『ホームレス王の孫』の異世界転移 スラム暮らしも悪くない!

石のやっさん

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第37話 ミノタウルスのステーキ

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結局二日目の休みは家でまったりする事にした。

温泉もあるし、異世界には映画館もないし、美術館はあるが、スラムの人間が行くような場所じゃないから入りずらい。

二人ともインドア派なので家で美味しい物でも食べながらゆっくりした方が良い。

帰りがけにいつも買わないような高級な食材を買ってきた。

アカネは結構食いしん坊だから、いつも以上に腕によりをかけて美味しい物を作る事にした。

「俺渾身のミノタウルスのステーキとコーンポタージュに、麦パン……そしてショートケーキでございます! アカネ様どうぞ!」

ちょっと高級レストランのコックを真似してみた。

「ハンス、アカネ様ってなに? それもそうだけど、この料理、お肉も凄いけど、白いのから凄く甘そうな臭いがする……」

「まぁまぁ食べてみてよ! 今日のは、本当の自信作だから」

そう俺が言うとアカネがミノタウルスのステーキをカットして口に運んだ。

「うん!? ううん……あっあっああーー美味しい。ううん美味しすぎるよぉ~あああーーーっ、あん、ああっ体が、体がぁぁぁ、熱い、熱いよぉ~」

なんだか、まずい物を作ってしまったのか?

アカネが笑顔で泣きながら、体からは凄い量の汗が噴き出している。

滝の様な汗ってこういうのを言うのかも知れない。

「アカネ大丈夫か!」

「はぁはぁ、全然大丈夫だから気にしないで……本当に……はぁはぁ」

「なんか苦しそうだけど……具合悪いなら食べるのをやめても……」

「ちちち違っ……違うから……ハァハァ凄く美味しいだけでなく、体中がムズムズして、はぁはぁ、あっあーーん、ハァハァ凄く気持ち良いの、ハァハァ、本当に……」

なんか、はぁはぁ言っていて妙にエロっぽい声をあげながら汗だくになっていて、何ともセクシーだ。

下手なAVより艶がある。

「本当に大丈夫?」

「本当に、はぁはぁ大丈夫だから……ありとあらゆる快感が押し寄せてきてはぁはぁ、凄く気持ち良いだけだから……」

「そう? それなら良いけど」

顔を真っ赤にしてはぁはぁしているけど、恍惚の表情を浮かべているから良いか……

「はぁはぁ……ハンス、凄く美味しい、ハァハァ、体が熱いし、凄く美味しい……ハァハァ……」

「アカネ、少し休んだ方が良いんじゃないか?」

アカネは料理を食べ終わると、恍惚の表情をし……

「ハンスごめん、ちょっとトイレ……」

そう言うと走って行ってしまった。

◆◆◆

アカネの事が気になり様子を見ていたら、トイレから出た後、そのまま風呂場にいったみたいだ。

気になりそっと覗いたらアカネと目が合った。

「ハンス、あのご飯凄いね……見て見てほら!」

「どうしたの?」

「凄いよ! 肌もすべすべだし、髪も凄く艶があるし恥ずかしいけど、体の中の悪い物が全部外に出たみたい……気のせいか目も前より良く見えるようになった気がするし……疲れも全部無くなっちゃった……まるで体が新品になったみたいなの、あのご飯凄いよ!」

「そうなんだ……それよりアカネ、裸なんだけど?」

やっぱりこれも『調理人』の力なのかも知れない。

前の世界には医食同源という言葉がある。

スキルとしての『調理人』には体調を良くする力もあるのかも知れない。

「いやだなぁ~いい加減見慣れたでしょう? 殆ど毎日みているんだからさぁ~ 折角だから一緒にお風呂に入ろうよ! 背中流してあげるから」

幾ら見ていても飽きない物は飽きないし、慣れない物は慣れない。

「そうだね、それじゃお言葉に甘えて背中流して貰おうかな?」

「うん、任せて、他にも沢山いい事してあげるから」

そのまま、アカネに招ねかれるようにお風呂に入った。

この状況で我慢できるわけもなく、そのままいつもの流れでアカネと体を重ねたんだが……今日は全然違う!

「ほらほら、ハンス気持ち良いでしょう? 私がしてあげるからハンスは寝てて良いからね」

アカネが上になりいつもと比べ物にならない位、凄く元気に動いている。

「あの、アカネ、そんなに頑張らなくても大丈夫だから!」

「不思議とね、いつもハンスの料理を食べると体が楽になるんだけど、今日のはとびっきり凄いの……ハァハァ、疲れが全部取れて力が漲ってくるみたいに凄いの……だから今日はハンスが満足するまで沢山してあげるからね……ほうら……」

「ハァハァ、アカネ」

自分でも今日の料理は凄いのが解る。

アカネの食事姿に目を奪われ自分では食べていないが、アカネを見ていて良く分かった。

日焼けしたアカネの肌が日焼けあとが消え白くなっているし、胸やお尻を触ってもどう言えば良いのか……凄くきめ細かで手に吸い付く様な感触がする。

まるで、赤ちゃんのプニプニほっぺみたいな触り心地だ。

若いアカネには可笑しな言い方だが、若返ったというか……感触が全く違う。

一番近いのは前の世界でいう『高級エステ』で施術した後みたいの状態の様な気がする。

「ハンス、どうしたのかな? ハァハァそんなに私を見つめて……」

「アカネって本当に綺麗だ……」

「そんな事言うのはハンスだけだって、それじゃ思いっきり、頑張っちゃうね」

今日のお風呂の時間は男として最高の時間だったが、流石に6時間は体がキツイ。

今度からミノタウルスは気をつけた方が良いかも知れない。


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