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罅がはいった。
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ジミナと一緒に俺は帝都に旅立つ為に村を出た。
村長を始め、殆どの村人は別れを惜しむ様に手を振ってくれた。
リナとうちの両親を除いてな...村社会は妬み社会でもあるんだ。
皆から嫌われない様に【富は分け与え、嫌われない様に慎ましく生きて行かなくちゃならない】
そうしなければ嫌われるんだぜ。
もし、リナとうちの両親が、村長にお金を包み村人にも金を分けていたら「さすが」と村長は褒め称えただろうよ。
だが、それをしなかったからこうなった。
俺が村長に別けた金は、更に村長から村の権力者に渡った。
その結果が、村人全員が、ジミナの帝都行きを歓迎してこうやって手を振ってくれる事につながるんだ。
勿論、俺は村と帝都を繋いでいる、村には欠かせない商人だから、村長は助けてくれる。
まぁ、その代わり昨日みたいにお金を包むがな。
誰だってそうだろう? お金をくれる人間とくれない人間どっちを優遇するといえば【お金をくれる人間だ】
ジミナはまだしょぼくれている。
確かに、リラ、リリアン、マリアはあの村の中では美人だし、性格もジミナにとっては最高だろう。
外面が良いと言うのは正にあいつ等の事だ。
ジミナはあの村が好きだった。
村から一生でないならあいつ等とジミナが付き合うのも有りだ。
それはそれで幸せだ。
「まだ、落ち込んでいるのか?」
まぁ、近隣限定なら良い女だからな。
「そりゃぁ落ち込むよ兄ちゃん、婚約者と姉妹がいなくなっちゃったんだから」
俺が転生者でなくて、村からでなければ気がつかんよな。
あの程度の女、大した事無いってな。
「これから俺たちは帝都にいく、まず村の人口は僅か140人、それに対して帝都は人口は9万人以上住んで居る、人の数が全然違うからな」
「そうなんだ」
「ああっ見た瞬間から驚くぞ」
転生者の俺からみたら大した事ないけどね。
「そうなんだ」
「もう、あんな女なんか忘れちまえ、幾らでも可愛い子がいるからよ」
「あははっだけど、リラみたいに可愛い女の子は滅多にいないよ」
うん...ざらにいるな。
「だったら、帝都に行くまでの間にすれ違う女を見ながら話そうか?」
「何で」
「まぁいいじゃんか...そうだ、頭の中で外見だけで良いから、あいつ等より上か下か、見た女を比べながら歩けよ」
一緒に歩きながら帝都に向った。
「解ったよ兄ちゃん」
《そう簡単にリラみたいな可愛い子が居る訳無いじゃ無いか》
暫く一緒に歩き、村から村へ歩いていった。
「...」
まだだな...
「どうだ、リラなんて大した女じゃ無いだろうが?」
「そんな事無い...リラみたいな可愛い子は何処にもいないよ」
まだ、脳内お花畑パラメーターが動いているのか。
実はもう同等の女の子には数人出会っている。
だが、別れた彼女って言うのは意外に【頭の中で美人】に変換されている。
意外に強敵なのだ。
此処から近くの街まで歩いた。
此処の街から王都まで馬車が出ている。
此処はもう街なんだ、村では無い。
帝都程ではないが、人口も多い、娼館は無いが水商売は存在する。
「兄ちゃん、都会にはこんなに美人がいるのか?」
「ジミナよ、此処はまだ都会じゃない、帝都に比べたら田舎も良い所だ」
「此処で田舎なんだな...確かにリラ達より可愛い子はいたけど、俺は外見だけでリラが好きになった訳じゃないんだよ兄ちゃん」
「それじゃ、どういう所が好きだったんだ」
「優しくて料理が上手で良く気がつくんだ...リラは」
「あのなぁ、ジミナ、そんな事は普通に好きになった相手なら誰でもする事だぞ、実際にお前だって色々してあげてただろう?」
「だけど、リラみたいに美味しいご飯は俺には作れない」
「そうか? 帝都行きの馬車は明日らしいから此処に泊まろう、そうだ、今日は美味しい物を食べに行こうか?」
俺は話を少し話すと食堂に向った。
「ミラちゃんご無沙汰あ~」
「久しぶり、オリオンさん今日もこれから帝都に行くの?」
「まぁね、あっ此奴は俺の弟のジミナ、宜しくね?」
あはははっジミナ顔を赤くしてやんの。
