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第三章 冒険者たち
十一・メール乗っ取り事件
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1・
ちょうどお昼時間になったので、ヘレナ学園長のところで昼食を頂き、僕は次の授業に向かった。
一週間前にフロリメル様と出会った時のことが、未だに恥ずかしく思い出される。
今日は失敗しないように気を付けようと決め、前に座ったのと同じ席についた。
奥の席にユールレムの方々が先にいらしていて、僕を見て近付いて来ようとしていた。
今まで会わないように逃げていたが、さすがに会わない訳にいかないだろうか。
振り向かないまま観念したのに、先にフロリメル様が登場してくれた。素晴らしい。
先ほどまでアリアナと一緒に食事していたことを話してくれるフロリメル様は女神だと思いつつ、こっそりガッツポーズをした。
ほどなく授業が始まり、灰色の魔術の方の知識を深めてみた。
直接的には僕の黒と白の魔力操作の助けになりそうもないものの、今後役立つかもしれないし、頭の体操には最適だ。
それにやはり、隣にフロリメル様がいてくれて……嬉しいというか何というか。
僕は授業が終わるまで、微妙に照れていた。
そして授業が終わりかけた時、まだシーマ様に報告していないと気付いた。
知人にはなったはずだから、そう説明した方が良いような気がする。お世話になってるし、まだバンハムーバ国民だし。
なので授業が終わり、席を立ってから頼んだ。
「フロリメル様、宜しければ一緒に写真を撮って頂けませんか?」
「はい? ……あ、良いですよ」
何故か周囲の視線がとても痛いものの、許可を頂いたので一緒に廊下に出た。
ずっと廊下にいたスタインウェイさんも誘ったけれど、頑なに拒否されたので、予定通りにスマホの自撮りで写真撮影した。
フロリメル様に感謝し、それをシーマ様に送ろうかと思ったものの、作業をジッと見つめられてしまったので途中でやめた。
「どなたかに送られるのですか? アリアナに?」
「アリアナにも送りますよ。その前にシーマ様に送ろうかと」
「……シーマ様ですか? 龍神様の?」
「はい。私がここにいられるのも、半分はシーマ様とロック様のおかげなんです。ですから、フロリメル様と知人になれたと報告したくて」
「メールで連絡を?」
「はい」
「……?」
何故か不思議がられてしまった。
「シーマ様はスマホをお持ちなんでしょうか。それともパソコンのメールでしょうか」
「ああ、スマホって言っておられました」
「お持ちだったんですね。そう言うイメージはありませんでした」
「イメージ?」
そう呟いてから、なにか会話がおかしいなと気付いた。
「フロリメル様は王女様であられるので、同じ王族のシーマ様とは親しいのですよね?」
「いいえ、神殿には式典以外は行ったことがありません」
「そうでしたか……あの、写真送っても良いですか?」
もう止められない状況なので聞いた。
「送って下さいますか」
「はい」
義務になってしまった。
シーマ様へのメールは、普通に送信された。
次にアリアナに送ってから、まだフロリメル様に注目されているのでどうしようかと思った。
「ロック様には?」
「あ、送りますよ」
文章を少し変え、メールを送った。
「返信は、すぐには来ませんよね?」
だんだんと興味津々になってきたフロリメル様に、どう対応していいか分からない。
アリアナがすぐ来てくれるかと思ったけれど、来ない。
ユールレムの方々も、今なら対応したいのに来ない。帰ってしまった。
ずっと立ちっぱなしも何なので、返信を見たいらしいフロリメル様と一緒に、大学敷地内にあるオシャレなカフェに行ってみた。
その道中、返信が来た。シーマ様から凄い偶然だね、というのと、ロック様からどういうこと? という。
偶然というかあなた方が入れた学校ですよと思ったものの、そうは返信出来ない。ロック様の方にはもう一度、同じ授業を受ける同級生ですと返信した。
シーマ様にどう返信しようか悩み、もう返すの止めようかと思いいたった頃、カフェで僕の正面の席に座ったフロリメル様が返信を見たそうにしていたので、スマホを渡した。
なんの変哲もない返信だから、すぐ返してくれると思ったのだが。
「シーマ様への返信は?」
「いやもう、それで終わりで」
「勿体ないですよ。もうちょっとやり取りしましょう?」
「えっ? いやべつに、勿体なくはないです」
