妹曰く、僕の婚約者は悪役令嬢らしいです

水江 蓮

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ヒロイン(ハニー・ユースド男爵令嬢)side

私はある日この世界が自分の為に作られた世界だということを知った。
この世界は前世の私が一番好きだった【本当の愛を君と…それは必然の愛】という乙女ゲームの世界だということを。
前世は本当につまらなかった。
私の話についてこれる人間はいなかったし、ちょっとネットに書き込んだらすぐに批判される。
皆自分が正しいとばかりに攻撃してくるけど、そんなことを望んでいなかったのよ。
皆が好きなキャラなんだから皆で推したらいいでしょう?とか何それ?
アドリウス様は私が最も愛していたんだからそこは譲るべきでしょ?
あんな世界にもう未練なんてないわ。
それにしても神様っているのね!
死んだ後私にこんな素敵な世界をプレゼントしてくれるなんて!
この世界のヒロインは私!
つまりアドリウス様は私の物ってことよね?
それは決定だけど、どうせなら攻略対象者全員を落とすのもいいかもしれない!
だって私は全ての選択肢を覚えているもの。
ヒロインの私は間違えたりしないわ。
皆を助けてあげる。
だって私優しいから…。

ヒロインとしての第一歩として花祭りの前日にお忍びで来ているアドリウス様に道案内してあげなきゃならない。
この時のアドリウス様は政略結婚で決まった婚約者とどう付き合ったらいいのか悩んでいるんだよね。
いつも冷静で言葉少ない人と無理矢理婚約させられるとか本当に可哀想。
私が今すぐ助け出してあげるから…って何故アドリウス様が現れないのかしら?
お昼前にこのパン屋の前で初対面するはずなのに?
時計を見るともう2時を回っているじゃない!?

何?私遅刻したの?
アドリウス様に会えなかったら明日王宮で行われるガーデンパーティーに行けなくなっちゃう…ってあれ?あそこにいるのはオリシス様じゃない?
天はやっぱりヒロインの味方なのね!
こうなったら仕方がないからオリシス様に頼みましょう。
将来私のハーレムに入れるキャラだし、早めに接触してもいいよね?



パーティーの当日私はオリシス様にプレゼントされたドレスを着て会場に入った。
そうそう!この光景よ!
ドレスは…ちょっと違うけどこの程度の誤差は許されるわよね? 
全ては昨日アドリウス様が私に会いに来てくれなかったせいだし…。


…ってえ!?
外に出ろ?
何で?今私許可されて入った所なのに?
ちょっと!?引っ張らないでよ!
将来の王妃に対してなんて無礼な態度なの!?


私は色々と反論したのに、兵は聞く耳を持たずに塀の外に追い出されてしまった。
しかもオリシス様とその家族まで一緒に…。
ヒロインなのにオリシス様にも侯爵様にも怒られることになった。
何で私が怒られなきゃいけないのよ!?

私がヒロインなのよ!?

今日の事しっかり覚えておくから…将来絶対に借りは返すから…。

こうして塀の外に放り出されそのまま放置された私は仕方がなく宿に戻るのだった。

明日からまたあの田舎暮らしなんて本当にやってられない。
早く学園入学の時期になってよね…。
あぁ…本当につまんない。
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