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第79話 人生の岐路

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「それでリヒトちゃんどうする?」

「どうするって?」

「あらっ! 折角、インキュバスキングに種族がかわったんですから『ヤリまくり』もありですよ!」

ヤリまくり…その響き通りの話だよな。

「余り興味が無いな」

「そうですか? 世界が変わったのに勿体ないと思いません? 王女だろうが歌姫、貴族の令嬢、なんでしたらエルフのクィーン種ですら、今のリヒトちゃんの前では只のメス! その能力の前には自ら股を開きますよ? 経験したでしょう!」

だが、可笑しい気がする。

この能力がそんなに凄いなら、対になるレイラが幾ら『化け乳』と言われても男に困る事になる訳ない気がする。

「レイラ、そこ迄凄い能力なら、レイラたちは何故…」

「確かに…そう思うかも知れませんが、流石に神が絡んでこの世界その物から『醜い』と認定されたら無駄でしたね…この世界と神の力VSサキュバスの能力、負けたのは私達、そういう事です! あっ、だけどリヒトちゃんは、この世界を敵に回していないからやりたい放題! インキュバスは種族関係なく、その能力は使えますから『ヤリたい放題』です!」

確かに今の俺は男のロマン『ハーレムが簡単に手に入る』それは間違いなさそうだ…だが、困った事に俺は余りハーレムに興味は無い。

4人も居て今更?

そう言われるかも知れないが、前世の俺は『1穴主義』だ。

1人本当に好きな相手を見つけたら、その子とばかり『ヤリ続ける』

恋人以外とは『そういう関係』にはならないが、なってしまったらもうズブズブの関係になる。

これが良いか悪いかは相手の性格しだいだな。

好かれる場合もあれば嫌われる場合もある。

「好みじゃないのもあるが、4人が傍に居てくれたら、他は別に要らないな」

「インキュバスでしかも魔王なのに…うふふふっ童貞で、その考え可愛らしいですね」


魔王?

今、間違いなく魔王と言ったよな…

「魔王って?」

「あら?! サキュバスクィーンの私が魔王なんですから、インキュバスキングになったリヒトちゃんが魔王じゃない訳ないじゃないですか? 最も魔王の力を身に着けただけですから『正式な魔王』じゃないですね。なんでしたら魔王城に一回出向いて魔王の資格貰います?」

魔王の資格?

「魔王の資格ってなんだ」

「魔王城に行って、現魔王様と四天王を含み、魔王の能力を持つ存在にその能力を認められれば魔族側で『魔王』と認められますよ。まぁ魔王の力の保持者が複数いるので、人間で言うなら高位貴族になる位ですけど…」

これで俺は完全に魔族側になってしまった。

そう言う事だな。

だが待てよ…

「それなら、レイラは何故、こんな悲惨な目にあっているんだ! 人間側で言うなら公爵みたいなものだよな? そんな権力者がそんな目に普通はあわないだろう?」

「あははっ、人間側で言うなら、豚公爵みたいな者ですよ…いかに公爵でも王から全ての貴族から民衆に嫌われたら終わりです!」

確かに全ての王族や貴族、民衆に嫌われたら勇者や公爵でも終わる。

その通りだ。

「成程な…それで今の俺は少しは強くなったのか? 魔王並みなら結構強くなっているよな」

確かに種族が変わり、前以上に強くなった気はする。

それこそ、1人で全世界を相手に戦える位に…

「そうですね…私相手に…3分は戦えますよ、3分は!」

3分…それだけか?

「3分?」

「セレスちゃん…新参者の魔王が古参の魔王に善戦出来ると思います? 赤ちゃんと大人…勝負は見えていますよね」

種族は魔王に変わったけど…俺は魔王の中では赤ん坊。

そういう事か?

「それっていつかは差が埋まるのか?」

「うふふふっ、無理ですよ? 魔族、その中でも魔王種は長寿です。人間みたいに老人になって弱くなるって事はまず無いですからね。もし縮まるとしても遥か先の話です」

まぁ、基本的には無理みたいだな。

もう人類は詰んでいる気がする。

「…」

「リヒトちゃんが考えている事は解りますよ? だからリヒトちゃんをそんな世界が来ても生きられる様にしてあげたんです! リヒトちゃんの『愛する人も一緒』にです。まぁ巨乳系のサキュバスは魔族から嫌われていますが、人間と違い魔族ですから人間で居るよりはマシです」

「確かにそうかも知れないな」

「ええっ、これから先、リヒトちゃんは魔族側の存在、もう魔物には襲われませんし、下手したら跪かれます。ワイバーンみたいな竜種じゃなければもう揉める事もありません!」

これは俺の職業の終わりなのかも知れない。

魔物を狩れないなら『冒険者』はやりずらい。

竜種ばかりを狩り『ドラゴンスレイヤー』になったら目立ちすぎる。

『引退』それを考える時期が来たのかも知れない。

三人の事を考えても…潮時かも知れない。

世の中に巨乳は人間も魔族も含んで4人。

それが全部俺の傍に居て愛してくれている。

「それじゃ、冒険者の引退も考えた方が良いかもな」

「それは、実際に魔物に会ってから考えたらどうですか?」

「そうだな」

そろそろ大きな決断をしないといけないのかも知れない。








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