そりゃそうだ、ミラはこの店の看板娘。
田舎町とはいえ、村では無い、王都と比べちゃいかんが、充分村娘より垢ぬけている。
「ジミナくんか...うん結構、美形だね、宜しく!」
「よよよろひくお願いします」
あっ...噛んだ。
これで流石に、リラなんて大した事無いと認めざる負えないだろう。
「あっ、ジミナ、ミラちゃんは人妻だから幾ら顔を赤くしても無理だからな」
「兄さん」
兄ちゃんじゃなく兄さんね。
「それで、ミラちゃん、此奴ちょっと家庭の味に飢えているから、ミラちゃんの特性シチューをお願い」
「あいよ」
シチューが来るまで、ジミナと話した。
「どうだ、ジミナ...これでもリラより...か.わ.い.い.女なんていないっていうんでちゅかーーーっ」
「うう、兄さん、ごめん、さっきも言ったけどリラはそれだけじゃ無いんだ」
「はいよ、シチュー二つ」
「ほらジミナきたぞ、このシチューは裏メニューで常連しか食べられないんだ、これはなぁミラちゃんが愛する旦那の為に作ったメニューなんだぞ」
「あははっ照れるね...確かに手間暇が掛るからね、常時メニューには出来ないね」
奥の厨房で熊みたいな旦那が顔を赤くしている。
ミラちゃんはもう他のお客の所に行った。
「美味しい...」
「だろう、これはミラちゃんが旦那の為に考えたシチューだ、愛情が沢山詰まっている、どうだ!」
本当は嘘だ、此処は街だから調味料が沢山手に入る。
村みたいに、塩位しか味付けが無い場所じゃないからだ。
だが俺は敢えてそれを言わない。
「本当だ、体の中から温まる...」
「これが愛情の詰まった料理だ、リラの様に適当に作るんじゃない、旦那の為に時間を掛けてじっくり作った料理、違うだろう」
「確かに...これが愛情のこもった料理だと兄さんが言うなら、今迄のは違うかも知れない」
ジミナのリラへの想いに罅が入った瞬間だった。
村長を始め、殆どの村人は別れを惜しむ様に手を振ってくれた。
リナとうちの両親を除いてな...村社会は妬み社会でもあるんだ。
皆から嫌われない様に【富は分け与え、嫌われない様に慎ましく生きて行かなくちゃならない】
そうしなければ嫌われるんだぜ。
もし、リナとうちの両親が、村長にお金を包み村人にも金を分けていたら「さすが」と村長は褒め称えただろうよ。
だが、それをしなかったからこうなった。
俺が村長に別けた金は、更に村長から村の権力者に渡った。
その結果が、村人全員が、ジミナの帝都行きを歓迎してこうやって手を振ってくれる事につながるんだ。
勿論、俺は村と帝都を繋いでいる、村には欠かせない商人だから、村長は助けてくれる。
まぁ、その代わり昨日みたいにお金を包むがな。
誰だってそうだろう? お金をくれる人間とくれない人間どっちを優遇するといえば【お金をくれる人間だ】
ジミナはまだしょぼくれている。
確かに、リラ、リリアン、マリアはあの村の中では美人だし、性格もジミナにとっては最高だろう。
外面が良いと言うのは正にあいつ等の事だ。
ジミナはあの村が好きだった。
村から一生でないならあいつ等とジミナが付き合うのも有りだ。
それはそれで幸せだ。
「まだ、落ち込んでいるのか?」
まぁ、近隣限定なら良い女だからな。
「そりゃぁ落ち込むよ兄ちゃん、婚約者と姉妹がいなくなっちゃったんだから」
俺が転生者でなくて、村からでなければ気がつかんよな。
あの程度の女、大した事無いってな。
「これから俺たちは帝都にいく、まず村の人口は僅か140人、それに対して帝都は人口は9万人以上住んで居る、人の数が全然違うからな」
「そうなんだ」
「ああっ見た瞬間から驚くぞ」
転生者の俺からみたら大した事ないけどね。
「そうなんだ」
「もう、あんな女なんか忘れちまえ、幾らでも可愛い子がいるからよ」
「あははっだけど、リラみたいに可愛い女の子は滅多にいないよ」
うん...ざらにいるな。
「だったら、帝都に行くまでの間にすれ違う女を見ながら話そうか?」
「何で」
「まぁいいじゃんか...そうだ、頭の中で外見だけで良いから、あいつ等より上か下か、見た女を比べながら歩けよ」
一緒に歩きながら帝都に向った。
「解ったよ兄ちゃん」
《そう簡単にリラみたいな可愛い子が居る訳無いじゃ無いか》
暫く一緒に歩き、村から村へ歩いていった。
「...」
まだだな...
