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居場所
その言葉を聞いた途端ウィンノルもユースも大きな音を鳴らしながら立ち上がった。
「どこにいたんだ!」
「隣国のハンリビス王国です。」
「何⁉」
冷静に部下が答えるがウィンノルは部下に詰め寄り必死に問いかける。
「今すぐここに連れて来い!」
「出来ません。ハンリビス王国宰相であるシルロライラ公爵家へ身を寄せているようで、すぐに連れて来られる場所ではありませんでした。」
「その情報は確かなんだろうな?」
「はい、ハンリビスと交流のあった貴族からの話です。報告が来てすぐに確認させましたが確かに今ハンリビス王国宰相の屋敷にいます。報告書はこちらです。」
「……良くやった、下がっていい。」
また部下は足早に帰っていく。
ウィンノルは力が抜けたようにヘナヘナとまた座り安堵して息をついた。
「アレンシカはどうしてそんなところへ……。」
「リリーベル家はシルロライラ家と繋がりはあったか……?」
「分かりません……でもアレンシカの居場所が分かってよかった……。」
ウィンノルは本当に安心したようでホッとした表情をしている。そんな弟を見てユースは悔しさを滲ませた。
「ウィンノルがこんなに心配しているのに……アレンシカもリリーベル家も、なんでこんなに……!」
拳を握りしめて手が真っ白になる。うっかり手に持っていた書類がグシャグシャになったことに気づいてユースは慌てて書類を伸ばした。隣国にいる報告書は重要な証拠なのに。
「早くアレンシカを連れて来なければ駄目だ。でも隣国宰相のところにいるのでは下手をすれば国際問題になる。大事にならず出来ればアレンシカが自主的に来るのが一番いいんだが……。」
ユースはすぐにアレンシカを連れ戻す方法を思案するが良い方法は思い浮かばない。何せ相手は隣国の公爵家であるだけでなく宰相。隣国王家に近い立場でありひとつ間違えれば王家対王家の問題になってしまってもおかしくはない。
「でもあれだけ居場所が分からなかったのに、なんで今回はあっさりと見つかったのか……。」
安心感が落ち着いたウィンノルはアレンシカが隣国にいる理由が知りたかった。交友関係の少ないアレンシカが何故隣国だったのか。リリーベル家の計らいか別の何かか。それでも考えても分からない。
「国を出たからと油断したんだろ。隣国民は口止め出来ないことを忘れて隣国へ行くなんてとんだ抜けているな。」
「アレンシカは昔から抜けているところがありましたからね……。世間知らずですし宰相の世話になっているとはいえ知らないところでやっていけているのか……。」
「そうだな……。迷惑をかけてしまう前に帰って来ないと。フィルニースの恥になってしまう。」
ユースは新しく王族にしか使えない紙を取り出した。もちろん親書を送る為だ。
「ともかく居場所が分かって一歩前進だな。」
「はい。俺もアレンシカを迎える準備をしないと。」
ウィンノルの瞳にやる気が灯る。どこにいるか分からないアレンシカがいつ帰って来るのか分からない状況で、ただ闇雲にしか動けない状況からようやく好転した。目指すべき場所がやっと見えればあとはそこまで一生懸命に走ればいいだけだ。
「アレンシカにウィンノルがこれだけ心配しているってとこを見せてあげたいよ。そうすればすぐに帰って来るだろうに。」
「俺はアレンシカが帰って来ればそれだけでいいです。アレンシカが俺を見る時は帰って来る時ですから。」
「そうだな……。だがウィンノルは優しすぎる。もっと怒っていいんだぞ。今回のアレンシカはさすがに勝手すぎる。」
「いいえ。……俺がしっかりすればいいだけですから。」
兄として悔しさも悲しさもあるが、優しすぎて我慢しすぎてしまう弟の為に出来る限り自分が何とかしてやらなければとユースは心の中で誓った。
「アレンシカが帰って来たら、ちゃんと手握っとけよ。」
自分の考えは何も言わずウィンノルの肩を叩いてやる。
「はい。あと少しですよ兄上。」
