人類戦線

さむほーん

文字の大きさ
103 / 220
怪奇編

第十話 テケ

しおりを挟む
ん?そういえば……

下半身がなくて腕で這ってくる化け物

……『テケテケ』、か?

マジかよ……超有名な怪異じゃん

下手したら口裂け女とかそれに近いレベルだ

あ……待てよ

テケテケって無茶苦茶スピードが早いんだっけ?

じゃあ、早めに加速しておいた方が良いか

(加速)

世界がゆっくりになる

だが、テケテケはそれなりの速度で動いているように見えた

「うわぁ……これ、実際にはどんな速さなんだろ……?」

しかも、この動きを見る感じだと、何となくだが前に官邸で会ったバケモノとは違う気がする

なんというか……あのバケモノは何か特殊な力で装備の力を退けていた感じだったけど

こいつは純粋にスピードでゴリ押してる感じがする

だとしたら、僕が逃げ切るのは厳しいかもしれない

こうやって、避け続けながら後ろに少しずつ下がるのが限界だ

(……あれ?もしかして、こんな行動してたら相手をより内側に引き入れるから駄目なんじゃない?)

僕の役目は防衛だから、相手を中に入れたら駄目なのでは……

「まあ、でも今は僕の安全が優先だよね」

退却しよう

一旦ドアの中に入って、二重扉を抜ける

これはさっきテケテケが破った扉とは違い、ある程度の爆発にも耐えられる強靭な素材で出来ている

絶対に大丈夫とは言えないけど、そうそう破られることは無いはずだ

それより、早く連絡しておこう

(解除)

「あ、芳枝ちゃん?そっちはどう?大丈夫そう?」

あくまでメインになるのは研究室の方だ

「あ、こっちー?なんかね~首の無い学生が何人か来てたけど、うちの研究員の一人が話したら何とかなったよ~」

首の無い学生、か

似たような怪談が有りすぎてどれか分からないな

「そう。僕の方は結構やばいんだけど」

「知ってるよ~。なんかテケテケみたいなのがいるんでしょ~?」

あ、知ってるんだ

「じゃあそっちから救援出してよ……」

知ってるんなら助けてくれたって良いじゃん……

「ちなみに、こっちは余裕が無いから救援を出すのは無理だからね」

あ、そうなんだ

「なら、僕はここで一人テケテケを止めておかないと行けないってこと?」

「そうなるね」

ああ……そっか

「じゃあ、準備するから切るね」

よし、これで大丈夫だ

「お、この扉も危ないかも」

少し凹んできている

距離を取って、加速し直そう

(抜刀)

加速したことにより、扉が凹むスピードが体感少し遅くなった



つまり、実際には凹むスピードはかなり速くなっている、ということだ

「……迎え撃った方が良いな」

ちょっとこれを引き付けるのは厳しい

ここで倒すために刀の方も準備しておこう

やっぱり熱を使えるのは嬉しいな

……もういっそ僕の方から壁を切ってしまおう

テケテケを倒す上では邪魔でしかない

精一杯刀を『加速』し、熱で鉄くらいなら溶かせるような温度にする

この刀はどうやらの性質上、熱や衝撃にかなり強いらしい

だから、こんな風に熱しても高速で叩きつけても刀の状態には一切変化が無い

お陰で、こんな分厚い扉も簡単に壊すことができる

壊すとすぐにテケテケが見えた

よし、これは首とかを切れば動かなくなるのかな?

テケテケの首に刃をぶつけるが、あまり効果は無いようだ

相当硬いな

相手がもっとゆっくり動いていればノコギリみたいに斬ることも出来るんだけど……

テケテケは速さも結構あるからな……

その分対応が難しい

ただ、速さは僕のアイデンティティでもある

というか、これを取ったら僕は只の学生だ

城崎なら装備がなくてもやたらハイスペックだから何とかなるのかもしれないけど

僕は無理だ

(っと……戦闘中にそんなこと考えてる暇は無いな)

今はこいつを倒すことだけに集中しないと

「じゃあ、斬るのは関節が良いかな?」

テケテケの関節が人間と同じ位置に有るのかは分からないけど、取り敢えず試してみよう

まずは、肘からだ

肘に刀を入れると、少し食い込んだ

「お、効いてるのか」

まさかこんなに簡単な方法でどうにかなるとは……

拍子抜けと言えば良いのか……

まあ、倒せればそれで良いんだけど……

取り敢えず、このままいっぱい切っていこう

肘の次は肩だ

……お、肩は簡単に切れた

じゃあ、ガンガン切っていこう

今度は首にしよう

「……よし、良い感じにダメージが入ってきたぞ」

首が変な方向に曲がって、そのせいでバランスが取れないのか、相手はよくコケている

スピードがある分、その他の能力が低いのか?

じゃあこのまま倒しておこう

その辺から消化器を取り出し、相手の頭を殴る

何度か殴っていると、相手が動かなくなった

「お、これ、いけたんじゃないか?」

でも、一応体をバラバラにしておこう

―――――――――――――――――――

暫くした後、体のを見る

「この怪異……本当にテケテケだったのか……?」

僕が覚えている限りではテケテケって元人間だったと思うんだけど……

「何か異変が起こってる……?」

けど、怪異に起こる異変?

噂が変わってるのかな……?

『おおいさん』もどこか変だったし……

今度、ネットで広まってる噂についてもう少し調べてみようかな

「よし、じゃあ解除してから戻ろう」

中心部がちゃんと守れてるか、やっぱり不安だし

そうして、僕はバラバラのテケテケを放置して芳枝ちゃん達のいる中心部に向かった
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...