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ざわめき
しおりを挟むすっとナビに腕が伸びてスイッチに触れると、液晶画面がスライドしてCDの挿入口が現れる。
「何も入ってないから、CDを入れてみたら」
「では。お言葉に甘えて」
真一文字に口を開けている穴に、白いディスクを差し込むとすうっと吸い込まれて、音が立ちのぼる。
ちろちろと流れる渓流のざわめきは、冷たい川の流れに身を浸したように、しんと体が涼しさを感じる。
音だけなのに、その場所にいるみたい…
ゆっくりと目を閉じると、風にそよぐ木々の葉ずれが聞こえる。
悠々と鳥の鳴くのが聞こえる。なんて鳥なんだろう…
目を閉じていたアタシは、昨日興奮して眠れなかったこともあっていつの間にか眠ってしまった。
夢うつつのなか、渓流の音はボリュームを絞った洋楽に変わった。
何か聞いたようでも、眠っているアタシには理解できはしなかった。
次にアタシが気がついたのは、どこかの駐車場に止まっている時だった。
あまりにもCDの音が気持ち良くて眠ってしまっていた。そのことに気づいて体が跳ね起きる。
アタシったら……
尾上さんに運転させて、隣ですよすよ寝こけていたなんて……
信じられない!!
顔をバックミラーで確認すると、よだれの垂れた後が乾いて白くなっていた……
なにこれ…恥ずかしい……
ぐいぐいと手で拭うと、運転席にいるはずだった尾上さんを探す。
だらしなく(!!)口を開けて寝ていたであろう自分に呆れて、どこかに行ってしまったのだろうか…
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