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東京事編
第二十話 失敗
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私の家は学校に比較的近いからすぐに荷物を持ってくることが出来る
【弘岡】と書かれた表札のある家からこの学校の寮までは歩いて十分も掛からない
その距離の近さのおかげで、簡単に外出許可を取れた
親のところに三日も顔を出していなければ流石に心配するだろうと思ったことも理由の一つではある
持って行く荷物がぬいぐるみばかりじゃないか、とかもっと布団とかを持っていけ、とか色々言われたけれど気にしなくて大丈夫だ
三往復目だがもう学校についた
まだ持ってくるものがあるので、四往復目に行こう
ん?あれ、だれ?
「そこで何してるの?」
――――――――――――――――――――
「ねぇ~~ホントにここで合ってんの~~?」
隣を歩いてるクソみたいな事しか言わないメガネに向かって確認を取る
「間違いない。お前も前の監視のとき見ていただろう」
そりゃそうだけどさ、あの時撃ってたの睦っちゃんだけじゃん
「自分で撃ってないから場所が解んないんだよ」
逆に自分で撃ってないのに正確な場所がわかるこのメガネの方がおかしいと思う
「なあ。それより、バレてないんだよな?これ。全然隠れてる感じがしないんだけど」
外を歩いていても普通に人には見つかってる気がする
「だから、中にいるやつに対してかけたから外では効果が無いのだと何度言えば分かるんだ?」
「そう言われても、あたしじゃ心からどころか頭でも納得できないんだって!」
自分の目で見たもの以外は信じられないタイプなんだよ
まあ、こんなこと言っても作戦が変わらないのは分かってるんだけど……
「そこで何してるの?」
誰か声をかけてきた
「ええ、少しこの学校に用事が有りまして」
このメガネ、やるな……
あたしなんかかなり動揺して言葉も発することが出来ない
「……」
これは……怪しまれちゃったか?
ま、良いや
それはそれで体が動かせそうで良かった
最近見張りばっかで自分から動いてないしな~
「久々に動いていい?どうもあたしって潜入とかそういうジメジメしたこと性に合わないみたいでストレス溜まってるんだよね~」
メガネは少しため息を吐いて答える
「もういい、勝手にしろ。どちらにせよバレた時点で作戦の崩壊は決まっているのだしな」
やったね。許可を貰えた
「じゃあ、やろっか」
――――――――――――――――――
この二人は敵が確定した
まずはこの二人を敷地内に入れるかどうかが重要
応援が居ないから出来れば中で戦って応援を呼びたいけど
仮にこいつらの目的が侵入して内側を荒らすことなら絶対に中に入れることは出来ない
「じゃあ、やろっか」
まずい
方針を決めない内に行動されるのは駄目だ
早く決めておかないと
よし、一旦中に入ろう
ここは門では無いから少し大変だけど、この三メートル位の壁なら乗り越えられる
思考は最小限に、相手が動き出すより常に早く
行動が正解かどうかを考えるのは後でもいい
一歩で飛び越えればそれでいい
その思いの元、少し高い塀を飛び越えた
「あ、逃げられちゃった。どうすんのさ」
そんな声が聞こえてきた
――――――――――――――――――――
「どうすんのさ?あれじゃ向こうの人達に伝わっちゃうよ」
幸いにもこの近くは人気が無かったから相手に伝わるのは遅くなりそうだけど
「……分かった。捕まえに行くのだ」
りょーかい
そう考えた次の瞬間には、あたしは塀の上を跳んでいた
結構『使う』って感覚が無くなってきたな
体の一部レベルで使いこなせるようになるのにそんなに時間はかからないかな?
よし、急いで探そっと
もうそろそろ待ちきれなくなってきた
「おい!あくまで『あの人』の指示から外れたことはするなよ!」
「分かってるって!」
まさかあたしがボスを裏切る訳ないじゃん
お前、あたしとの会話が上手くいかないからって流石に悪印象抱きすぎだろ……
流石に拾ってくれた人のことくらい大切にしてるわ!
よし、分かった
あんなメガネのことは放っておいて早めに相手を見つけてしまおう
お、見えた見えた
やっぱりこの短時間じゃそんなに遠くまでは行けなかったんだな
じゃあ、もう二段上げればすぐに追いつけるじゃん
あ、でもこれ以上段階を上げたら捕まえる時に支障が出ちゃうのか
「久々に動けたからちょっと加減をミスらないようにしないと」
自分の思う五倍は慎重にしておこう
――――――――――――――――――――
あいつ……本当に大丈夫なのか……?
まあ、意図的にあの人の害になることはしないとは思いはするが、意図せず邪魔することは普通にありえる
俺の話を聞いている態度からそのあたりのことは考えていなさそうだったが……
「……不安なのだな」
しかし、ここで俺まで入るとなると万が一効果が切れたときに二人まとめて捕まる可能性もある
……こういうことになるから敵地に侵入するときは万全を期そうと思っていたのだが
今は待つことしか出来なさそうだ
あの人には申し訳が立たないが、本格的に攻め入るのは大幅延期ということになりそうなのだ
――――――――――――――――――
おかしい……
これだけ走り回っているのに誰一人私に気付かない
「聞いてる!?敵襲!!」
大声で呼びかけても一切反応が無い
これは相手の策の一部と考えて良いだろう
となれば、私はたった一人で二人の敵を相手にしながら相手の策を破らなければならないのか
【弘岡】と書かれた表札のある家からこの学校の寮までは歩いて十分も掛からない
その距離の近さのおかげで、簡単に外出許可を取れた
親のところに三日も顔を出していなければ流石に心配するだろうと思ったことも理由の一つではある
持って行く荷物がぬいぐるみばかりじゃないか、とかもっと布団とかを持っていけ、とか色々言われたけれど気にしなくて大丈夫だ
三往復目だがもう学校についた
まだ持ってくるものがあるので、四往復目に行こう
ん?あれ、だれ?