それよりも、お二方の仕事の邪魔になるのは嫌だ。
「しましょう。私が打ちます」
「は」
意味が分からない。
ただ眺めるだけの僕の前でメールが打たれて、送信された。何を打ったのか見せてもらうと、きっと運命が私たちを出会わせたんです、とあった。
「何ですか、これは! あ、ええと、削除……は無理だ!」
もう送られているので、宇宙に点在するメール中継基地を光速以上の早さで破壊しにいかないと、データは消えてくれない。
「冗談ですわ。すぐそう返しますね」
「はあ……頼みました」
せっかく頼んだカフェオレが、まったく美味しく思えなくなった。
それにしてもどうしてフロリメル様はこんな嘘を…………と思いながらメールを打つ彼女をじっと観察していても、なかなか終わらない。
しばらく黙って様子を見ていたのだが、なにかとんでもない事になっていそうだと気付いてすぐにスマホを取り戻した。
多くのメールのやり取りを確認すると、こんな具合だった。
ロック様「同級生といっても色々とレベルがある」
フロリメル様「偶然に隣の席になり、思わず声をかけてしまったほどの相手です」
シーマ様「運命とは素晴らしい。将来、ノア君が私の家族になってくれるのを心待ちにしているよ」
フロリメル様「お任せ下さい。私は一生、フロリメル様を大事にしてみせます」
ロック様「まさかノアがそんな積極的な男だったとは! いや、さすがにカルラの息子だ。すぐ結婚か?」
フロリメル様「すでに新居をどこにするか、話し合っているところです」
シーマ様「結婚式はどこでするのかい? バンハムーバでも……いや、神殿に招待するので私が式を手配しよう」
フロリメル様「心から感謝しております。その時になれば、必ずバンハムーバでの式も執り行います」
ロック様「新居か……なんなら紹介しようか? 豪邸でも半額ぐらいにしてもらえると思うぜ」
フロリメル様「是非、よろしくお願いいたします!」
いまここ。
「…………? フロリメル様?」
「あらごめんなさい。打ち間違えました」
「うち、うち、打ち間違える訳ないですよね?」
「でも、ノア様が龍神様とメールするなんて冗談仰るんですもの。思わず遊んでしまいましたわ。それで、この方々は、どこのご友人の方ですか?」
「じょう……だん……」
頭が真っ白になった僕の手の中のスマホに、メールが届いた音がした。
見ると、ロック様からバンハムーバ国営放送の中継を見てくれ、とあった。
僕はスマホで、バンハムーバ国民放送のチャンネルに合わせた。
ちょうど中継が始まった。
シーマ様がロック様の仕事を手伝いに、クリスタに渡ってきている。二人揃って民衆の前で中央神殿入り口に立ち、両者共にスマホを手にして笑顔を見せている。
「ノア! 結婚おめでとう! 豪邸探しておくからな!」
ロック様が高性能マイクで拾える声で、叫んで手を振ってくれた。
僕と一緒にスマホ画面を見ていたフロリメル様と共に、数分間は凍り付いた。
正気に戻り、できる限りのスピードで打ってメールジャックされたことを知らせてみた。
二人はメールチェックする暇が無いようで、そのまま仕事に出かけていってしまったようだ。
罪のない嘘をせめてアッシュ父さんに伝えないでくれと、ブルブル震えながら必死になって祈った。
2・
過ぎてしまえば笑い話だが、本気で死ぬ思いをした。
寮に戻ってから、シーマ様とロック様から嘘だって分かってたとメールをもらえた時は本気で泣いた。
顛末を知った父さんのみならずアリアナまで大爆笑し、スタインウェイさんまで普通に笑うぐらいの状況。
僕はここで、フロリメル様が周囲を巻き込む超強力なドジっ娘だと知った。遅すぎる理解だが。
「まさか、ノアが女の色香で冷静さを欠くとはな! やっぱり修行するか?」
「何のですか! それにもうフロリメル様には隙を見せませんので、大丈夫です!」
父さんが嬉しそうに小突いてくるので、押し返しながら叫び返した。
「兄さん、冷静さは何でも分かってる風なポドールイ人でも必要よ?」
「アリアナまで……うん、分かってる」
正直、自分も自分にガッカリだ。
僕は拗ねて、早いこと寝室に引っ込んだ。
そして散々だったと思いつつ制服を脱ごうとして、はたと気付いた。
フロリメル様は、不注意の上での不運を起こす能力を持っているようだ。
人に、本格的な危害を加える類いのものでないと思える。
しかしほんの少しの不運も、気付かずに放置したらとんでもない結果になった。
僕はその始まりを思い出した。ユールレムの方々に接触を持たれようとして、追い払った形だ。一週間前も、今日も!
