人類戦線

さむほーん

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東京事編

第九話 派遣

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城崎に会おうと中庭に向かったらこっちに向かって歩いてきてたのか城崎と出会った

もしかして、僕のことが心配になったのかな?

あ~、仕方ないな~。ちゃんと無事だからそんなに心配しなくても良いのに~

「ああ、帰ってきてたのか。なら良い」

そう言って城崎は校庭の方に向かっていった

あれ?冷たくない?

何かこれだけで会話を終わらせるのもどうかとは思うし、僕のコミュ力の限界まで話しておこう

しかし、話題がない。どこかに話題は落ちていないものだろうか……

あ、あの事話すの忘れてた!!

「城崎!今、外に例の研究者さんがいるんだけど、学校に来る途中に銃撃された!」

これなら少しは気にしてくれるんじゃないか?
っていうか、これを伝えるために僕だけ先行したみたいなものだし

「……どういうことだ?」

あ、興味は有るみたい

「だから、城崎が治療について約束を取り付けた研究者さんと学校に向かってる途中に銃撃されたの」

「それで、その研究者、確か……長崎千尋はどうした?」

あ、城崎も所長の名前知ってたんだ
まあ、名前も知らない相手とまともな交渉はしないか……

「今は外にある車の中で待ってもらってる。まあ、その車も所長の物なんだけどね」

あ、癖で所長って言っちゃったけど……
まあ、大丈夫か

「それで、その所長の状態はどうなんだ?」

状態?

「状態って、どういうこと?」

「いや、だから生きてるのか死んでるのか。生きてるなら怪我はどの程度なのか、あたりのことだ」

怪我か……

「特に怪我とかはしてないと思うけど……あ、でも車の方はちょっと傷がついてるかも」

結構銃で撃たれてたし

「そうか、それはいい。なら、何でお前【一人】でここに来たんだ?何故その研究者を連れて来なかった?」

え、そりゃ……僕が先に行って城崎とかに状況を伝えて、それで救助を呼ぼうと……

「あ、救助を呼ぶの忘れてた」

「……どういうことだ?」

まあ、いきなり聞いたらそう思うよね……

ってかそんなことを考えてる暇は無いんだった

「銃撃から身を守るために一旦車を近くの家の駐車場に停めてきたんだよ。そうしたら、銃撃が止んだ」

城崎は興味深そうに話を聞いている

少なくとも、今の所は

「だから一応救助を呼ぼうと思って僕だけ先行してきたんだけど、今から向かえる?」

城崎の興味が尽きない内に本題を切り出しておく

というか、ここで本題を切り出しておかないと僕がそのことを忘れそうだ

「救助とは言うが、そこに誰か連れて行って何をするつもりなんだ?聞く限りでは人を増やしたところで大して変わらないと思うぞ」

「でも、この高校には他の人から見えなくなる奴が一人いるでしょ。その人にバレずに細かく射線とかを調べてもらえば上手く銃に当たらずに帰れるんじゃないかって」

もちろん、他人から見えなくなる奴とは須斎のことだ

壁に耳あり障子に目ありとは言うものだし、須斎のことは秘匿しといた方が索敵やスパイ活動に使えるだろうから

「無理だな。須斎にはやってもらうことが山程ある上、それが終わった後の予定まで組まれている。そんなことに回している暇はない」

へぇ、須斎って結構忙しいんだ

まあ、僕も前からいろんなこと押し付けられてるから忙しさでは負ける気はしないんだけどね

「う~ん、でも、それじゃあ誰を呼べばいいんだろ?正直なところ、弘岡とかを呼んでもあんまり救助には使えそうには思えないんだけど……」

僕には彼女以外に救助ができそうな人材が思い浮かばない

「いや、一人居る。伏原なら救助に使いやすく、現状急ぎでやらなければいけない事も無い」

ああ、伏原さんね……

伏原?

「その……伏原?さんって、誰?」

聞いたこともない名前が飛び出してきた
時風との戦いの後で他の学年とかの勢力がゴチャゴチャしてたときに仲間に入れたのかな?

「伏原はこの蜃気楼高校の生徒会長だぞ。何故かあいつのことを覚えている奴は少ないみたいだがな」

え?そうだったの?

っていうか、会長のことも副会長のと事も知らないってこの学校の生徒は生徒会に興味が無さすぎるんじゃ無いか?

僕はその二人どころか生徒会の執行部に所属してる人の名前一人も言えなかったんだけど

「それで、一応伏原を送っておくが、それでいいんだな?」

「あ、うん。オッケー」

これで一応は助かった……はずだ

僕は伏原さんを見たことも無ければ話したこともないのでいまいち信用できないけど

いくら城崎でも腕の治療に繋がる人のところに危険人物は送らないだろう

「他には、なにか連絡は無いか?」

う~ん、特に思いつかないな……

「無い……と、思うよ」

ここで無いって言って後から何かややこしい事になったら嫌だから一応言葉を濁しておいた

「そうか、それなら良い」

そう言って城崎は離れていった

お、これで報告は終わった感じか
城崎もどっか別のところに向かったし

じゃあ、僕はこれからどうしようか……

「そういえば城崎って中庭で何をしてたんだろう?」

見に行っても良いのかな?

……まあ、禁止されて無いし、大丈夫でしょ

「えっと……こっちこっち」

あれ?誰か居る

そういえば最初に会った時、うちのクラスは生産系が多いって言ってたような……

もしかしたら、そういう人を中庭での栽培の責任者にしてるのかもしれないな
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