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東京事編
第十一話 救出
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さて、城崎クンから頼まれたけど
どうするか
今後の信用を考えるなら自分の命を賭けてでも助けに行った方が良い
「けど、それで僕が死んじゃうのもな」
信用が使えるのはあくまで僕が生きている間の話
死んででも守りたい誰かが居るなら話は別だけど、今の僕にはそんな人は居ない
命の危険は無いと信じて行ってみるのも手だけど
(考えていても仕方ないか)
もともと流されて生きてきたのに急に自分で決めるのは無理だ
もうこの際、全部流されてしまおう
「さて、じゃあ出発しますか」
――――――――――――――――――――
学校の外でさっきまで動いていた車のある所、か
(一つ使った方がいいか?)
右ポケットに手を突っ込み、真っ青な丸薬を取り出した
少し迷ってから、それを口にする
(えっと……熱運動の方向がこっちだから……)
こういう時に処理能力の高いコンピューターとかが欲しくなる
熱運動に酔って動く分子の密度と方向から周囲の温度をサーモグラフィー的に予測する
こんなことは人間の頭じゃ難しいなんてものじゃない
(あ~やばい……頭がクラクラしてきた)
現に、計算しようとしたらこんな風に熱で頭がやられる
それでも一応場所は出た
五丁目六番の十三か
結構近いな
これなら安全に行けるかもしれない
一応周囲に敵が居ないかも確認しておこう
…………違う、周囲じゃ無かった
敵は遠くにいるんだった
ある程度遠くなると温度変化や分子の運動が何による影響かが分からなくなってくる
だからある程度遠くには何があるのか、そもそも何かあるのかどうかすら分からない
「ある程度確認が終わったらもう向かった方が良いか」
待ってたら【危ない人】の準備が済んじゃうかもしれないし
そう思ったので、僕は100m走と同じ格好で走り出した
――――――――――――――――――――
「この車か……」
ちょっと止め方が荒いからそうなんだろう
僕にとって車の止め方が荒い人と言えば【あの人】しか思い浮かばないけど
「中に人は……いる」
この状況で顔にタオル巻いて寝るって
流石に図太過ぎでしょ
「え……千尋姐さん……?」
何でこの人が……
今仕事で別の所に居るって……
……ってか、ここは危ないんだった!
早く起こさないと!
「ねぇ!起きて!起きてってば!」
あまり周りに響かないよう、少し小声でそう言う
しかし、眠りが随分と深いのか、なかなか起きない
「ちょっと!起きろってば!」
この人の家に行く時、いつも寝てる千尋姐さんを起こす方法はある
しかし、今この場でそれをやってしまうと余りにも目立ちすぎて撃たれる可能性がある
「これ……本当にどうすれば良いんだ……?」
耳を引っ張って起こしたほうがいいか?
いつもみたいに車から投げ捨てる訳にも行かないし
「よし!やるか!」
もう覚悟を決めて寝たまま連れて行こう
重力の角度を調整すればなんとかなるし
【ストック】自体はたくさんあるから使用量は気にしなくて良いでしょ
よっと
流石に温度計算よりかは重力の分散の方がいくらか楽だな
…………運んでる最中も全然起きない
ここまでぐっすりだと睡眠薬の可能性も考えちゃうな
おっと、余計なことを考えてる暇は無いんだった
【残り時間】も心もとなくなってきた
……マルチタスク的なことは嫌いだな~
でも、やるか
次の瞬間、地面が動く歩道になったかのように僕は地面と平行に動き出した
(この移動方法、何か気持ち悪いんだよな……)
普段歩いてるのとだいぶ勝手が違うからなのかな?
早いうちに他の移動方法を考えておかないと
「ん……うぁ?」
あれ?起きた?
「おはよ~」
一応挨拶はしておかないと
「あれ?章乃か?なんでこんなところにいるんだ?」
この人、いま自分がどこにいるのか分かって無いのかな?
「ほら、蜃気楼高校。僕、あの高校に通ってるって言ってたでしょ」
「ああ、そんなこと言ってたなぁ」
千尋姐さんって寝起きは本格的に記憶力無くなるからな……
研究職って聞いてたし、あんまり寝るのに慣れてないのかも……
その割には追われていて取りあえず隠れた位の状況でも熟睡してたけど
「それより、目が覚めたんなら歩いてよ。そっちの方が楽なんだ」
「……持ち上げてたのか……力持ちだな……」
やっぱりちょっと寝ぼけてるような感じか
「はい!起きて!」
頬をつねれば起きるでしょ!
「……痛いな……」
怒ってるけど、起きてくれたみたいだ
「えっと……あぁ!目が覚めてきたぞ!確か追われて撃たれてそれで隠れていたんだ!」
やっぱり追われてたのか
城崎クンから概要は聞いてたけど、これは賢く動いていかないと不味いかな~
何せ、僕の従姉弟が拠点に敵を連れてきたかも知れないんだもん
この仕事を真面目にやっといて良かった
ちゃんとやっとか無かったら【叛意あり】みたいな感じにされてたかも知れなかったな……
「ちょっと立ち回りが難しいかな……?」
「え?何だ?」
おっと、声に出てたのか
「いや、千尋姐さんの研究スペースを確保するのが大変そうだな~って思ったんだよ」
「そうなのか」
結構簡単に誤魔化せるからこの人の相手って楽なんだよな
「あ、それなら何人か弄ってもいい人を用意してくれると嬉しいな。再生医療とは別のテーマで臨床データが欲しいんだ。多少危険だが、何人かは引っ張って来れるだろう」
「うん」
今、何て?