ウィンノルは明るい未来を予感し穏やかに笑った。
「どこにいたんだ!」
「隣国のハンリビス王国です。」
「何⁉」
冷静に部下が答えるがウィンノルは部下に詰め寄り必死に問いかける。
「今すぐここに連れて来い!」
「出来ません。ハンリビス王国宰相であるシルロライラ公爵家へ身を寄せているようで、すぐに連れて来られる場所ではありませんでした。」
「その情報は確かなんだろうな?」
「はい、ハンリビスと交流のあった貴族からの話です。報告が来てすぐに確認させましたが確かに今ハンリビス王国宰相の屋敷にいます。報告書はこちらです。」
「……良くやった、下がっていい。」
また部下は足早に帰っていく。
ウィンノルは力が抜けたようにヘナヘナとまた座り安堵して息をついた。
「アレンシカはどうしてそんなところへ……。」
「リリーベル家はシルロライラ家と繋がりはあったか……?」
「分かりません……でもアレンシカの居場所が分かってよかった……。」
ウィンノルは本当に安心したようでホッとした表情をしている。そんな弟を見てユースは悔しさを滲ませた。
「ウィンノルがこんなに心配しているのに……アレンシカもリリーベル家も、なんでこんなに……!」
拳を握りしめて手が真っ白になる。うっかり手に持っていた書類がグシャグシャになったことに気づいてユースは慌てて書類を伸ばした。隣国にいる報告書は重要な証拠なのに。
「早くアレンシカを連れて来なければ駄目だ。でも隣国宰相のところにいるのでは下手をすれば国際問題になる。大事にならず出来ればアレンシカが自主的に来るのが一番いいんだが……。」
ユースはすぐにアレンシカを連れ戻す方法を思案するが良い方法は思い浮かばない。何せ相手は隣国の公爵家であるだけでなく宰相。隣国王家に近い立場でありひとつ間違えれば王家対王家の問題になってしまってもおかしくはない。
「でもあれだけ居場所が分からなかったのに、なんで今回はあっさりと見つかったのか……。」
安心感が落ち着いたウィンノルはアレンシカが隣国にいる理由が知りたかった。交友関係の少ないアレンシカが何故隣国だったのか。リリーベル家の計らいか別の何かか。それでも考えても分からない。
「国を出たからと油断したんだろ。隣国民は口止め出来ないことを忘れて隣国へ行くなんてとんだ抜けているな。」
「アレンシカは昔から抜けているところがありましたからね……。世間知らずですし宰相の世話になっているとはいえ知らないところでやっていけているのか……。」
「そうだな……。迷惑をかけてしまう前に帰って来ないと。フィルニースの恥になってしまう。」
ユースは新しく王族にしか使えない紙を取り出した。もちろん親書を送る為だ。
「ともかく居場所が分かって一歩前進だな。」
「はい。俺もアレンシカを迎える準備をしないと。」
ウィンノルの瞳にやる気が灯る。どこにいるか分からないアレンシカがいつ帰って来るのか分からない状況で、ただ闇雲にしか動けない状況からようやく好転した。目指すべき場所がやっと見えればあとはそこまで一生懸命に走ればいいだけだ。
「アレンシカにウィンノルがこれだけ心配しているってとこを見せてあげたいよ。そうすればすぐに帰って来るだろうに。」
「俺はアレンシカが帰って来ればそれだけでいいです。アレンシカが俺を見る時は帰って来る時ですから。」
「そうだな……。だがウィンノルは優しすぎる。もっと怒っていいんだぞ。今回のアレンシカはさすがに勝手すぎる。」
「いいえ。……俺がしっかりすればいいだけですから。」
兄として悔しさも悲しさもあるが、優しすぎて我慢しすぎてしまう弟の為に出来る限り自分が何とかしてやらなければとユースは心の中で誓った。
「アレンシカが帰って来たら、ちゃんと手握っとけよ。」
自分の考えは何も言わずウィンノルの肩を叩いてやる。
「はい。あと少しですよ兄上。」
ウィンノルは明るい未来を予感し穏やかに笑った。
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