「どうだ、リラなんて大した女じゃ無いだろうが?」
「そんな事無い...リラみたいな可愛い子は何処にもいないよ」
まだ、脳内お花畑パラメーターが動いているのか。
実はもう同等の女の子には数人出会っている。
だが、別れた彼女って言うのは意外に【頭の中で美人】に変換されている。
意外に強敵なのだ。
此処から近くの街まで歩いた。
此処の街から王都まで馬車が出ている。
此処はもう街なんだ、村では無い。
帝都程ではないが、人口も多い、娼館は無いが水商売は存在する。
「兄ちゃん、都会にはこんなに美人がいるのか?」
「ジミナよ、此処はまだ都会じゃない、帝都に比べたら田舎も良い所だ」
「此処で田舎なんだな...確かにリラ達より可愛い子はいたけど、俺は外見だけでリラが好きになった訳じゃないんだよ兄ちゃん」
「それじゃ、どういう所が好きだったんだ」
「優しくて料理が上手で良く気がつくんだ...リラは」
「あのなぁ、ジミナ、そんな事は普通に好きになった相手なら誰でもする事だぞ、実際にお前だって色々してあげてただろう?」
「だけど、リラみたいに美味しいご飯は俺には作れない」
「そうか? 帝都行きの馬車は明日らしいから此処に泊まろう、そうだ、今日は美味しい物を食べに行こうか?」
俺は話を少し話すと食堂に向った。
「ミラちゃんご無沙汰あ~」
「久しぶり、オリオンさん今日もこれから帝都に行くの?」
「まぁね、あっ此奴は俺の弟のジミナ、宜しくね?」
あはははっジミナ顔を赤くしてやんの。
そりゃそうだ、ミラはこの店の看板娘。
田舎町とはいえ、村では無い、王都と比べちゃいかんが、充分村娘より垢ぬけている。
「ジミナくんか...うん結構、美形だね、宜しく!」
「よよよろひくお願いします」
あっ...噛んだ。
これで流石に、リラなんて大した事無いと認めざる負えないだろう。
「あっ、ジミナ、ミラちゃんは人妻だから幾ら顔を赤くしても無理だからな」
「兄さん」
兄ちゃんじゃなく兄さんね。
「それで、ミラちゃん、此奴ちょっと家庭の味に飢えているから、ミラちゃんの特性シチューをお願い」
「あいよ」
シチューが来るまで、ジミナと話した。
「どうだ、ジミナ...これでもリラより...か.わ.い.い.女なんていないっていうんでちゅかーーーっ」
「うう、兄さん、ごめん、さっきも言ったけどリラはそれだけじゃ無いんだ」
「はいよ、シチュー二つ」
「ほらジミナきたぞ、このシチューは裏メニューで常連しか食べられないんだ、これはなぁミラちゃんが愛する旦那の為に作ったメニューなんだぞ」
「あははっ照れるね...確かに手間暇が掛るからね、常時メニューには出来ないね」
奥の厨房で熊みたいな旦那が顔を赤くしている。
ミラちゃんはもう他のお客の所に行った。
「美味しい...」
「だろう、これはミラちゃんが旦那の為に考えたシチューだ、愛情が沢山詰まっている、どうだ!」
本当は嘘だ、此処は街だから調味料が沢山手に入る。
村みたいに、塩位しか味付けが無い場所じゃないからだ。
だが俺は敢えてそれを言わない。
「本当だ、体の中から温まる...」
「これが愛情の詰まった料理だ、リラの様に適当に作るんじゃない、旦那の為に時間を掛けてじっくり作った料理、違うだろう」
「確かに...これが愛情のこもった料理だと兄さんが言うなら、今迄のは違うかも知れない」
ジミナのリラへの想いに罅が入った瞬間だった。
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