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【勇者パーティSIDE】丸く収まったな。
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「嘘だろう、母ちゃん、いや母さんが売り飛ばされたなんて」
途中立ち寄ったギルドでそんな報告書を貰った。
「リヒト、だったら一旦戻らないと」
「リタ気にしなくて良い、もう済んだ事だ、母さんは奴隷として売り飛ばされ、もう買われた」
「リヒト、幾ら母親が嫌いだとしても、これは動いた方が良いと思うよ、僕だって知り合いが奴隷になるなんて気分が良く無いよ」
「そうよ、リヒト」
「いや、行く必要は無いな、母さんはもう奴隷として売られた後だしな」
「それなら、買い戻さないと、しかしまさか売ったのは…」
「ああっ親父だな」
「リューズさんか、やっぱり僕は好きになれない、自分の家族を売るなんて信じられない」
「まぁ親父のやりそうな事だ、冗談だが彼奴、大昔にセレスに母さんを売ろうとしたんだぜ」
「嘘、最低ね」
「まぁ俺たちがガキの頃だから、只の冗談だな、5歳のガキには金なんてないからな…だがセレスの方は冗談とは思って居なかったのかもしれない、俺もセレスに「物好きだな!あんなので良ければ何時でも譲ってやるぜ!」と言ってたしな」
「それで、リヒトはそれで良いの? 自分の母親が見も知らない人間に売られたんだよ、幾ら父親の方が好きでもこれは流石にマリベルさんが可哀想だよ!」
「えっ、俺は母さんも嫌いだけど、親父はもっと嫌いだ」
「そうは見えなかったけど」
「僕もそう思っていたけど」
「違う、母さんは口うるさいし、女関係は凄く堅物だからなそりが合わないんだよ、親父はクズだけど理解があるし金をくれるから懐いた振りしていただけだ」
「それって」
「『親父に似てモテル』そういう息子を演じていれば金くれるからな、ソニアやリタ、ケイトとのデート代欲しさからだな、俺は両方共好きじゃない」
「だからって、幾ら何でも酷いよ、見損なったよ僕」
「私も少し引くわよ」
「最低だわ」
「いや、買ったのが見知らぬ相手だったら、俺だって動くよ? だけど運よく買ったのはセレスだ」
「「「セレス?」」」
「まぁ幾ら口うるさいババアでも、一応は身内だから不幸にはなって欲しくは無いさ、だがお前等も知っての通り、凄く口うるさいからな、一緒には居たくない、お前等だって俺と結婚したとして、母さんと同居したいか?」
「僕、同居は嫌だな」
「私も無理だわ」
「避けたいよね」
「そうだろう? それにセレスは俺からしたら身内みたいなもんだ、親父が捨てた母さんを兄貴、もしくはもう一人の親父が引き取ったようなもんだと思わないか?何か問題ある?」
「そうね、問題なさそうだよ」
「そうね問題無いわ、だけど、セレスって本当にお兄ちゃんとか父親に思える時があるよね」
「言えてる」
「あのさぁ、リヒト、僕思ったんだけど、セレスって孤児じゃない? だから母親みたいな家族が欲しかったんじゃない?子供の頃のセレスってよく大人の女性ばかり見ていた記憶があるよ! あとよくお手伝いしていたじゃない!」
「そう言えばそうね、そのせいで私、母さんに『セレス君を見ならいなさい』って怒られたわ」
「私もよ…」
「成程な、確かに彼奴は俺にも親父にも『本当に譲ってくれるのか』って言っていたな、母親が欲しい、案外それが今回のババアパーティの真相かも知れないな、だがそれなら好都合じゃないか? 幾ら俺が母さんが嫌いでもよ不幸にはなって貰いたくはねーよ。だがこの先同居はお前達も嫌だろう?」
「そうだね」
「私もいやだわ」
「いちゃつけないもんね」
「だったら、俺達が一番信頼できるセレスが『引き取ってくれたんだから万々歳だろう?』これで結局丸く収まる、彼奴も欲しかった『母親』を手に入れ喜んでいるだろうしな。一応言っておくが俺はそこ迄ゲスじゃないぞ、相手がセレスだからOKなんだ、違う奴なら直ぐに飛んでいく。彼奴は兄弟みたいなもんだ…母親を長男に渡した次男みたいなものだ」
「そうだね、僕は解っているよ」
「全員問題無いわね」
「最高の答えね」
「だが、親父、彼奴は許せねーな。セレスに身内の恥を晒しやがって、セレスに譲ったならいざ知らず。金だって俺の支度金で一生遊んで暮らせるんだから、金に困ってじゃねーのは確かだ」
「それでどうするのさ」
「まぁ、家族だから報復する訳にいかないが『理由書を添えて絶縁』しておくのが良いだろうな、ギルドと教会に正式に出そうと思う、教会の方はソニア頼めるかな」
「まぁね、聖女の私が言えば大丈夫だわ」
