旧作幼馴染と姉妹が寝取られました~ そんなの気にするな! 幼馴染と姉妹を勇者に寝取られた弟をたった1か月で立ち直らせた、凄腕商人のクズ兄貴!

石のやっさん

文字の大きさ
6 / 13

罅がはいった。

しおりを挟む
ジミナと一緒に俺は帝都に旅立つ為に村を出た。

村長を始め、殆どの村人は別れを惜しむ様に手を振ってくれた。

リナとうちの両親を除いてな...村社会は妬み社会でもあるんだ。

皆から嫌われない様に【富は分け与え、嫌われない様に慎ましく生きて行かなくちゃならない】

そうしなければ嫌われるんだぜ。

もし、リナとうちの両親が、村長にお金を包み村人にも金を分けていたら「さすが」と村長は褒め称えただろうよ。

だが、それをしなかったからこうなった。

俺が村長に別けた金は、更に村長から村の権力者に渡った。

その結果が、村人全員が、ジミナの帝都行きを歓迎してこうやって手を振ってくれる事につながるんだ。

勿論、俺は村と帝都を繋いでいる、村には欠かせない商人だから、村長は助けてくれる。

まぁ、その代わり昨日みたいにお金を包むがな。

誰だってそうだろう? お金をくれる人間とくれない人間どっちを優遇するといえば【お金をくれる人間だ】

ジミナはまだしょぼくれている。

確かに、リラ、リリアン、マリアはあの村の中では美人だし、性格もジミナにとっては最高だろう。

外面が良いと言うのは正にあいつ等の事だ。

ジミナはあの村が好きだった。

村から一生でないならあいつ等とジミナが付き合うのも有りだ。

それはそれで幸せだ。


「まだ、落ち込んでいるのか?」

まぁ、近隣限定なら良い女だからな。


「そりゃぁ落ち込むよ兄ちゃん、婚約者と姉妹がいなくなっちゃったんだから」

俺が転生者でなくて、村からでなければ気がつかんよな。

あの程度の女、大した事無いってな。

「これから俺たちは帝都にいく、まず村の人口は僅か140人、それに対して帝都は人口は9万人以上住んで居る、人の数が全然違うからな」

「そうなんだ」

「ああっ見た瞬間から驚くぞ」

転生者の俺からみたら大した事ないけどね。


「そうなんだ」

「もう、あんな女なんか忘れちまえ、幾らでも可愛い子がいるからよ」

「あははっだけど、リラみたいに可愛い女の子は滅多にいないよ」

うん...ざらにいるな。


「だったら、帝都に行くまでの間にすれ違う女を見ながら話そうか?」

「何で」

「まぁいいじゃんか...そうだ、頭の中で外見だけで良いから、あいつ等より上か下か、見た女を比べながら歩けよ」

一緒に歩きながら帝都に向った。

「解ったよ兄ちゃん」

《そう簡単にリラみたいな可愛い子が居る訳無いじゃ無いか》


暫く一緒に歩き、村から村へ歩いていった。

「...」

まだだな...

「どうだ、リラなんて大した女じゃ無いだろうが?」

「そんな事無い...リラみたいな可愛い子は何処にもいないよ」


まだ、脳内お花畑パラメーターが動いているのか。

実はもう同等の女の子には数人出会っている。

だが、別れた彼女って言うのは意外に【頭の中で美人】に変換されている。

意外に強敵なのだ。



此処から近くの街まで歩いた。

此処の街から王都まで馬車が出ている。

此処はもう街なんだ、村では無い。

帝都程ではないが、人口も多い、娼館は無いが水商売は存在する。


「兄ちゃん、都会にはこんなに美人がいるのか?」

「ジミナよ、此処はまだ都会じゃない、帝都に比べたら田舎も良い所だ」

「此処で田舎なんだな...確かにリラ達より可愛い子はいたけど、俺は外見だけでリラが好きになった訳じゃないんだよ兄ちゃん」

「それじゃ、どういう所が好きだったんだ」

「優しくて料理が上手で良く気がつくんだ...リラは」


「あのなぁ、ジミナ、そんな事は普通に好きになった相手なら誰でもする事だぞ、実際にお前だって色々してあげてただろう?」

「だけど、リラみたいに美味しいご飯は俺には作れない」


「そうか? 帝都行きの馬車は明日らしいから此処に泊まろう、そうだ、今日は美味しい物を食べに行こうか?」


俺は話を少し話すと食堂に向った。

「ミラちゃんご無沙汰あ~」

「久しぶり、オリオンさん今日もこれから帝都に行くの?」

「まぁね、あっ此奴は俺の弟のジミナ、宜しくね?」

あはははっジミナ顔を赤くしてやんの。

そりゃそうだ、ミラはこの店の看板娘。

田舎町とはいえ、村では無い、王都と比べちゃいかんが、充分村娘より垢ぬけている。

「ジミナくんか...うん結構、美形だね、宜しく!」

「よよよろひくお願いします」

あっ...噛んだ。

これで流石に、リラなんて大した事無いと認めざる負えないだろう。

「あっ、ジミナ、ミラちゃんは人妻だから幾ら顔を赤くしても無理だからな」

「兄さん」

兄ちゃんじゃなく兄さんね。

「それで、ミラちゃん、此奴ちょっと家庭の味に飢えているから、ミラちゃんの特性シチューをお願い」

「あいよ」

シチューが来るまで、ジミナと話した。

「どうだ、ジミナ...これでもリラより...か.わ.い.い.女なんていないっていうんでちゅかーーーっ」

「うう、兄さん、ごめん、さっきも言ったけどリラはそれだけじゃ無いんだ」


「はいよ、シチュー二つ」

「ほらジミナきたぞ、このシチューは裏メニューで常連しか食べられないんだ、これはなぁミラちゃんが愛する旦那の為に作ったメニューなんだぞ」

「あははっ照れるね...確かに手間暇が掛るからね、常時メニューには出来ないね」

奥の厨房で熊みたいな旦那が顔を赤くしている。

ミラちゃんはもう他のお客の所に行った。

「美味しい...」

「だろう、これはミラちゃんが旦那の為に考えたシチューだ、愛情が沢山詰まっている、どうだ!」

本当は嘘だ、此処は街だから調味料が沢山手に入る。

村みたいに、塩位しか味付けが無い場所じゃないからだ。

だが俺は敢えてそれを言わない。


「本当だ、体の中から温まる...」

「これが愛情の詰まった料理だ、リラの様に適当に作るんじゃない、旦那の為に時間を掛けてじっくり作った料理、違うだろう」

「確かに...これが愛情のこもった料理だと兄さんが言うなら、今迄のは違うかも知れない」


ジミナのリラへの想いに罅が入った瞬間だった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

処理中です...