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第26話 次の試練
しおりを挟む「オークが4体、どうする?」
「レイラが左側の2体。俺が右側の2体を仕留める。これでどうかな?」
「それで良い……行こう!」
目の間で両手のブラスナックルをガシッとぶつけるとレイラはオークへと走り出した。
凄いな。
まるで宙を舞うかのように飛び上がりオークの頭をぶん殴る。
その瞬間、オークの頭がはぜる。
良くレイラの戦い方は残酷だと言うけど、俺からしたら舞を舞っているみたいで綺麗だ。
俺は地道だが、オークが棍棒を振った瞬間、内側に潜り込み、お腹を狙い裂く。
この方法で内臓をぶちまけるような攻撃をした。
ようやく、この攻撃方法にも慣れた。
俺は初心者。
それを頭に置いて、無理しないで隙を待ってから攻撃をする。
絶対に無理はしない。
それを頭において大振りになった瞬間懐に入り込み。
お腹を裂く。
けっしてカッコ良くないが、これが俺のオークの狩り方だ。
頭が潰れたオーク2体に内臓をぶちまけたオークが2体。
合計4体のオークが本日の獲物。
金貨3枚に銀貨2枚。
充分な収入だ。
「どうにか倒せた」
「へぇ~やるじゃん! もうオーク2体位なら安心して見ていられるよ」
「自分でもそう思う。だけど、多分この攻撃じゃオーガには通じないよね」
「何故そう思う?」
レイラの顔が真剣な顔になった。
「最近、訓練で少し太い木を切りつけているんだけど、切断出来ないんだ」
「確かに、その方法がオーソドックだけど、リヒトの場合は違う方法が良いかもね」
「違う方法?」
「そう、リヒトの場合はパワーよりスピードタイプだからね。ちょっとオークみてみようか?」
レイラはオークの死体を指さし説明を始めた。
「そうか、確かにその方法なら力は要らないかも」
「でしょう? オーガの怖さはオークに比べて強靭な筋肉があることじゃない? それを両断するような力があるならそれに越した事は無いけど、それはすぐには身につかない。だから、筋肉と筋肉のつなぎ目に剣を滑らせるように斬り込むんだ。そうすれば多分リヒトの力でも刺さるし斬れるよ」
「という事は力を身に着けるより、正確性を身に着けた方が良い。そう言う事?」
「正解。だけど、これはリヒトの場合なら。そう言う事だからね」
「それじゃ、明日からの訓練は、そっちを重点的に鍛えていくよ」
「うん、それが良いよ」
今日の分は充分稼いだ。
今日はもう帰ろう。
◆◆◆
冒険者ギルドでレイラが新しいカードも貰っている。
あれっ、おかしいな。
レイラの冒険者カードの色が前と変わっている気がする。
レイラは元英雄パーティ。
恐らく実力で言うならSかA級の実力はあるはずだ。
「レイラ、そのカード……」
「ああっ、これ? 面倒くさいからC級に落としたんだ」
「なんで? 勿体なくない?」
「全然。S級とかA級だと稀にギルドからの強制依頼を受けないとならない事も多いから年齢的な限界を理由に落として貰ったんだ。ほらリヒトと一緒に目指すのはC級冒険者。だからB級以上は要らないと思って……駄目だったかな?」
「ううん、全然駄目じゃない。俺達が目指す冒険者は無難な冒険者だからね、それで良いと思う」
「リヒトなら、そう言ってくれると思ったよ」
「あとは、俺が頑張ってC級に上がれば、それで目標達成だね」
「それで、そろそろリヒトと一緒に次の訓練をしようと思うんだけど良いかな?」
「どんな訓練をするのかな。別に構わないよ」
レイラは掲示板を見ると1枚の依頼書を剥がした。
「それじゃ、これ頑張ってみようか?」
「どんな依頼。その依頼が訓練になるの?」
「なるよ。次にリヒトに経験して貰うのは『盗賊退治』人殺しの訓練さ……どうする?」
冒険者である以上遅かれ早かれ、経験する必要がある。
「勿論、やるよ」
やらない選択は無い。
だが、レイラにそう答えた瞬間。
体が小刻みに震えてきた。
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