「それじゃ頼んだ」
リヒト達は知らなかった。
この『絶縁』は思った以上に厳しいと言う事を。
途中立ち寄ったギルドでそんな報告書を貰った。
「リヒト、だったら一旦戻らないと」
「リタ気にしなくて良い、もう済んだ事だ、母さんは奴隷として売り飛ばされ、もう買われた」
「リヒト、幾ら母親が嫌いだとしても、これは動いた方が良いと思うよ、僕だって知り合いが奴隷になるなんて気分が良く無いよ」
「そうよ、リヒト」
「いや、行く必要は無いな、母さんはもう奴隷として売られた後だしな」
「それなら、買い戻さないと、しかしまさか売ったのは…」
「ああっ親父だな」
「リューズさんか、やっぱり僕は好きになれない、自分の家族を売るなんて信じられない」
「まぁ親父のやりそうな事だ、冗談だが彼奴、大昔にセレスに母さんを売ろうとしたんだぜ」
「嘘、最低ね」
「まぁ俺たちがガキの頃だから、只の冗談だな、5歳のガキには金なんてないからな…だがセレスの方は冗談とは思って居なかったのかもしれない、俺もセレスに「物好きだな!あんなので良ければ何時でも譲ってやるぜ!」と言ってたしな」
「それで、リヒトはそれで良いの? 自分の母親が見も知らない人間に売られたんだよ、幾ら父親の方が好きでもこれは流石にマリベルさんが可哀想だよ!」
「えっ、俺は母さんも嫌いだけど、親父はもっと嫌いだ」
「そうは見えなかったけど」
「僕もそう思っていたけど」
「違う、母さんは口うるさいし、女関係は凄く堅物だからなそりが合わないんだよ、親父はクズだけど理解があるし金をくれるから懐いた振りしていただけだ」
「それって」
「『親父に似てモテル』そういう息子を演じていれば金くれるからな、ソニアやリタ、ケイトとのデート代欲しさからだな、俺は両方共好きじゃない」
「だからって、幾ら何でも酷いよ、見損なったよ僕」
「私も少し引くわよ」
「最低だわ」
「いや、買ったのが見知らぬ相手だったら、俺だって動くよ? だけど運よく買ったのはセレスだ」
「「「セレス?」」」
「まぁ幾ら口うるさいババアでも、一応は身内だから不幸にはなって欲しくは無いさ、だがお前等も知っての通り、凄く口うるさいからな、一緒には居たくない、お前等だって俺と結婚したとして、母さんと同居したいか?」
「僕、同居は嫌だな」
「私も無理だわ」
「避けたいよね」
「そうだろう? それにセレスは俺からしたら身内みたいなもんだ、親父が捨てた母さんを兄貴、もしくはもう一人の親父が引き取ったようなもんだと思わないか?何か問題ある?」
「そうね、問題なさそうだよ」
「そうね問題無いわ、だけど、セレスって本当にお兄ちゃんとか父親に思える時があるよね」
「言えてる」
「あのさぁ、リヒト、僕思ったんだけど、セレスって孤児じゃない? だから母親みたいな家族が欲しかったんじゃない?子供の頃のセレスってよく大人の女性ばかり見ていた記憶があるよ! あとよくお手伝いしていたじゃない!」
「そう言えばそうね、そのせいで私、母さんに『セレス君を見ならいなさい』って怒られたわ」
「私もよ…」
「成程な、確かに彼奴は俺にも親父にも『本当に譲ってくれるのか』って言っていたな、母親が欲しい、案外それが今回のババアパーティの真相かも知れないな、だがそれなら好都合じゃないか? 幾ら俺が母さんが嫌いでもよ不幸にはなって貰いたくはねーよ。だがこの先同居はお前達も嫌だろう?」
「そうだね」
「私もいやだわ」
「いちゃつけないもんね」
「だったら、俺達が一番信頼できるセレスが『引き取ってくれたんだから万々歳だろう?』これで結局丸く収まる、彼奴も欲しかった『母親』を手に入れ喜んでいるだろうしな。一応言っておくが俺はそこ迄ゲスじゃないぞ、相手がセレスだからOKなんだ、違う奴なら直ぐに飛んでいく。彼奴は兄弟みたいなもんだ…母親を長男に渡した次男みたいなものだ」
「そうだね、僕は解っているよ」
「全員問題無いわね」
「最高の答えね」
「だが、親父、彼奴は許せねーな。セレスに身内の恥を晒しやがって、セレスに譲ったならいざ知らず。金だって俺の支度金で一生遊んで暮らせるんだから、金に困ってじゃねーのは確かだ」
「それでどうするのさ」
「まぁ、家族だから報復する訳にいかないが『理由書を添えて絶縁』しておくのが良いだろうな、ギルドと教会に正式に出そうと思う、教会の方はソニア頼めるかな」
「まぁね、聖女の私が言えば大丈夫だわ」
「それじゃ頼んだ」
リヒト達は知らなかった。
この『絶縁』は思った以上に厳しいと言う事を。
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