転生先はまさかの自分の小説のヒロイン?~ヒロインは敵前逃亡します~

水江 蓮

文字の大きさ
14 / 27

14

話し合いの翌日、約束通りいお兄様と一緒に王都のカフェでアレックスの到着を待った。

「今日は気合入ってるな~」

と冷やかしてくるお兄様の事なんて無視だ!無視!
乙女心を一つも理解していないような人と話をするだけ無駄だ。

そう思って無視し続けること10分、救世主とも呼べるアレックスが到着した。
お兄様はアレックスに抱き着き久しぶりの再会を喜んでいた。

いや、抱き着きたいのは私ですけど?
なんでお兄様にアレックスをとられなきゃいけないんだ?
この人は本当に私の味方なのか?

…そうだよね?
私がアレックスに抱き着けないのを知っているから…くそう…。
私のアレックスなのにー!!!

私が内心怒りながら、男同士のハグを見守っていると、

「あら?こんなところで会うなんて奇遇ですわね?」

そう声をかけられた…。
恐る恐る後ろを振り向くとそこにはトワライト公爵令嬢と婚約者のジェレミー王子殿下がおられた。


終わった…。
なんで今日に限って二人でお忍びデートしているんだよ!?

てか昨日の話どこからか流出していないよね?
公爵家には影がいるって聞くし…嫌だよ?
私はざまぁされたくないよ?

泣きそうになりながら、お兄様の方を向くとなぜかお兄様が頷いた。
え?それは信用していいやつですか?
私を売ったりしないうよね?

どぎまぎしながらお兄様の方に目を向けるとお兄様が代表して王子たちに挨拶をしてくれるようだった。

「初めまして。私はホワイトローズ男爵家が長男トマス・ホワイトローズです。お目にかかれて光栄です。本日はお二人はお忍びデートでしょうか?私達が邪魔をしてお二人の時間を奪ってはいけないのでこれで失礼いたします。」

そう言ってその場を去ろうとしたとき、

「ちょっと待ってくださらない?折角ですから、皆さんで一緒に店をまわりません事?」

とトワライト公爵令嬢が誘ってきた。

嫌だ!無理無理無理!!
そんなことしたら私の胃に穴が開く!

お兄様にそれとなく無理だと目で合図すると、お兄様は頷いた。

信じていますよ?
信じているからね?

お兄様を心の中で応援しながら、二人のやり取りを見守ることにした。

「申し訳ございません。お誘いはありがたいのですが、本日はこちらのディルズ男爵子息のご両親と利権関係の話合いをしなければならないんです。また次回会う事があればその時にでもまたお誘いいただけると嬉しいです。それでは失礼いたします。ティアナ!書類の準備はできているのか?」

お兄様からの救いの手に私は必死にしがみついた。

「はい!先週からしっかり纏めておきました。しかし…私だけでは纏められなかったので…お手伝いおねがいできますか?」

「あぁ、大丈夫だ。Bクラスのティアナにそこまで求めていないからな。それじゃあ行こうか。」

そういうと頭を下げ私の腕を掴みホテルの方向へと歩き始めた。
私も慌てて頭を下げるとお兄様の後を必死で追いかけた。

本当に怖い!
一刻も早くこの国から逃げなきゃ!

私は震える足を奮い立たせて必死で前に進むのだった。
感想 6

あなたにおすすめの小説

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています

月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。 しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。 破滅を回避するために決めたことはただ一つ―― 嫌われないように生きること。 原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、 なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、 気づけば全員から溺愛される状況に……? 世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、 無自覚のまま運命と恋を変えていく、 溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので

モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。 貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。 ──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。 ……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!? 公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。 (『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!

翠月 瑠々奈
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。 侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。 そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。 私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。 この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。 それでは次の結婚は望めない。 その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。

愛しているからこそ、彼の望み通り婚約を解消します

皇 翼
恋愛
「俺は、お前の様な馬鹿な女と結婚などするつもりなどない。だからお前と婚約するのは、表面上だけだ。俺が22になり、王位を継承するその時にお前とは婚約を解消させてもらう。分かったな?」 初対面で婚約者と紹介された時、二人きりになった瞬間に開口一番に言われた言葉がこれだった。 面識の全くない、紹介された直後の人間にこんな発言をする人間だ。好きになるわけない……そう思っていたのに、恋とはままならない。共に過ごして、彼の色んな表情を見ている内にいつの間にか私は彼を好きになってしまっていた――。 好き……いや、愛しているからこそ、彼を縛りたくない。だからこのまま潔く死に消えることで、婚約解消したいと思います。 ****** ・以前書いていた作品を色々改稿して、11万文字~13万文字くらいに改稿したものです。内容は少しずつ変わっていると思います。

「仲睦まじい夫婦」であるはずのわたしの夫は、わたしの葬儀で本性をあらわした

ぽんた
恋愛
サヤ・ラドフォード侯爵夫人が死んだ。その葬儀で、マッケイン王国でも「仲睦まじい夫婦」であるはずの彼女の夫が、妻を冒涜した。その聞くに堪えない本音。そんな夫の横には、夫が従妹だというレディが寄り添っている。サヤ・ラドフォードの棺の前で、夫とその従妹はサヤを断罪する。サヤは、ほんとうに彼らがいうような悪女だったのか?  ※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。

婚約者が私のことをゴリラと言っていたので、距離を置くことにしました

相馬香子
恋愛
ある日、クローネは婚約者であるレアルと彼の友人たちの会話を盗み聞きしてしまう。 ――男らしい? ゴリラ? クローネに対するレアルの言葉にショックを受けた彼女は、レアルに絶交を突きつけるのだった。 デリカシーゼロ男と男装女子の織り成す、勘違い系ラブコメディです。

モブなので思いっきり場外で暴れてみました

雪那 由多
恋愛
やっと卒業だと言うのに婚約破棄だとかそう言うのはもっと人の目のないところでお三方だけでやってくださいませ。 そしてよろしければ私を巻き来ないようにご注意くださいませ。 一応自衛はさせていただきますが悪しからず? そんなささやかな防衛をして何か問題ありましょうか? ※衝動的に書いたのであげてみました四話完結です。