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2 引き籠もりが働くようです
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「はあはあ、お前らどっから湧いてんだよ!」
出口まで後二百メートル程まで来ているが魔王軍が止めどなく湧き続けるせいで敵をいくら倒しても前に進めない。
「くそっ!このままじゃ埓が明かねぇ!」
攻撃を仕掛けてくる魔王軍達を無視し、出口まで突っ切る。
「はあはあ、なんか強くなってるけど体力なさ過ぎだろ俺......スポーツカーかよ」
燃費が悪すぎるせいで途切れそうになる意識の中、最後の力を振り絞って町に向かう。......ちなみに魔王軍の攻撃は痛くもかゆくも無い。
「うおおおぉぉぉー」
そう叫んだ後、俺の意識は途切れた。
「あれ?ここ何処だ?」
目を開けるとを中世ヨーロッパを彷彿とさせる部屋にいた。
「ははっ、ありきたりだな」
これが|小説(ラノベ)だったら「異世界=ヨーロッパって何だよ。もっと自分で世界観考えろよ」とか思ってしまうところだが本当に異世界が中世ヨーロッパ風なのだからぐうの音も出ない。
コンコンとノックがする。
「は、はい」
ぎいーっとドアが開く。
すると金髪ポニテの美女がこちらの部屋に入ってきた。ちなみに乳は可もあり不可は無し位である。
「気分はどうですか?」
「い、いえ大丈夫です」
いや~むしろ元気が出てきましたね、はい。
「びっくりしたんですよ。店の前で布を身体に巻いて倒れてたんですから」
「布?ああ」
思い出した。魔王の部屋から出た後、全裸のままではまずいと思い近くにあったカーテンを身体に巻き付けたのだった。
「じゃあこの服はあなたが?」
意識が途切れる前までは着ていなかった服を指さしながら言う。
「いえっ、それはー」
「君の服は俺が着せた」
突然ドアが開きマッチョな獣人が部屋に入ってきた。
初めて獣人を見たが体がボディービルダーで顔が鳥なのでとてもシュールだ。
「え?誰?」
「おっと失礼俺は|愚地(おろち)ポッポ、この防具屋の店主をやってるもんでぇ」
「ここって防具屋だったんですね」
「なんだカトリーナ、まだ説明してなかったんか」
ほう、そちらの美人はカトリーナというのか。ポッポはどうでも良いとしてカトリーナの方はちゃんと覚えておこう。
「だって話す間もなくポッポさんが入ってくるから」
「おう、それはすまんな。所でお主、名をなんと申す」
「こ、|湖馬康正(こばやすまさ)です」
くそっ、長年の引き籠もり生活のせいでド陰キャみたいな話し方になっちまう。......元からド陰キャだったわ。
「そうかそうか、では湖馬康正よ、服の代金を支払ってもらおうか」
「いやっ、でもお金が無くて......」
「知ってる」
「じゃあ何で聞いたんすか!」
「だからってんじゃねーが提案がある......ここでで働いてくれねーか。働いてくれるんだったらこの部屋は好きに使って良いし、カトリーナもいるかr」
「はい!働きます!」
住む場所と何より美人と暮らせるんだったら労働なんて安いもんだぜ!
「そんな即答して大丈夫なんですか?」
「あ、はい......大丈夫です」
くそっ、美人を前にコミ症でてしまった。
「じゃあ明日から頼む。詳しくはカトリーナに聞いてくれ」
こうして俺が最も嫌いだった労働をすることになった。
出口まで後二百メートル程まで来ているが魔王軍が止めどなく湧き続けるせいで敵をいくら倒しても前に進めない。
「くそっ!このままじゃ埓が明かねぇ!」
攻撃を仕掛けてくる魔王軍達を無視し、出口まで突っ切る。
「はあはあ、なんか強くなってるけど体力なさ過ぎだろ俺......スポーツカーかよ」
燃費が悪すぎるせいで途切れそうになる意識の中、最後の力を振り絞って町に向かう。......ちなみに魔王軍の攻撃は痛くもかゆくも無い。
「うおおおぉぉぉー」
そう叫んだ後、俺の意識は途切れた。
「あれ?ここ何処だ?」
目を開けるとを中世ヨーロッパを彷彿とさせる部屋にいた。
「ははっ、ありきたりだな」
これが|小説(ラノベ)だったら「異世界=ヨーロッパって何だよ。もっと自分で世界観考えろよ」とか思ってしまうところだが本当に異世界が中世ヨーロッパ風なのだからぐうの音も出ない。
コンコンとノックがする。
「は、はい」
ぎいーっとドアが開く。
すると金髪ポニテの美女がこちらの部屋に入ってきた。ちなみに乳は可もあり不可は無し位である。
「気分はどうですか?」
「い、いえ大丈夫です」
いや~むしろ元気が出てきましたね、はい。
「びっくりしたんですよ。店の前で布を身体に巻いて倒れてたんですから」
「布?ああ」
思い出した。魔王の部屋から出た後、全裸のままではまずいと思い近くにあったカーテンを身体に巻き付けたのだった。
「じゃあこの服はあなたが?」
意識が途切れる前までは着ていなかった服を指さしながら言う。
「いえっ、それはー」
「君の服は俺が着せた」
突然ドアが開きマッチョな獣人が部屋に入ってきた。
初めて獣人を見たが体がボディービルダーで顔が鳥なのでとてもシュールだ。
「え?誰?」
「おっと失礼俺は|愚地(おろち)ポッポ、この防具屋の店主をやってるもんでぇ」
「ここって防具屋だったんですね」
「なんだカトリーナ、まだ説明してなかったんか」
ほう、そちらの美人はカトリーナというのか。ポッポはどうでも良いとしてカトリーナの方はちゃんと覚えておこう。
「だって話す間もなくポッポさんが入ってくるから」
「おう、それはすまんな。所でお主、名をなんと申す」
「こ、|湖馬康正(こばやすまさ)です」
くそっ、長年の引き籠もり生活のせいでド陰キャみたいな話し方になっちまう。......元からド陰キャだったわ。
「そうかそうか、では湖馬康正よ、服の代金を支払ってもらおうか」
「いやっ、でもお金が無くて......」
「知ってる」
「じゃあ何で聞いたんすか!」
「だからってんじゃねーが提案がある......ここでで働いてくれねーか。働いてくれるんだったらこの部屋は好きに使って良いし、カトリーナもいるかr」
「はい!働きます!」
住む場所と何より美人と暮らせるんだったら労働なんて安いもんだぜ!
「そんな即答して大丈夫なんですか?」
「あ、はい......大丈夫です」
くそっ、美人を前にコミ症でてしまった。
「じゃあ明日から頼む。詳しくはカトリーナに聞いてくれ」
こうして俺が最も嫌いだった労働をすることになった。
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