『ホームレス王の孫』の異世界転移 スラム暮らしも悪くない!

石のやっさん

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第22話 人が嫌う仕事にこそチャンスがあるかも知れない

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しかし、本当にこの家は凄い場所に建っているな。

周りには墓地しかない。

だけど、此処にきっと『仕事のチャンス』がある筈だ。

この場所は見渡すばかりお墓だらけだ。

つまり此処は『沢山の人が集まる』だ。

日本と違いお彼岸やお盆なんて物は無いかも知れないが、絶対に人が集まる時期がある筈だ。

その証拠にお墓には花があげられているし、お参りしている痕跡がある。

それにこの家はこんなに造りが良いのに、墓地の傍なのと茶色い温泉のせいもあり買い手がつか無かった。

つまり、この世界の人間も死につながる様な物や死体を嫌っている。

爺ちゃんは言っていた。

『人が嫌う仕事にこそチャンスがある』と......

例えば、墓石屋だ。

いまでこそ普通の職業だが、昔はただ石を売っているだけなのでなり手が無かったらしい。

しかも当初は物凄く高額で販売していた。

そんな事を爺ちゃんから聞いた気がする。

このお墓には前世でいう石で出来た芝墓地みたいなお墓が建っている。

だが、詳しく調べてみないと解らないが、この近所に墓石屋みたいな物がなかった。

見た感じ1人に1つ小さな墓石があるから販売すれば需要がある可能性がある。

あと、この世界はまだ土葬。

日本みたいに焼骨したりしない。

だったら穴を掘ったりする仕事もあるかも知れないし、棺桶等も売れるかも知れない。

見た感じ花もあがっているから、花も売れるかも知れない。

『これだけお墓があるのに店が近くに無い』

だったら、この場所で飲食の店をやるのも良いかも知れない。

お墓参りしたあとのお客が拾えるかもしれない。

日本だと結構大きな墓地の近くにはお茶屋さんが昔はあったと聞いた事がある。

他にも日本にはお墓の清掃や草むしりの仕事もあった。

実際にどんな仕事が出来るかは解らない。

だが、この場所の近くには店がないのだから、きっと何かしら仕事のチャンスがある筈だ。

とは言え……俺はこの世界の宗教や墓地について何も知らない。

一度、この墓地を管理している教会に聞きに行く必要がありそうだ。

◆◆◆

「ハンス、またボーとしてどうしたの? まさか、私じゃ満足出来なく……」

「そんな事無いよ! 今日もアカネは魅力的だったよ……最近は凄く積極的でうん、凄くいいよ」

温泉でエッチした日から、此処暫くはお互いにまるで溺れるように体を重ねている。

やはり衛生的な環境が手に入ったからかもしれない。

お風呂が身近にあるから清潔な環境で出来る。

逢瀬をした後もすぐにお風呂に入れるから複数回体を重ねる事が当り前の様になっていた。

また、清潔な環境だからこそ、凄く内容も過激になってきた。

「それなら良かったわ、あっ、また、それじゃ口で今度はしてあげるね……ハンスもしてくれると嬉しいな。あーむっ」

「あっ、それじゃ俺も」

「ハンス……あっ」

温泉とベッド、そして人を気にしないで良い環境だとどうしても我慢出来なくなる。

俺は結構女に溺れるタイプだったのかも知れないな。

爺ちゃんだったら『英雄色を好む』でいいんじゃないか?

とか言いそうだ。

アカネは『娼婦だった』けど、この世界の娼婦ってアカネの話しだとマグロ状態で相手に抱かせているだけみたいだ。

たしか、日本も江戸時代から前だとそんな感じだと聞いた覚えもある。

だからか、アカネは殆ど経験のない女の子と変わりなかった。

そのアカネがぎこちないながら色々してくれて、それが少しづつ上手くなっていき、SEXが好きじゃなった筈なのに、嬉しそうに俺を受け入れてくれる姿を見るのが凄く嬉しいし愛を感じる。

そう言えば、爺ちゃんの友達の誰かが『SEXはキャッチボール』と言っていた気がする。

お互いが気持ち良くなる為には『思いやる気持ち』『愛』が必要だと言っていた。

今のアカネと俺の関係を考えるとその通りだと思える。

何回も体を重ね、満足し、俺はアカネを腕枕しながら抱きしめるようにして横たわっている。

「こうしてハンスの腕の中に凄く安心するの」

そう言いながらアカネは八重歯を見せて笑顔を俺に向けてくる。

「そう?」

俺は照れてしまい、軽く一言で返した。

「うん、それでね、さっきはボーっとして何を考えていたの?」

そう言えば、此処で出来る仕事について考えていたんだよな。

「この場所で何か仕事が出来ないか考えていたんだ?」

「また、残飯シチューでもつくるの?」

「いや、この場所は墓地だから、スラムの人間じゃなく普通の人も来るじゃない? だから、此処ならもっと違う事が出来るんじゃないか?そう思うんだ」

「へぇ~ハンスって良くそんな事思いつくね。ハンスなら大丈夫頑張ってね!」

「ああっ、頑張るよ」

さぁ今度は何をしようか……

アカネの笑顔の応援を受けた俺は......頑張ろうそう決意した。

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