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アイシャ
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何故かアイシャが暴れるので、簡単にブルーニ司祭達にお礼を言って立ち去った。
後ろから、
「英雄とも言われるセレス様に助けられたのにあの態度はなんだ」
「本当に年増女の分際で、なんで『英雄セレス様』の傍に居るのよ」
そんな声が聞こえてきた。
まぁ、教会にとって勇者関係者は、半分仕える存在だから仕方ない。
意外な事にいざ歩き出すとアイシャは暴れなくなった。
しかし、なんで俺は殴られたんだ。
◆◆◆
宿屋の部屋に着いた。
アイシャの顔を見ると明らかに『私怒ってます』そんな感じに不貞腐れているのがありありと解かった。
しかし、一応は俺は主の筈だが、何故殴れるんだろう。
まぁそれは良いや。
取り敢えず、話し合いでもするしかないだろう。
「アイシャ」
「何よ!」
やはり怒っている気がする。
俺は何か怒らせるような事をしたのか?
もしかして奴隷にされた事を怒っているのか?
駄目だ、何とか会話を続けないと…
「アイシャ、なんで怒っているんだ、俺は」
「年増で悪かったわね…」
なんだ、意味が解らない。
「おばさんで悪かったわね…」
「何それ、意味が解らない」
いや、俺からしたら27歳ってドストライクなんだが、なぜそうなる。
「あんたは、若くて、綺麗なお姫様が良かったんでしょう?本当にババアで悪かったわね、ババアなんだから仕方ないじゃない」
半泣きしながら、怒鳴るアイシャに俺は仕方なく話を聞く事にした。
話しを聞くうちにアイシャが何故こんな事を言っているのか解かった。
◆◆回想◆◆
「セレス様が呪われた方を連れてきたんだ、教会の面子に掛けて解呪するぞ」
「「「「「はい」」」」」
「セレス様は勇者様や聖女様の親友にして仲間だ、そんな方が我が教会を頼られた誇りに思うのだ」
「「「「「はい」」」」」
「お嬢さん、貴方は凄くついてますぞ! 貴方をお連れになったセレス様は『英雄』と呼ばれる尊い方なのです、貴方の不幸はもう終わりました、すぐに、元の姿にお戻しします」
私は本当に心から感謝して、ようやくこの不幸が終わると思ったのよ。
それが…
「これで、呪いも毒も完璧に解除できました」
「ありがとう、ありがとうございます…ようやく喋れるようになりました」
私はこれで不幸が終わる、本当に感謝しました。
それなのに…
「可笑しい、呪いも毒も解除したのに…まだ、何かあるのか?」
「可笑しいです、ちゃんと呪いは解けた筈なのに、僅かに若返っただけです」
「駄目なのか? 少し若返っただけで、老化が完璧には解除できないのか?」
「……」
「これではセレス様を落胆させてしまう」
「何とか、最悪教皇様に連絡してエルクシャーでも使わなくては」
「折角、此処まで治したのに、これ程『元は美しかった』のが解るのに、老化だけが完璧に解呪出来ないなんて」
「….あの、私は一体幾つに見えるの?」
「お嬢さん、すみません、私の力が及ばなく、貴方の姿は、言いにくいのですが20代後半に見えます」
「ごめんなさい、これ以上どうしても、若返られなくて」
「…合っています」
「今、何と?」
「私の年齢は27歳なので、その容姿で合っています」
「「「「「「えーっ」」」」」」
「そうですか? 27歳で合っているんですか? はぁ~、そんなセレス様が連れてきた方が『こんなババア』だなんて」
「司祭様、しかも…この人『セレス様の奴隷』になっているみたいですよ、こんな年増の癖に」
「おいたわしやセレス様、こんな行き遅れのような女じゃなくて、望んで頂けるなら、若くて綺麗で生娘のシスターを幾らでもお世話して差し上げるのに」
「多分、呪いに掛かっていたから、解呪さえすればきっと美少女になる、そう思われていたに違いありません」
「それが、こんな中古品みたいなババアになるなんて」
「私は、私は…中古品じゃない、生娘です」
