元SSSランク冒険者の大魔導師、冒険者を引退しお店を開く

ks9232

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サラ

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 「うう~ん」

 ベッドに寝かせた少女から声がした。少女の方を見ると目が覚めたようだ。

 「目覚めたかい嬢ちゃん」

 私が声を掛けると少女は顔を動かして私をみた。

 「こ、ここは」
 「此処は私の店の部屋だよ。嬢ちゃんが店の前に倒れていたのを見つけてベッドに寝かせたのさ」
 「そうだったんですね。ありがとうございます。」

 私が事情を話すと少女は礼を言い顔を伏せて閉まった。

 「いったいどうしてこんな所に居たんだい?よかったら教えてくれないかい?」
 「………私は、多分お母さんに捨てられました。スラム街の近くでお母さんに待ってる様に言われてそれからお母さんは戻って来なかったので…」

 少女はゆっくりと話し出して最後の方は涙を流しながら教えてくれた。

 (本当にカガーリンが言った通りだったな、これからどうするか…)

 「嬢ちゃん、名前はなんて言うんだい?」
 「あ、すいません。名乗りもせず。私はサラって言います。10歳です。」
 「サラちゃんか、良い名前だね。私の事は婆さんなりばばあなり好きによんどくれ。
 それでサラちゃん、お母さんは別れる時何か言ってなかったかい?」
 「え~と、確か「サラ、これからも元気に過ごしてね。お母さんも用事が済んだら必ず迎えに行くからね」て涙を流しながら言ってました」
 「なるほどね……。サラちゃん、お母さんはサラちゃんを捨てた訳じゃなさそうだよ。恐らくお母さんはサラちゃんを危険な目に合わせたくなかったからこの街に置いて行ったんだよ。用事が終われば必ず迎えに来ると思うよ。ただ、それが何時になるかはわからないけどね」
 「お母さんは私を捨てたんじゃないの?」
 「もちろん、だって我が子を泣いて捨てる親はいないよ。本当は一緒に居たかったと私は思うよ」
 「そうだったんだ…。私、本当は捨てられた訳じゃなかったんだ」
 「まだ、疲れが取れて無いようだね。今日はゆっくり休んでな。私は下に居るからね」
 「わかりました。ありがとうございます」

 私はそう言って少女の部屋を出て扉を閉めた。すると中からすすり泣く声が聞こえた。

 (サラちゃんも親に捨てられたと思っていたんだな。それが本当は違ったとわかっても気持ちはそう簡単には納得しないだろうな。暫くは様子見だな)

 私はサラちゃんの今度を考えながら階段を下りる。向かう先はお店ではなくその奥にある厨房だ。そうご飯を作る為に。
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