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人類戦線編
第三十五話 記憶
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「さてと、これでこの娘が飲み込んでいた水はある程度まで吐き出させたぞ、っと」
須斎を水中から出した後、安全さんが須斎に対して救命行為みたいなことをしてくれた
「あの、一つ話し合いたいことがあるんですけど……」
「あ、ちょっとまってね。気道だけ確保したら」
そう言って須斎の首を傾けさせてから、安全さんはこちらを向いた
「それで、話したいことって、何?」
そんな風に聞いてきた安全さんに僕はこう切り出す
「あの人達……須斎―今安全さんが助けてくれた人ですけど―も含めて、一体何であそこにいたんでしょうね……?」
「それは……正直俺にも分からねぇな……」
う~ん……やっぱり分からないか……
「正直、何かの儀式だっていう可能性はあるんだが、水の中に入って行う儀式なんて聞いたことねぇしな……」
「まあ、儀式でもなければ人を水の中で並べたりしませんしね」
問題はなんの儀式なのか、だよね……
確かに水の中で悟りを開いた人ってあんまり聞いたことが無いな……
いや、でも仏教やヒンドゥー教では水の中で沐浴したりすることもあるって聞くしな
じゃあ意外とそういう信仰もあるのかな?
「う~ん……俺のいた国ではそんな信仰は聞いたことがねぇんだけどな……お前の出身国ではどんな感じなんだ?」
「あ、僕の居た国のことですか?それはですね……」
僕が日本について安全さんに話している間に、須斎が起きたようだ
「ん……ああ」
「あ、起きたみたいだぜ」
安全さんにそう言われて、僕は須斎の方を見る
「えっと……須斎、で、合ってるんだよね?」
「あ、ああ……確かに私は須斎だ。お前は……神柱、か」
この感じだと須斎は記憶が混濁しているのかな?
「うん、一旦落ち着いて。須斎の頭がちゃんと回るまで待つから」
僕がこう言った後、須斎は暫くの間周りをキョロキョロと見回していた
そして少しでも自分の今の状況を把握したのか、ゆっくりと口を開く
「神柱……ここは、エルサレムなのか?それとも、途中で何か有って、別の場所に不時着したのか?」
「ここがエルサレムなのかどうかは……微妙だね」
安全さんも同調してくれる
「ああ、正直なところ、俺もここが何処なのかは知らねぇ。っと、そういや俺自身のことを紹介してなかったな。今はここにいる……えっと、神柱、だったっけ?まあ、こいつと行動を共にしている。名前は有るけど長いから覚えれないだろうし……安全さんとでも呼んでおいてくれ」
「……分かった。私は……」
「あ、須斎は自己紹介しなくても大丈夫だよ。話をスムーズに進める為に僕が軽く紹介しておいたから」
自己紹介を始めようとした須斎を僕が軽く制する
安全さんとの連携をスムーズに進めるために予め須斎のことを安全さんに伝えておいたのは本当だけど、須斎本人に自己紹介をさせない理由はそれだけじゃあ無い
何というか……今の須斎は精神状態が随分と不安定に見える
まあ、長いこと水に漬けられていたんだからそれも仕方無いんだけども……
とにかく、今の須斎に自身のことを喋らせると余計なことまで口走ってしまいそうで怖いんだ
だから今は本当に必要な事以外は喋らないでいてもらうつもりだ
「そうか……助かる。ところで、私は気絶していたのか?もしそうだとしたら、何処で倒れていた?」
須斎は状況を少しでも把握しようと質問を畳み掛けてくる
いつもと雰囲気は違うけど、やってることが普段の須斎に近い……気がする
この調子でいつもの感覚を取り戻してくれると良いんだけど
「水の中に漬けられてたね。何で漬けられてたのか、須斎に心当たりは無い?」
そう聞くと、須斎は頭を押さえる
「大丈夫!?」
頭を押さえた須斎に駆け寄る
「あ、ああ……大事には至っていないはずだ。それよりお前、元からそんな奴だったか?」
須斎がそう聞いてくる
「さぁ?最近緊迫した状況が続いていたからもしかしたら性格もちょっと変わってるかもね?それで、何が有ったの?頭、痛いの?」
そう聞くと、須斎は語り始めた
「水……いや、何な他の液体のような気がする……とにかく、そんな液体に漬けられていたときのことは少しだけ思い出せる。ベルトか何かで柱に繋がれて、ずっと装備を使わされていたような……そんな気がする」
まだ少し混乱しているみたいだが、須斎は自分の覚えていることを僕に少しずつ伝えてくれた
「あれ?装備を使わされていた、って……須斎の袴って須斎本人以外にも使えたっけ?」
「いや、使えない」
じゃあどういうことなんだろう?