恥ずかしいけど、主張しました。
「「「「「「えーっ」」」」」」
「27歳にもなって生娘なんですか? プッ…そうですか(笑)」
「どちらにしても、セレス様はきっと落胆なさいますね、多分こんなババアだとは思って無いでしょうから」
「元が綺麗だっただけ余計残念ですよね」
「ぷっ(笑)元が幾ら綺麗でも、27歳じゃね…普通で良いから15歳、せめて17歳位じゃないと女として終わっているわ、18歳だって行かず後家なのに」
「セレス様がっかりするでしょうね」
「「「「「「まさか、オバサンとは思わなかったな(わ)」」」」」」
◆◆回想終わり◆◆
「オバサンで悪かったわね、私だって好きで歳とったんじゃないわ! 人生の殆どを部屋の中で過ごしたのよ…ようやく部屋から出られたと思ったら、呪いを掛けられて、あと少しで殺される所だったのよ? 仕方ないじゃない! 過ごした歳はもう返ってこない…今の私は…もう仕方ないじゃないのよ…ヒク、ヒク…スン、スン」
「俺は別にそんな事は考えてない」
「嘘よ、貴方だって若くて綺麗な女の子の方が良いんでしょう? 呪いを解いたのが若い子じゃなくてオバサンで年増でガッカリしたんでしょう」
いや、そんな事は無い。
そうなら、多分俺はリヒトと女の取りあいをしている。
前世持ちの俺から見たらドストライクなんだが、此の世界ではそれは通用しない。
仕方ないな。
『また孤児だから』で推しとおそう。
「あのさぁ、言いにくいんだが、俺は『極端に年上好き』なんだ」
「何それ! わかんない!」
「俺はな、まぁアイシャ程じゃないが、結構孤独な感じで生活していた(ジミナ村の皆さんごめんなさい)。まぁ良い村だから生活には困らなかった。それでも、やはり心の中に家族に対する憧れはあったんだ」
「へえー、続けて」
少しアイシャの表情が和んだ気がした。
「だから、俺の好きなタイプは、年上で母性の強いようなタイプなんだ」
「年上が好きなのは解ったわ、それでご主人様は幾つな訳よ!」
「15歳だけど」
「あんた馬鹿なの? もう少し年上かと思ったわよ! 確かに私は部屋や屋敷から出た事は無いけど本を読んだり、メイドとかと話はしたわ、女は18歳でも行き遅れなんて言われているし、どう考えても、私と釣り合う歳じゃない! いやそれ所か27歳のおばさんが15歳と付き合うなんて犯罪よ!」
「俺は別に構わないが」
「本当に馬鹿ね! 歳の差12歳、早い人は14歳、15歳で母親になるんじゃない! そう考えたら、私は、もし貴方に母親が居たら、母親に近い歳なのよ? あーあっ今思い知ったわ、やはり私はオバサン、ババアなんだってね!」
「あのさぁ、俺はアイシャと一緒に居たいから、買ったし、教会にも連れて行って治療もした。他の人間は兎も角、俺にとってアイシャは『綺麗で美人』だ! まだ出会ったばかりだからお互いを知らない、これから少しずつ親交を深めれば良いんじゃないか?」
「そうね、私はセレスの奴隷だもん、一緒に居るのは当たり前だわ、本当に貴方が言う通り、『真性のババコン』だったら仕方ないから『好き』だって事認めてあげるわ」
「有難う」
可笑しいな? アイシャは俺の奴隷の筈なのに…奴隷紋ちゃんと仕事をしろよ。
後ろから、
「英雄とも言われるセレス様に助けられたのにあの態度はなんだ」
「本当に年増女の分際で、なんで『英雄セレス様』の傍に居るのよ」
そんな声が聞こえてきた。
まぁ、教会にとって勇者関係者は、半分仕える存在だから仕方ない。
意外な事にいざ歩き出すとアイシャは暴れなくなった。
しかし、なんで俺は殴られたんだ。
◆◆◆
宿屋の部屋に着いた。
アイシャの顔を見ると明らかに『私怒ってます』そんな感じに不貞腐れているのがありありと解かった。
しかし、一応は俺は主の筈だが、何故殴れるんだろう。
まぁそれは良いや。
取り敢えず、話し合いでもするしかないだろう。
「アイシャ」
「何よ!」
やはり怒っている気がする。
俺は何か怒らせるような事をしたのか?
もしかして奴隷にされた事を怒っているのか?
