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第1話 黒木理人
しおりを挟む身長は182cmにスリムな体、髪の毛は漆黒のような深い黒。
目はややきつい目をしているが、殆どの人間が目を奪われるような17才の色白の美少年。
普通に考えたら『勝ち組の人生』が約束された様に思える。
それがこの物語の主人公黒木理人の容姿だ。
だが、彼は決して勝ち組ではなく…その生活は悲惨の一言に尽きる。
それは…『お金が全くない』所謂、凄い貧乏だからだ。
今日も玄関で『黒木、金返せよコラぁ!』
取り立ての声が聞こえてくる。
◆◆◆
「また、張り紙がされている」
飽きないのかな?
幾ら張られても、脅されても『無い物は無い』
朝から晩まで本当に煩い。
大体、俺の金は最低限の生活費を除き、全部取られているんだから….金が無いのは解っているだろうに…
馬鹿なのかな…
第一俺は、両親が死んだときに『相続放棄』をしたんだ。
それなのに…とんでもない筋から両親が金を借りていたから、これだ。
『俺達に法律は関係ない…貸した金は絶対に返して貰う』
そういって脅され…無理やり払わせられている。
警察は民事不介入…弁護士は金が無いから雇えない。
毎日が地獄だ…
そして、こんな莫大な借金を背負った原因は俺のせいじゃない『両親』のせいだ。
両親がお人よしであらゆる詐欺に引っ掛かり…財産を失い、借金地獄に落ちた。
元は資産家の息子夫婦だったのだが…人の良い両親は『沢山の詐欺』に会い…吐き出すようにお金を使い…全てを失った。
小さなものなら『幸運のブレスレット』から始まりインチキ宗教への寄進まで…とんでもない数の詐欺の鴨になりお金を失い…
最後は、この世から逃げる様に自殺してしまった。
それも…この部屋でだ…
何処まで俺に迷惑を掛けるんだよ…
死ぬなら他で死んでくれたら良いのに、此処で暮す俺の事も考えろよな…
幾ら俺が言っても骨壺の中の両親は俺に何も返答はしない。
当たり前だ...
父さん、母さん...あんたら...馬鹿だよ
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