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第24話 結婚指輪
折角なので街の宝石商に来ている。
昨日、レイラと過ごしていた時にゼウスさんの『俺の故郷では結婚する時に指輪を交換するんだ』という言葉を思い出したからだ。
本当なら、結婚したのだから、家を買ったり今後の生活を考える時期なのだが、俺達は勇者パーティに関わってしまったから、それが出来ない。
だから、二人の特別な物が急に欲しくなった。
指輪出なくてもなんでも良いけど。
お揃いの物を身に着けたくなったんだ。
「あのさぁ、リヒトもしかして私にアクセサリーとか買おうとしている?」
「その予定だけど?」
なんだか、レイラの顔が少し曇った顔になった。
「あのね、私にアクセサリーは似合わないから、勿体ないからいいよ。いらない」
「そう? だけど、俺はレイラに着けて貰いたいんだけど。駄目かな?」
「駄目って訳じゃないけど。私ってほら女っぽくないじゃない。似合わないから」
「そんな事ないよ。レイラは凄く綺麗で可愛いしアクセサリーとか凄く似合うと思うんだ。それにこの間、一人前って言ってくれたからレイラとお揃いの指輪をつけたいんだ」
「お揃いの指輪? なんで?」
「ゼウスさんの故郷じゃ結婚したらお揃いの指輪をするらしいんだ。結婚したし、冒険者としてもレイラに一人前って言って貰えたから、俺……レイラとお揃いの指輪をしたい……なんて思ったんだ」
「へぇ~お揃いの指輪。そういう風習がある国があるのかな? だけど夫婦でお揃いの物つけるのは良さそうだね。リヒトがしたいならつけちゃおうか?」
「うん、それじゃそうしよう」
俺とレイラは宝石商のドアをあけ中に入った。
◆◆◆
「いらっしゃい、今日はどういった商品をお探しですか?」
黒服の紳士的な男性が挨拶してきた。
「お揃いでつけられる指輪を探しにきたんだけど」
「ああっ、昔、転移者の間で流行った婚姻の指輪ですね。何点かありますよ。今ご用意しますね」
そういうと、3種類の指輪のセットを出してきた。
俺はレイラと同じ物を身に着けられれば良いから、正直どれでも良い。
「レイラはどれが良い?」
「えっ!? わたし、そうだね……私が選んで良いなら、これが良いかな?」
どう見ても3種類の指輪の中で一番質素で値段の安い物だ。
「これが良い理由があるの?」
「ほら、私達は冒険者だから、丈夫で壊れないデザインが良いと思うの。宝石は邪魔だから、これはなしで、こっちのは指に引っ掛かるから、単純なデザインだけど、これが良いんじゃない?」
レイラは実用的なデザインが良いみたいだ。
遠慮して安いのを選んだんじゃなければ良いや。
「それじゃ、これにしようか?」
「うん、そうだね、これが良いや」
「それじゃ、すみませんこれ下さい」
「ありがとうございます。セットで金貨1枚になります。あと、寸法調整しますので左手薬指を計らせて下さい」
「お願いします」
「左手薬指ってなんでかな?」
「さぁ、俺も分からないけど、ゼウスさんもそう言っていたよ」
「異世界人のあくまで迷信なのですが左手の薬指は心臓に繋がる血管があるからつけられると聞いた事があります」
「そうだったんだ」
「心臓に繋がるからなんだ、なんかロマンチック」
二人してお互いに指輪を嵌め合って、宝石店を後にした。
「レイラ、そんなに指輪ばかり見ていると転んじゃうよ」
「転んでも良いよ!」
笑顔で指輪を眺めるレイラを見ていると……うん指輪を買って良かった。
本当にそう思った。
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