駄目だ、何とか会話を続けないと…
「アイシャ、なんで怒っているんだ、俺は」
「年増で悪かったわね…」
なんだ、意味が解らない。
「おばさんで悪かったわね…」
「何それ、意味が解らない」
いや、俺からしたら27歳ってドストライクなんだが、なぜそうなる。
「あんたは、若くて、綺麗なお姫様が良かったんでしょう?本当にババアで悪かったわね、ババアなんだから仕方ないじゃない」
半泣きしながら、怒鳴るアイシャに俺は仕方なく話を聞く事にした。
話しを聞くうちにアイシャが何故こんな事を言っているのか解かった。
◆◆回想◆◆
「セレス様が呪われた方を連れてきたんだ、教会の面子に掛けて解呪するぞ」
「「「「「はい」」」」」
「セレス様は勇者様や聖女様の親友にして仲間だ、そんな方が我が教会を頼られた誇りに思うのだ」
「「「「「はい」」」」」
「お嬢さん、貴方は凄くついてますぞ! 貴方をお連れになったセレス様は『英雄』と呼ばれる尊い方なのです、貴方の不幸はもう終わりました、すぐに、元の姿にお戻しします」
私は本当に心から感謝して、ようやくこの不幸が終わると思ったのよ。
それが…
「これで、呪いも毒も完璧に解除できました」
「ありがとう、ありがとうございます…ようやく喋れるようになりました」
私はこれで不幸が終わる、本当に感謝しました。
それなのに…
「可笑しい、呪いも毒も解除したのに…まだ、何かあるのか?」
「可笑しいです、ちゃんと呪いは解けた筈なのに、僅かに若返っただけです」
「駄目なのか? 少し若返っただけで、老化が完璧には解除できないのか?」
「……」
「これではセレス様を落胆させてしまう」
「何とか、最悪教皇様に連絡してエルクシャーでも使わなくては」
「折角、此処まで治したのに、これ程『元は美しかった』のが解るのに、老化だけが完璧に解呪出来ないなんて」
「….あの、私は一体幾つに見えるの?」
「お嬢さん、すみません、私の力が及ばなく、貴方の姿は、言いにくいのですが20代後半に見えます」
「ごめんなさい、これ以上どうしても、若返られなくて」
「…合っています」
「今、何と?」
「私の年齢は27歳なので、その容姿で合っています」
「「「「「「えーっ」」」」」」
「そうですか? 27歳で合っているんですか? はぁ~、そんなセレス様が連れてきた方が『こんなババア』だなんて」
「司祭様、しかも…この人『セレス様の奴隷』になっているみたいですよ、こんな年増の癖に」
「おいたわしやセレス様、こんな行き遅れのような女じゃなくて、望んで頂けるなら、若くて綺麗で生娘のシスターを幾らでもお世話して差し上げるのに」
「多分、呪いに掛かっていたから、解呪さえすればきっと美少女になる、そう思われていたに違いありません」
「それが、こんな中古品みたいなババアになるなんて」
「私は、私は…中古品じゃない、生娘です」
恥ずかしいけど、主張しました。
「「「「「「えーっ」」」」」」
「27歳にもなって生娘なんですか? プッ…そうですか(笑)」
「どちらにしても、セレス様はきっと落胆なさいますね、多分こんなババアだとは思って無いでしょうから」
「元が綺麗だっただけ余計残念ですよね」
「ぷっ(笑)元が幾ら綺麗でも、27歳じゃね…普通で良いから15歳、せめて17歳位じゃないと女として終わっているわ、18歳だって行かず後家なのに」
「セレス様がっかりするでしょうね」
「「「「「「まさか、オバサンとは思わなかったな(わ)」」」」」」
◆◆回想終わり◆◆
「オバサンで悪かったわね、私だって好きで歳とったんじゃないわ! 人生の殆どを部屋の中で過ごしたのよ…ようやく部屋から出られたと思ったら、呪いを掛けられて、あと少しで殺される所だったのよ? 仕方ないじゃない! 過ごした歳はもう返ってこない…今の私は…もう仕方ないじゃないのよ…ヒク、ヒク…スン、スン」
「俺は別にそんな事は考えてない」
「嘘よ、貴方だって若くて綺麗な女の子の方が良いんでしょう? 呪いを解いたのが若い子じゃなくてオバサンで年増でガッカリしたんでしょう」
いや、そんな事は無い。
そうなら、多分俺はリヒトと女の取りあいをしている。
前世持ちの俺から見たらドストライクなんだが、此の世界ではそれは通用しない。
仕方ないな。
『また孤児だから』で推しとおそう。
「あのさぁ、言いにくいんだが、俺は『極端に年上好き』なんだ」
「何それ! わかんない!」
「俺はな、まぁアイシャ程じゃないが、結構孤独な感じで生活していた(ジミナ村の皆さんごめんなさい)。まぁ良い村だから生活には困らなかった。それでも、やはり心の中に家族に対する憧れはあったんだ」
「へえー、続けて」
少しアイシャの表情が和んだ気がした。
「だから、俺の好きなタイプは、年上で母性の強いようなタイプなんだ」
「年上が好きなのは解ったわ、それでご主人様は幾つな訳よ!」
「15歳だけど」
「あんた馬鹿なの? もう少し年上かと思ったわよ! 確かに私は部屋や屋敷から出た事は無いけど本を読んだり、メイドとかと話はしたわ、女は18歳でも行き遅れなんて言われているし、どう考えても、私と釣り合う歳じゃない! いやそれ所か27歳のおばさんが15歳と付き合うなんて犯罪よ!」
「俺は別に構わないが」
「本当に馬鹿ね! 歳の差12歳、早い人は14歳、15歳で母親になるんじゃない! そう考えたら、私は、もし貴方に母親が居たら、母親に近い歳なのよ? あーあっ今思い知ったわ、やはり私はオバサン、ババアなんだってね!」
「あのさぁ、俺はアイシャと一緒に居たいから、買ったし、教会にも連れて行って治療もした。他の人間は兎も角、俺にとってアイシャは『綺麗で美人』だ! まだ出会ったばかりだからお互いを知らない、これから少しずつ親交を深めれば良いんじゃないか?」
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