人類戦線

さむほーん

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東京事編

第二十六話 情報

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「なるほど、敵に多くの情報を与えてしまったのは自分の責任かもしれない、と」

会議後、城崎が伏原さんと話したみたいだから、その後に僕が少しだけ報告に行った

伝えることなくバレたらここから追い出されるかもしれないし

「敵がここに攻めてきた理由については、今はまだ考えているところだ。お前の情報も参考にさせてもらう」

……あれ?これだけ?

城崎的にはこれはOKの範囲に入るのかな?

「いや……こういうことを僕が言っていいのか分からないけど……それだけ?」

「?他に何かあるのか?」

いや、城崎がそう思ってるなら僕の責任が弱まるから良いか

「いや、何でも無いよ」

追求は避けるもの!責任は逃れるもの!

これで不安に思っていたことは一段落ついたな

「そうだ、今から襲撃者の尋問に行くんだが、お前も来い。保険をかけておきたい」

保険?

「まあ、良いけど……」

――――――――――――――――――――

うわぁ……本当に牢屋じゃん、これ

「何でこんなのが学校の中にあるんだろう……?」

城崎に連れて来られた所は本当に牢屋そっくりだった

学校にこんなもの作っていいんだろうか?

「聞いた話によると元々は旧日本軍の訓練施設として作られる予定だったらしい」

え?軍の訓練所?

「建設中に敗戦し、それを初代理事長が買い取って学校に必要な設備を付け足した様な形だとか」

ってことは、ここは元懲罰房だったりするのかな?

「あ、もしかしてあの……篠原さん!……ってここに居るの?」

あの人も独房に入れられているって聞いた気がする

「ああ、細かい場所は伝えられないが、その認識で合っている」

こんなとこに居るんだ……ストレス溜まりそうだな……

「それで、僕はこれから多分襲撃者の居るところに行くと思うんだけど、それは何処なのかな?」

「上から四番目、左から五番目の個室だ」

個室?

これは個室じゃなくて独房じゃないの?

「尋問って……なんか捕虜に関する条約とか無かった?それはちゃんと守ってるんだよね?」

国際条約に違反するとか、そういうのは流石に止めたほうがいいんじゃないかな?

「まあ、いくつか危ないものは有るが最悪の場合、捕えた相手と今監視している奴らの口封じを行えば問題は無い」

え?幾つか危ないものがある……

聞かなかったことにしておこう。これは多分深く突っ込むとマズい奴だ

「そ、そうなんだ……」

流しておこう。もしいつか城崎が条約違反でシメられたらその時だ

僕くらいは城崎の味方で居られるようにしておこう

「この部屋だ。今からやることは機密にしておきたいから監視を行っていた他の奴らは下げさせている」

ドアを開けると、猿轡をされて両手を縛られた状態で椅子に座らされている人が二人居た

この人達が例の侵入者なのかな?

「少し特殊な方法で情報をことになるからそういうのが苦手なら離れておけ」

特殊な方法?

「まあ、別に大丈夫だと思うよ。大抵の尋問、拷問のやり方は知っているつもりだし。」

僕もまた、誰もが通る道ちゅうにびょうを経験した者

拷問について調べていた時期もあるし、クトゥルフ神話についてもある程度知っている

城崎が思いつく程度の拷問方法なんて、僕の精神を害することは無いだろう

「いや、そういうことじゃないんだが……まあ良いか。お前が大丈夫ならそれでいい」

少し言いたいことは有りそうだったが、城崎はそれだけ言って左側に座ってる女の人の頭に手を当てた

何だ。そんなに言うから目を逸しておいた方が良いかもしれなかったな、とか後悔しそうになったけど

ただの頭ポンポンじゃん

悔しいことにこの城崎聖、容姿はかなり整ってるから頭ポンポンがの人間なんだよな……

ただ顔が良いだけでなく、雰囲気もかなりミステリアスだからそこも一役買っているのかもしれない

「!?ーー!ーーーー!ー!」

相手の人が急にもがき出した

「え?……何したの?」

「ちょっと黙ってろ」

行った内容というよりも、何をしたのかがわからないことが何より不気味だ

というか、猿轡をしたままどうやって情報を得るんだろう?

【取り出す】って言ってたことと何か関係があるのかな?

「……失敗だな。まともな情報が読み取れない」

そう言って、少し考え出した城崎

「ちょっと待ってよ!失敗って……何が?」

今の行動からじゃ全く分からなかった

一応この場に居合わせた者としては、何が起こったのか位は知っておきたい

「ああ、簡単に言うと、こいつの記憶を読み取ろうとした、ってところだな」

記憶を……読み取る?

「自分以外の人体を支配するのは初めてだったから、今回は上手く行かなかった。それだけだ」

人体支配……脳を操ろうとした……ってこと?

いやいや……それはもう条約とか人道とかそういう次元じゃ無いでしょ……

もはやありとあらゆる人権団体に訴えられるまであるぞ……

あ、でも今は現状を理解するのに精一杯な人も多いから訴える余裕のある人なんていないか

結局、人権問題なんて平和な世の中でしか話し合えないものだし

「しかし、こいつは廃人になってしまったか……これはもう一人の方は慎重にやらないといけないな」

なるほど、もう一人殺っちゃったら完全に情報源が無くなるのか

でも、あれを見て未だに情報を喋らない人も少ないとは思うけど……

「ま、一旦話を聞いてからにしてみようよ」
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