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最終話 母さんありがとう
しおりを挟む女神イシュタスにも復讐をしようかと思ったが、止めて置く事にした。
孫悟空の力なら倒せるかも知れないが…この世界は一神教。
殺してしまったらこの世界に何らかの影響を与える可能性が高い。
だから…これでおしまいで良い。
その後の情報だが…
王族が2人死んでも何も変わらなかった。
一番血縁の近いバルバドール公爵が王位につき、国としては大きく変わらない。
城が壊された分財源は乏しくなる…それ位だ。
俺の脅しが効いたのか…王国は魔族と戦う事を放棄。
今後は和平の道へと大きく方向を変えるそうだ。
まぁ異世界から勇者を呼び出しても、それを超える存在に殺されたら意味がないから仕方ないだろう(笑)
異世界人(日本人)は今後は自由に生きるそうだ。
城に残り騎士になるものや…冒険者になる者や商売をする者まで様々。
王と王女を殺した事は罰されていないようだ。
だが、王族を殺した者を城へ置いておくのは問題があり、それで『城から追い出される』
多分、それが『自由』の意味だと思う。
残念ながら俺の能力でも『元の世界』には戻れないし、戻せない。
沢山の能力を貰っているんだから…此処で強く生きて貰うしか無いな。
そして…
◆◆◆
「悟さん…それは?」
「お墓を作っているんだ…母さんのね。尤もお骨も何もないから、お墓と言えるか微妙だけどね…」
「私も手伝って良いですか?」
「勿論」
尤も、もう墓石は完成して据え付けが終わり…手伝って貰う事も殆どない。
「悟様のお母さまってどんな人だったんですか」
「優しくて綺麗でエルダさんに似た美人かな? なにより死ぬまでずうっと俺を心配して死んでいった母の鏡みたいな人だったよ」
完成したお墓に花をあげて二人で祈った。
『母さん、この人がエルダさん伴侶として俺が選んだ相手だよ。俺この世界で頑張っていくよ…ありがとう』
そう気持ちを伝えた。
◆◆◆
母さんに感謝し…墓前でエルダさんにプロポーズした。
「良かったら俺と結婚してくれませんか?」
驚いて目を見開いたエルダさんは…どうやら一瞬気を失っていたようだ。
暫く立つと
「喜んで」と返事が返ってきた。
多分、異世界だから母さんへ気持ちは届かない…
だが、それでもこうしたかった。
「エルダさん行こうか?」
「うん」
俺はエルダさんと手を繋ぎ…お墓をあとにした。
『母さんありがとう…また来るね』
天国から
『頑張りなさい』
そんな声が聞こえた気がした。
FIN
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