Death Gods&Devil

last joker

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序章

散った命、同じ願い

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『お前なんか、生まれてこなければよかったんだ。』

『それは貴女が悪いからよ。だから彼らは、そうしたのよ。』

『いじめられる原因は、貴女が悪いからでしょう?謝っておいた方がいいわよ。』

『わかる?誰もお前なんか…望んでないんだよ…』

今まで生きていた中で、いい思い出なんか一つもなかった。思い出すのは、数々の暴言と暴力だけ。漫画やドラマでは、それでも人を恨んではいけないとか、死を望んではいけないとか言うけど、こんな理不尽な世界で、どう生きろというのだ?どんなに助けを求めても、どんなに誰かに手を伸ばしても、その手も声も届かなかった。

『何であの子が死んで、あんたが生きてるのよ?あんたが死ねばよかったのに!!』

『俺がお前のために、どれほどのモノを犠牲にしたと思ってるんだ!!』

『俺は嫌いな人間の言葉なんか、聞こえないし、信じない。』

『見返りなんて求めないでよ!あんたにそんな権利あると思ってるの!?』

他人を傷つけてはいけないとか、他人のことを考えろとか言うくせに、自分達の言葉に責任を持つことは無いのだろうか?こんな平気で誰かを傷つけている奴らを、何故天は認めているのだろう?こんな世界で生きる自分に嫌気がさした。

【人は自ら死んだら…また同じことを繰り返すことになる…】

【人は自ら死んだら…違う形に生まれ変わる…】

どこかの本でそんなことが書いてあった…

「もしも、また生まれ変われるなら…」

「もしも、願いが叶うなら…」

「「もう二度と…」」

「「人間には生まれませんように…」」

理不尽な現実に疲れ果てた二人の人間は、そんなことを願いながら、ビルから飛び降りた。


「その願い、叶えてあげようか?」
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