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好きなんだ
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「……んっ……痛っ」
「我慢しすぎておかしくなってるのかも」
歯形に舌を這わせながら、まとわりついていた服を脱がす。自分も必死に奴のシャツのボタンを外した。
体じゅうを愛撫されながらでちっとも外せないそれを、奴は引きちぎるようにして脱いで全裸になった。ベットに倒され見つめ合いながら、意地の悪い笑みを浮かべた。
「オレ、避妊しないから」
目を見開いた私の下腹部をくちゅくちゅとほぐしながら、さらに言い募る。
「したらサインさせるから。いつ出来てもいい」
「………ほんき? 」
「本気」
奴がフェチだと言っていた足をなぞり、ぬかるんだ場所へ舌を這わせた。経験値の差だとか、敏感な場所だからとかだけでない喘ぎが漏れる。
好きな男に尽くしてもらって感じない女はいないだろう。
比べられないほどの快感を体が拾ってしまい、乱れてしまう。
「りお、いい? イク? 」
見つめられて手を伸ばした。手をとりながら、愛おしそうな視線を投げて、追い込んできた。
涙を流し乱れながら、つないだ手をぎゅっと握る。それだけでイクのがわかったのか、中と外の両方を刺激されて登りつめた。
びくりと反応して締め付け、痙攣する私をゆるゆると愛でながら、体を並べて顔を見られる。つないでいない手のひらで顔を隠すようにしても、嬉しそうにこちらを見ている。
「あんまり見ないで」
「嬉しくてさ」
つないだ手にキスされる。
「しばらくしてないだろ」
いまだに指で隘路を広げながら、そんなことをつぶやく。
「ずっとオレのためにとっておいた? 」
「はじめてじゃないから」
「でもしてなかっただろ? 」
「女は気持ちがなければできないの」
「じゃあオレには気持ちあるよね。すいぶん感じてたろ? 」
否定できなくて黙り込む。
「いいよ。時間ならあるから。オレの一生かけてでも言わせてみせるから」
伸び上がった奴が、色気を振りまきながら自分自身を擦り付けてきた。脈打つそれには、やはり膜などない。
「愛してる、りお」
聞き取れないくらいかすれた声で、信じてとつぶやく。隘路をこじ開けながら、うっとりとする奴に胸が締め付けられ、意識せずに力がはいった場所から繋がった大きな体が揺らぐ。
「りおの体も、オレがいいって」
小さな胸を愛撫され、さらに締め付けるとキスしながら優しく突いてきた。漏れる嬌声すら惜しいように体を重ねる。そのまま行為に没頭していつ意識を失ったのかわからない。
明るくなった空をレースのカーテン越しに眺めているが、かなりいい時間だ。
すでに奴はおらず、空っぽのとなりは寂しい。気を利かせた奴が枕元にスマートフォンやら水、パンやバナナなどを置いていっている。病人の看護みたいだなと思いつつ、たいして違わないと苦笑う。
まめだなと思いながら、スマートフォンの電源を入れると、SNSに奴の更新があった。お昼のラーメンと♯好きなんだ。
こちらに移動して引き継ぐことの多さから休日出勤をしているのだろう。涙で画面が曇る。
自分に自信なんて持てない。
それはいつしか弱い自分を覆う鎧のように、完璧な仕事を求めた。それにつれ可愛げのなくなる自分自身に呆れながらも、どうにも変えることなどできなくなっていた。
職場で必要とされるのはどちらかなんてわかってる。仕事を離れると抜け殻のような自分がいた。私生活でキラキラしてる人が羨ましかった。
仕事もできて私生活でもキラキラしてた奴は、別の世界の住人で交わることなどなく平行線でいるはずだった。それがどこでどう交わったのだろう。
スマートフォンの画面をなぞる。アイドルの歌う素直になれない女の子と自分も変わらない。♯好きなんだ。
ごまかしている本心と伝えたい心と。
写真のフォルダーから一枚選んでSNSにあげる。困ったような実家の愛犬の顔は、あの男に似ている。
♯好きなんだ。
信じてみたい。奴が、好きだと言ってくれた自分自身を。自分をもっと好きになりたい。
