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第46話 和也 過去 静かな戦い。
しおりを挟む『高橋さん正社員になってみる気はない?』
高橋さんに声を掛けた。
『正社員ですか? あの、本当に雇って貰えるのですか?』
『最初の内は余り払えないけど、月給25万円で考えているんだ、ボーナスは暫くは難しいけど……ちゃんと儲かりだしたら出すつもりだよ。それに、何時かは高橋さんには役職について貰えたらと思う!どうだろう? すぐにじゃ無くて良いから、考え……』
『やります。やらせて下さい!』
『ありがとう。助かるよ、それじゃ詳細についてなんだけど……』
給料は月給25万円スタート。
ボーナスは今後の売上次第。
完全週休2日制 年間休日 120日。
社員消費 社員本人のみ 仕入れ値×120%で商品の購入が可能。
※一部商品を除く。
こんな感じで提案した。
『今泉社長、俺的には凄く良い待遇だと思いますが、本当に大丈夫なのですか?』
『本当は少し厳しいけど、高橋さんには期待しているからね。それと一緒に働いてくれる人を2名位スカウトしてくれると助かる』
『今泉社長大丈夫ですか? 無理してませんか?』
『まぁね……でもやりがいがあるから頑張ろうって気にもなる。一緒に頑張ってくれないか』
『こんなに良くしてくれるなら俺頑張りますよ』
『一緒に頑張ろう』
高橋さん、凄く喜んでいるな。
この金額は東京なら普通にあるが、この近辺は賃金が低いし、仕事その物が少ない。
あっても農業関係で低賃金が多い。
自分で農業を行っても作物の値段を含みギャンブル要素があり、朝から晩まで働いても年収で300万も切る家もある。
そんな過酷な地域に『真面な会社が出来たらどうだ』
朝から晩まで泥だらけになって働く、農業の仕事。
その傍に、クーラーのある店で仕事し残業が無く定時で帰れる人間がいる。
『ちょっとした嫌がらせになる』
なんてことは無い。
頑張って仕事をしていけば、それが嫌がらせ程度だが復讐になる。
正攻法で戦えるじゃないか……
◆◆◆
しみな村や近辺の村は男尊女卑も強いが、それ以上に『長男教』が強い。
何しろ昔は『次男三男犬の糞』なんて言葉を使っていた位だ。
農家としてはこの辺りでは当たり前の考えだ。
土地や家は割れないし、家としての財産が減るのが困るから、遺産は全部『長男の総どり』それが当たり前の村社会。
お金や財産があっても、それすら農家を続ける為のお金として長男がほぼ取ってしまう。
つまり、親の遺産は次男三男は貰えないのが当たり前なのだ。
それ以前に、生まれながらにして、長男と次男三男の扱いはまるっきり違う。
家長と長男には食事の時に一品二品多くのおかずがついたり、誕生日に長男がねだれば、数十万のオーディオを買い与え、新車するプレゼントする親すらいるのに……そんな家でも酷い家では次男や三男は誕生日に新しい服すら買って貰えない、そんな家も少なくない。
此処迄報われない次男や三男だが、村を出なければ雇用が無いからそのまま親や長男と暮らしている人間も多く居る。
俺の店がしっかり稼働すれば、この次男、三男が流れ込んでくるかもしれない。
一見大した事に思えないかも知れないが、これで農家は格安で働く働き手が居なくなり人手不足になる。
権蔵を直接倒せなくても……『農業』なら倒せるかもかも知れない。
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