「そこで何してるの?」
――――――――――――――――――――
「ねぇ~~ホントにここで合ってんの~~?」
隣を歩いてるクソみたいな事しか言わないメガネに向かって確認を取る
「間違いない。お前も前の監視のとき見ていただろう」
そりゃそうだけどさ、あの時撃ってたの睦っちゃんだけじゃん
「自分で撃ってないから場所が解んないんだよ」
逆に自分で撃ってないのに正確な場所がわかるこのメガネの方がおかしいと思う
「なあ。それより、バレてないんだよな?これ。全然隠れてる感じがしないんだけど」
外を歩いていても普通に人には見つかってる気がする
「だから、中にいるやつに対してかけたから外では効果が無いのだと何度言えば分かるんだ?」
「そう言われても、あたしじゃ心からどころか頭でも納得できないんだって!」
自分の目で見たもの以外は信じられないタイプなんだよ
まあ、こんなこと言っても作戦が変わらないのは分かってるんだけど……
「そこで何してるの?」
誰か声をかけてきた
「ええ、少しこの学校に用事が有りまして」
このメガネ、やるな……
あたしなんかかなり動揺して言葉も発することが出来ない
「……」
これは……怪しまれちゃったか?
ま、良いや
それはそれで体が動かせそうで良かった
最近見張りばっかで自分から動いてないしな~
「久々に動いていい?どうもあたしって潜入とかそういうジメジメしたこと性に合わないみたいでストレス溜まってるんだよね~」
メガネは少しため息を吐いて答える
「もういい、勝手にしろ。どちらにせよバレた時点で作戦の崩壊は決まっているのだしな」
やったね。許可を貰えた
「じゃあ、やろっか」
――――――――――――――――――
この二人は敵が確定した
まずはこの二人を敷地内に入れるかどうかが重要
応援が居ないから出来れば中で戦って応援を呼びたいけど
仮にこいつらの目的が侵入して内側を荒らすことなら絶対に中に入れることは出来ない
「じゃあ、やろっか」
まずい
方針を決めない内に行動されるのは駄目だ
早く決めておかないと
よし、一旦中に入ろう
ここは門では無いから少し大変だけど、この三メートル位の壁なら乗り越えられる
思考は最小限に、相手が動き出すより常に早く
行動が正解かどうかを考えるのは後でもいい
一歩で飛び越えればそれでいい
その思いの元、少し高い塀を飛び越えた
「あ、逃げられちゃった。どうすんのさ」
そんな声が聞こえてきた
――――――――――――――――――――
「どうすんのさ?あれじゃ向こうの人達に伝わっちゃうよ」
幸いにもこの近くは人気が無かったから相手に伝わるのは遅くなりそうだけど
「……分かった。捕まえに行くのだ」
りょーかい
そう考えた次の瞬間には、あたしは塀の上を跳んでいた
結構『使う』って感覚が無くなってきたな
体の一部レベルで使いこなせるようになるのにそんなに時間はかからないかな?
よし、急いで探そっと
もうそろそろ待ちきれなくなってきた
「おい!あくまで『あの人』の指示から外れたことはするなよ!」
「分かってるって!」
まさかあたしがボスを裏切る訳ないじゃん
お前、あたしとの会話が上手くいかないからって流石に悪印象抱きすぎだろ……
流石に拾ってくれた人のことくらい大切にしてるわ!
よし、分かった
あんなメガネのことは放っておいて早めに相手を見つけてしまおう
お、見えた見えた
やっぱりこの短時間じゃそんなに遠くまでは行けなかったんだな
じゃあ、もう二段上げればすぐに追いつけるじゃん
あ、でもこれ以上段階を上げたら捕まえる時に支障が出ちゃうのか
「久々に動けたからちょっと加減をミスらないようにしないと」
自分の思う五倍は慎重にしておこう
――――――――――――――――――――
あいつ……本当に大丈夫なのか……?
まあ、意図的にあの人の害になることはしないとは思いはするが、意図せず邪魔することは普通にありえる
俺の話を聞いている態度からそのあたりのことは考えていなさそうだったが……
「……不安なのだな」
しかし、ここで俺まで入るとなると万が一効果が切れたときに二人まとめて捕まる可能性もある
……こういうことになるから敵地に侵入するときは万全を期そうと思っていたのだが
今は待つことしか出来なさそうだ
あの人には申し訳が立たないが、本格的に攻め入るのは大幅延期ということになりそうなのだ
――――――――――――――――――
おかしい……
これだけ走り回っているのに誰一人私に気付かない
「聞いてる!?敵襲!!」
大声で呼びかけても一切反応が無い
これは相手の策の一部と考えて良いだろう
となれば、私はたった一人で二人の敵を相手にしながら相手の策を破らなければならないのか
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