どうするか
今後の信用を考えるなら自分の命を賭けてでも助けに行った方が良い
「けど、それで僕が死んじゃうのもな」
信用が使えるのはあくまで僕が生きている間の話
死んででも守りたい誰かが居るなら話は別だけど、今の僕にはそんな人は居ない
命の危険は無いと信じて行ってみるのも手だけど
(考えていても仕方ないか)
もともと流されて生きてきたのに急に自分で決めるのは無理だ
もうこの際、全部流されてしまおう
「さて、じゃあ出発しますか」
――――――――――――――――――――
学校の外でさっきまで動いていた車のある所、か
(一つ使った方がいいか?)
右ポケットに手を突っ込み、真っ青な丸薬を取り出した
少し迷ってから、それを口にする
(えっと……熱運動の方向がこっちだから……)
こういう時に処理能力の高いコンピューターとかが欲しくなる
熱運動に酔って動く分子の密度と方向から周囲の温度をサーモグラフィー的に予測する
こんなことは人間の頭じゃ難しいなんてものじゃない
(あ~やばい……頭がクラクラしてきた)
現に、計算しようとしたらこんな風に熱で頭がやられる
それでも一応場所は出た
五丁目六番の十三か
結構近いな
これなら安全に行けるかもしれない
一応周囲に敵が居ないかも確認しておこう
…………違う、周囲じゃ無かった
敵は遠くにいるんだった
ある程度遠くなると温度変化や分子の運動が何による影響かが分からなくなってくる
だからある程度遠くには何があるのか、そもそも何かあるのかどうかすら分からない
「ある程度確認が終わったらもう向かった方が良いか」
待ってたら【危ない人】の準備が済んじゃうかもしれないし
そう思ったので、僕は100m走と同じ格好で走り出した
――――――――――――――――――――
「この車か……」
ちょっと止め方が荒いからそうなんだろう
僕にとって車の止め方が荒い人と言えば【あの人】しか思い浮かばないけど
「中に人は……いる」
この状況で顔にタオル巻いて寝るって
流石に図太過ぎでしょ
「え……千尋姐さん……?」
何でこの人が……
今仕事で別の所に居るって……
……ってか、ここは危ないんだった!
早く起こさないと!
「ねぇ!起きて!起きてってば!」
あまり周りに響かないよう、少し小声でそう言う
しかし、眠りが随分と深いのか、なかなか起きない
「ちょっと!起きろってば!」
この人の家に行く時、いつも寝てる千尋姐さんを起こす方法はある
しかし、今この場でそれをやってしまうと余りにも目立ちすぎて撃たれる可能性がある
「これ……本当にどうすれば良いんだ……?」
耳を引っ張って起こしたほうがいいか?
いつもみたいに車から投げ捨てる訳にも行かないし
「よし!やるか!」
もう覚悟を決めて寝たまま連れて行こう
重力の角度を調整すればなんとかなるし
【ストック】自体はたくさんあるから使用量は気にしなくて良いでしょ
よっと
流石に温度計算よりかは重力の分散の方がいくらか楽だな
…………運んでる最中も全然起きない
ここまでぐっすりだと睡眠薬の可能性も考えちゃうな
おっと、余計なことを考えてる暇は無いんだった
【残り時間】も心もとなくなってきた
……マルチタスク的なことは嫌いだな~
でも、やるか
次の瞬間、地面が動く歩道になったかのように僕は地面と平行に動き出した
(この移動方法、何か気持ち悪いんだよな……)
普段歩いてるのとだいぶ勝手が違うからなのかな?
早いうちに他の移動方法を考えておかないと
「ん……うぁ?」
あれ?起きた?
「おはよ~」
一応挨拶はしておかないと
「あれ?章乃か?なんでこんなところにいるんだ?」
この人、いま自分がどこにいるのか分かって無いのかな?
「ほら、蜃気楼高校。僕、あの高校に通ってるって言ってたでしょ」
「ああ、そんなこと言ってたなぁ」
千尋姐さんって寝起きは本格的に記憶力無くなるからな……
研究職って聞いてたし、あんまり寝るのに慣れてないのかも……
その割には追われていて取りあえず隠れた位の状況でも熟睡してたけど
「それより、目が覚めたんなら歩いてよ。そっちの方が楽なんだ」
「……持ち上げてたのか……力持ちだな……」
やっぱりちょっと寝ぼけてるような感じか
「はい!起きて!」
頬をつねれば起きるでしょ!
「……痛いな……」
怒ってるけど、起きてくれたみたいだ
「えっと……あぁ!目が覚めてきたぞ!確か追われて撃たれてそれで隠れていたんだ!」
やっぱり追われてたのか
城崎クンから概要は聞いてたけど、これは賢く動いていかないと不味いかな~
何せ、僕の従姉弟が拠点に敵を連れてきたかも知れないんだもん
この仕事を真面目にやっといて良かった
ちゃんとやっとか無かったら【叛意あり】みたいな感じにされてたかも知れなかったな……
「ちょっと立ち回りが難しいかな……?」
「え?何だ?」
おっと、声に出てたのか
「いや、千尋姐さんの研究スペースを確保するのが大変そうだな~って思ったんだよ」
「そうなのか」
結構簡単に誤魔化せるからこの人の相手って楽なんだよな
「あ、それなら何人か弄ってもいい人を用意してくれると嬉しいな。再生医療とは別のテーマで臨床データが欲しいんだ。多少危険だが、何人かは引っ張って来れるだろう」
「うん」
今、何て?
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