須斎の姿を隠す目的なら柱につなぐ意味があんまり無いだろうし……
そもそも、僕が須斎を見つけた時はちゃんと須斎の姿は確認できた
もし須斎がずっと装備を使っていたら僕は須斎のことを見つけられない筈なんだけど……
その理由を考えるにしても今分かっている情報だけでは全然足りない
今は少しでも良いから須斎の覚えていることを話して貰わないと
「他には何か思い出せない?例えば、須斎がいつ連れてこられたのか、とか」
少し黙ってから須斎はこう答える
「分からないんだ」
「え?分からない?」
どういうことだろう
「何故かは知らないが、ここに来るまでの記憶がすっぽり抜け落ちている。本当に、何でここに連れてこられたのか分からないんだ」
須斎を水中から出した後、安全さんが須斎に対して救命行為みたいなことをしてくれた
「あの、一つ話し合いたいことがあるんですけど……」
「あ、ちょっとまってね。気道だけ確保したら」
そう言って須斎の首を傾けさせてから、安全さんはこちらを向いた
「それで、話したいことって、何?」
そんな風に聞いてきた安全さんに僕はこう切り出す
「あの人達……須斎―今安全さんが助けてくれた人ですけど―も含めて、一体何であそこにいたんでしょうね……?」
「それは……正直俺にも分からねぇな……」
う~ん……やっぱり分からないか……
「正直、何かの儀式だっていう可能性はあるんだが、水の中に入って行う儀式なんて聞いたことねぇしな……」
「まあ、儀式でもなければ人を水の中で並べたりしませんしね」
問題はなんの儀式なのか、だよね……
確かに水の中で悟りを開いた人ってあんまり聞いたことが無いな……
いや、でも仏教やヒンドゥー教では水の中で沐浴したりすることもあるって聞くしな
じゃあ意外とそういう信仰もあるのかな?
「う~ん……俺のいた国ではそんな信仰は聞いたことがねぇんだけどな……お前の出身国ではどんな感じなんだ?」
「あ、僕の居た国のことですか?それはですね……」
僕が日本について安全さんに話している間に、須斎が起きたようだ
「ん……ああ」
「あ、起きたみたいだぜ」
安全さんにそう言われて、僕は須斎の方を見る
「えっと……須斎、で、合ってるんだよね?」
「あ、ああ……確かに私は須斎だ。お前は……神柱、か」
この感じだと須斎は記憶が混濁しているのかな?
「うん、一旦落ち着いて。須斎の頭がちゃんと回るまで待つから」
僕がこう言った後、須斎は暫くの間周りをキョロキョロと見回していた
そして少しでも自分の今の状況を把握したのか、ゆっくりと口を開く
「神柱……ここは、エルサレムなのか?それとも、途中で何か有って、別の場所に不時着したのか?」
「ここがエルサレムなのかどうかは……微妙だね」
安全さんも同調してくれる
「ああ、正直なところ、俺もここが何処なのかは知らねぇ。っと、そういや俺自身のことを紹介してなかったな。今はここにいる……えっと、神柱、だったっけ?まあ、こいつと行動を共にしている。名前は有るけど長いから覚えれないだろうし……安全さんとでも呼んでおいてくれ」
「……分かった。私は……」
「あ、須斎は自己紹介しなくても大丈夫だよ。話をスムーズに進める為に僕が軽く紹介しておいたから」
自己紹介を始めようとした須斎を僕が軽く制する
安全さんとの連携をスムーズに進めるために予め須斎のことを安全さんに伝えておいたのは本当だけど、須斎本人に自己紹介をさせない理由はそれだけじゃあ無い
何というか……今の須斎は精神状態が随分と不安定に見える
まあ、長いこと水に漬けられていたんだからそれも仕方無いんだけども……
とにかく、今の須斎に自身のことを喋らせると余計なことまで口走ってしまいそうで怖いんだ
だから今は本当に必要な事以外は喋らないでいてもらうつもりだ
「そうか……助かる。ところで、私は気絶していたのか?もしそうだとしたら、何処で倒れていた?」
須斎は状況を少しでも把握しようと質問を畳み掛けてくる
いつもと雰囲気は違うけど、やってることが普段の須斎に近い……気がする
この調子でいつもの感覚を取り戻してくれると良いんだけど
「水の中に漬けられてたね。何で漬けられてたのか、須斎に心当たりは無い?」
そう聞くと、須斎は頭を押さえる
「大丈夫!?」
頭を押さえた須斎に駆け寄る
「あ、ああ……大事には至っていないはずだ。それよりお前、元からそんな奴だったか?」
須斎がそう聞いてくる
「さぁ?最近緊迫した状況が続いていたからもしかしたら性格もちょっと変わってるかもね?それで、何が有ったの?頭、痛いの?」
そう聞くと、須斎は語り始めた
「水……いや、何な他の液体のような気がする……とにかく、そんな液体に漬けられていたときのことは少しだけ思い出せる。ベルトか何かで柱に繋がれて、ずっと装備を使わされていたような……そんな気がする」
まだ少し混乱しているみたいだが、須斎は自分の覚えていることを僕に少しずつ伝えてくれた
「あれ?装備を使わされていた、って……須斎の袴って須斎本人以外にも使えたっけ?」
「いや、使えない」
じゃあどういうことなんだろう?
須斎の姿を隠す目的なら柱につなぐ意味があんまり無いだろうし……
そもそも、僕が須斎を見つけた時はちゃんと須斎の姿は確認できた
もし須斎がずっと装備を使っていたら僕は須斎のことを見つけられない筈なんだけど……
その理由を考えるにしても今分かっている情報だけでは全然足りない
今は少しでも良いから須斎の覚えていることを話して貰わないと
「他には何か思い出せない?例えば、須斎がいつ連れてこられたのか、とか」
少し黙ってから須斎はこう答える
「分からないんだ」
「え?分からない?」
どういうことだろう
「何故かは知らないが、ここに来るまでの記憶がすっぽり抜け落ちている。本当に、何でここに連れてこられたのか分からないんだ」
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