『オレを信じて』
その言葉がゆっくりと胸を満たしてゆく
「我慢しすぎておかしくなってるのかも」
歯形に舌を這わせながら、まとわりついていた服を脱がす。自分も必死に奴のシャツのボタンを外した。
体じゅうを愛撫されながらでちっとも外せないそれを、奴は引きちぎるようにして脱いで全裸になった。ベットに倒され見つめ合いながら、意地の悪い笑みを浮かべた。
「オレ、避妊しないから」
目を見開いた私の下腹部をくちゅくちゅとほぐしながら、さらに言い募る。
「したらサインさせるから。いつ出来てもいい」
「………ほんき? 」
「本気」
奴がフェチだと言っていた足をなぞり、ぬかるんだ場所へ舌を這わせた。経験値の差だとか、敏感な場所だからとかだけでない喘ぎが漏れる。
好きな男に尽くしてもらって感じない女はいないだろう。
比べられないほどの快感を体が拾ってしまい、乱れてしまう。
「りお、いい? イク? 」
見つめられて手を伸ばした。手をとりながら、愛おしそうな視線を投げて、追い込んできた。
涙を流し乱れながら、つないだ手をぎゅっと握る。それだけでイクのがわかったのか、中と外の両方を刺激されて登りつめた。
びくりと反応して締め付け、痙攣する私をゆるゆると愛でながら、体を並べて顔を見られる。つないでいない手のひらで顔を隠すようにしても、嬉しそうにこちらを見ている。
「あんまり見ないで」
「嬉しくてさ」
つないだ手にキスされる。
「しばらくしてないだろ」
いまだに指で隘路を広げながら、そんなことをつぶやく。
「ずっとオレのためにとっておいた? 」
「はじめてじゃないから」
「でもしてなかっただろ? 」
「女は気持ちがなければできないの」
「じゃあオレには気持ちあるよね。すいぶん感じてたろ? 」
否定できなくて黙り込む。
「いいよ。時間ならあるから。オレの一生かけてでも言わせてみせるから」
伸び上がった奴が、色気を振りまきながら自分自身を擦り付けてきた。脈打つそれには、やはり膜などない。
「愛してる、りお」
聞き取れないくらいかすれた声で、信じてとつぶやく。隘路をこじ開けながら、うっとりとする奴に胸が締め付けられ、意識せずに力がはいった場所から繋がった大きな体が揺らぐ。
「りおの体も、オレがいいって」
小さな胸を愛撫され、さらに締め付けるとキスしながら優しく突いてきた。漏れる嬌声すら惜しいように体を重ねる。そのまま行為に没頭していつ意識を失ったのかわからない。
明るくなった空をレースのカーテン越しに眺めているが、かなりいい時間だ。
すでに奴はおらず、空っぽのとなりは寂しい。気を利かせた奴が枕元にスマートフォンやら水、パンやバナナなどを置いていっている。病人の看護みたいだなと思いつつ、たいして違わないと苦笑う。
まめだなと思いながら、スマートフォンの電源を入れると、SNSに奴の更新があった。お昼のラーメンと♯好きなんだ。
こちらに移動して引き継ぐことの多さから休日出勤をしているのだろう。涙で画面が曇る。
自分に自信なんて持てない。
それはいつしか弱い自分を覆う鎧のように、完璧な仕事を求めた。それにつれ可愛げのなくなる自分自身に呆れながらも、どうにも変えることなどできなくなっていた。
職場で必要とされるのはどちらかなんてわかってる。仕事を離れると抜け殻のような自分がいた。私生活でキラキラしてる人が羨ましかった。
仕事もできて私生活でもキラキラしてた奴は、別の世界の住人で交わることなどなく平行線でいるはずだった。それがどこでどう交わったのだろう。
スマートフォンの画面をなぞる。アイドルの歌う素直になれない女の子と自分も変わらない。♯好きなんだ。
ごまかしている本心と伝えたい心と。
写真のフォルダーから一枚選んでSNSにあげる。困ったような実家の愛犬の顔は、あの男に似ている。
♯好きなんだ。
信じてみたい。奴が、好きだと言ってくれた自分自身を。自分をもっと好きになりたい。
『オレを信じて』
その言葉がゆっくりと胸を満たしてゆく
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