人類戦線

さむほーん

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人類戦線編

第四十六話 開会宣言

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「蒼井……」

ぐったりしている蒼井を前に私の口から言葉が漏れた

「蒼井は大丈夫なの?」

「うん。ここにテレポート?する前は普通に話していたし、単に疲れているだけだと思うよ。俺の考えた何となくの予想が正しければ、結構な時間水の中に漬かっていたことになるし」

何を考えているのか分からない口調で男はそう答えた

「そう……」

私は蒼井の方に向き直る

(ちゃんと……無事だった)

蒼井が生きていている

私にとってはそれだけでも十分に嬉しい

「それで、蒼井が漬かっていた状況について詳しく説明して。でも、できるだけ手短に」

「ええ~そんなに急がないとダメなの~?」

「早く。向こうの人達からの目線も少しずつ怪しいものになってきてる」

この緊急事態に知り合い数人で固まっているからか、他の人たちからの反応はあまり良くない

だから早いところ話を終わらせないと

「じゃあ簡潔に言うよ。でもその前に一つだけ確認させて」

「何?」

相手が少し真剣な目で質問してくる

「君とあの子との関係は?」

即答する

「幼馴染で親友。私にとっては蒼井が生きていることが生きる理由の一つ」

その答えを聞いて相手の男は少し驚いたような反応をする

ここまで即答するとは思っていなかったのだろうか?

「へぇ……成程……そういう感じね……まあ、頑張れよ!」

それだけ言って帰ろうとしたので私は呼び止める

「ちょっと、まだ蒼井が漬かっていた時の話を聞いていない。しれっと帰ろうとしないで」

「あ、そうか。忘れてた」

本当にその場で気が付いたような声を出して止まる

「その子ね、確か他の人達何人かと一緒に柱に繋がれてたんだよ。水の中で」

「何で?」

「さあ?そんなこと僕に聞かれても、って感じかな」

水の中で柱に繋がれてた……

少なくとも、私には蒼井がそんなことをされる理由は無いと思う

「取り敢えず、僕から話せる情報はここまで。カタナくんとこの子が知り合いだったみたいだから、もしカタナくんに会うことがあったら聞いてみるといいよ。っていうか、この子が目覚めた時に聞いてみたら?」

そう言いながら男は人が集まっている場所に走っていった

(カタナくん……誰だ?)

あの男の話を信じるとしたら、少なくとも蒼井の知り合いではあるはず……

「あ、あの……そろそろ私達も戻った方が良いんじゃ……」

「……それもそう。じゃあ早く戻る」

焦りのせいなのか少し変な口調になりながらも一緒に居た気弱な人の言葉に答えて皆のいる場所へ戻った

――――――――――――――――――――――――

「あ、エルサレムの本部と連絡とれたんですね」

「ああ、ここは電波は普通に通じるらしいからな」

俺は色んな国から来たと見られる人達が居る場所に戻ってきてからずっと周りの人と話し込んでいた

情報は有ればあるだけ良いからな

その収集にはしっかりと自分の中のリソースを割かねぇと

そのお陰でもうじきエルサレムの本部から飛行機が派遣されるということが分かった

「ってことは、帰れるんすかね?」

「多分そうなんじゃねぇかな?」

そう言って、目の前のおっさんは暇つぶしにかスマホを弄り始めた

「ん?」

どの言語かは分からないけど、おっさんが多分そんな感じのニュアンスの言葉を発する

「何かあったんすか?」

「いや……何か変な動画が投稿されてんだよ。お前も見るか?」

そう言って画面をこちらに向けてくる

そこには俺たちがさっきまで居た場所を映している動画があった

「いや……これ、ちょっと違うんじゃないっすか?こんな椅子がありそうな場所は思いつきませんよ」

俺の中で嫌な予感が膨れ上がってくる

(まさかとは思うけど……先月家に来た変な手紙にふざけて返事したのが関係してないよな……?)

不安が増えると普段なら杞憂だと即断できることも気になってくる

「……お、何か話してるみたいだぜ」

その言葉を聞いた少し後に画面から声が聞こえてきた

「皆さん。こんにちは。初めましての方は初めまして。そうでない方は自己紹介の間はごゆっくりして行って下さい」

その画面に写っている男には見覚えがあった

先月、俺の家に変な手紙が届いた

そこに書かれていたことはこうだ、『あなたも最高のゲームに参加しませんか?』

手紙に添えられていたパンフレットにはそのゲームの中身がリアルタイムで世界の滅亡を阻止するゲームだとかいう巫山戯た内容が書かれていた

そして、最後に入っていた封筒には『参加して頂いたらギフトコードを150US$分お付けします』と

普通に考えればこんな怪しいモンにサインなんかするはずがねぇ

話が非現実的すぎる

だが、数ヶ月前から非現実的なことが起こりすぎていたから欲しいモンの有った俺はサインしちまった

「さて、自己紹介も終わりましたし本題に入りましょう」

俺が考えている間に自己紹介は終わっていたらしい

「明日から私の指示でを動かします。ゲーム参加者の皆さんはこそれを止めるなりなんなりして文明と社会の滅亡を防いで下さい」

「もしこれを倒せた方がいらっしゃったら、私の持っているをお渡ししましょう」

「ゲーム非参加者の方が倒した場合、残念ながら宝物の進呈は見送らせて頂きます」

「それでは皆さん、健闘をお祈りしています」

そこてま動画は終わった
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