄して下さい」

「リラ、俺なら討伐の旅が終わるまで待つから」

「ごめんなさい、勇者と聖女は将来結婚する運命にあるの...それに私ジミナよりマモルの方が好きだから」


俺は頭の中が真っ白になった。

それからの事は良く解らない。

そのあと、姉のリリアンが俺の傍に来た。

俺は泣きたくて胸に飛び込もうとしたが...

「ごめんね...私は剣聖になったのよ、もう貴方の姉じゃ無いわ、だからこういう事は出来ない、いい加減姉ばなれしなさい」


何がなんだか解らない。

姉弟の関係はそんな物で斬れない筈だ。


そう思っていたら妹のマリアが俺の所に訪れた。

「お兄ちゃん、私はね賢者になったの、さようなら」


何がなんだか解らない。

婚約解消は解らないでもない...だが姉弟、兄妹の関係は切る必要は無いはずだ。

失意のまま俺は動けなくなり、気がつくと森に居た。


トボトボと家に帰ると、親や姉妹に婚約者のリラが楽しそうに話している。

勇者の指名で四職(勇者 聖女 賢者 剣聖)の中からジョブを貰えたのが嬉しいのか皆が笑っていた。

そして盗み聞きしたら、勇者は複数の嫁を持つ事が出来るから三人とも嫁にするそうだ...

あそこには俺の居る場所は無い...

皆が寝るまで外にいようと思った。


夜中になり、皆が寝ている時間に俺は帰った。

静かにドアをあけ部屋に戻った。

暫くすると、リリアンの部屋からギシギシ音が聞こえてきた。

気になり覗くと...マモル相手に裸で抱き合う三人の姿が見えた。

しかも、リラは正に跨って腰を振っていた。

マモルと俺は目が合った。

その時、マモルは顔を歪ませて...俺にブイサインを送っってきた。

俺は声を押し殺し...ただただ走って逃げだすしか出来なかった。


※多分、主人公が寝て無いのに寝取られなのかと言う方がいると思いますが、今回は精神的な寝取られとしてご判断下さい。

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