「まずい」
何が起こるか分からないまま、僕は走って部屋を飛び出し外へと向かった。
ちょうどお昼時間になったので、ヘレナ学園長のところで昼食を頂き、僕は次の授業に向かった。
一週間前にフロリメル様と出会った時のことが、未だに恥ずかしく思い出される。
今日は失敗しないように気を付けようと決め、前に座ったのと同じ席についた。
奥の席にユールレムの方々が先にいらしていて、僕を見て近付いて来ようとしていた。
今まで会わないように逃げていたが、さすがに会わない訳にいかないだろうか。
振り向かないまま観念したのに、先にフロリメル様が登場してくれた。素晴らしい。
先ほどまでアリアナと一緒に食事していたことを話してくれるフロリメル様は女神だと思いつつ、こっそりガッツポーズをした。
ほどなく授業が始まり、灰色の魔術の方の知識を深めてみた。
直接的には僕の黒と白の魔力操作の助けになりそうもないものの、今後役立つかもしれないし、頭の体操には最適だ。
それにやはり、隣にフロリメル様がいてくれて……嬉しいというか何というか。
僕は授業が終わるまで、微妙に照れていた。
そして授業が終わりかけた時、まだシーマ様に報告していないと気付いた。
知人にはなったはずだから、そう説明した方が良いような気がする。お世話になってるし、まだバンハムーバ国民だし。
なので授業が終わり、席を立ってから頼んだ。
「フロリメル様、宜しければ一緒に写真を撮って頂けませんか?」
「はい? ……あ、良いですよ」
何故か周囲の視線がとても痛いものの、許可を頂いたので一緒に廊下に出た。
ずっと廊下にいたスタインウェイさんも誘ったけれど、頑なに拒否されたので、予定通りにスマホの自撮りで写真撮影した。
フロリメル様に感謝し、それをシーマ様に送ろうかと思ったものの、作業をジッと見つめられてしまったので途中でやめた。
「どなたかに送られるのですか? アリアナに?」
「アリアナにも送りますよ。その前にシーマ様に送ろうかと」
「……シーマ様ですか? 龍神様の?」
「はい。私がここにいられるのも、半分はシーマ様とロック様のおかげなんです。ですから、フロリメル様と知人になれたと報告したくて」
「メールで連絡を?」
「はい」
「……?」
何故か不思議がられてしまった。
「シーマ様はスマホをお持ちなんでしょうか。それともパソコンのメールでしょうか」
「ああ、スマホって言っておられました」
「お持ちだったんですね。そう言うイメージはありませんでした」
「イメージ?」
そう呟いてから、なにか会話がおかしいなと気付いた。
「フロリメル様は王女様であられるので、同じ王族のシーマ様とは親しいのですよね?」
「いいえ、神殿には式典以外は行ったことがありません」
「そうでしたか……あの、写真送っても良いですか?」
もう止められない状況なので聞いた。
「送って下さいますか」
「はい」
義務になってしまった。
シーマ様へのメールは、普通に送信された。
次にアリアナに送ってから、まだフロリメル様に注目されているのでどうしようかと思った。
「ロック様には?」
「あ、送りますよ」
文章を少し変え、メールを送った。
「返信は、すぐには来ませんよね?」
だんだんと興味津々になってきたフロリメル様に、どう対応していいか分からない。
アリアナがすぐ来てくれるかと思ったけれど、来ない。
ユールレムの方々も、今なら対応したいのに来ない。帰ってしまった。
ずっと立ちっぱなしも何なので、返信を見たいらしいフロリメル様と一緒に、大学敷地内にあるオシャレなカフェに行ってみた。
その道中、返信が来た。シーマ様から凄い偶然だね、というのと、ロック様からどういうこと? という。
偶然というかあなた方が入れた学校ですよと思ったものの、そうは返信出来ない。ロック様の方にはもう一度、同じ授業を受ける同級生ですと返信した。
シーマ様にどう返信しようか悩み、もう返すの止めようかと思いいたった頃、カフェで僕の正面の席に座ったフロリメル様が返信を見たそうにしていたので、スマホを渡した。
なんの変哲もない返信だから、すぐ返してくれると思ったのだが。
「シーマ様への返信は?」
「いやもう、それで終わりで」
「勿体ないですよ。もうちょっとやり取りしましょう?」
「えっ? いやべつに、勿体なくはないです」
それよりも、お二方の仕事の邪魔になるのは嫌だ。
「しましょう。私が打ちます」
「は」
意味が分からない。
ただ眺めるだけの僕の前でメールが打たれて、送信された。何を打ったのか見せてもらうと、きっと運命が私たちを出会わせたんです、とあった。
「何ですか、これは! あ、ええと、削除……は無理だ!」
もう送られているので、宇宙に点在するメール中継基地を光速以上の早さで破壊しにいかないと、データは消えてくれない。
「冗談ですわ。すぐそう返しますね」
「はあ……頼みました」
せっかく頼んだカフェオレが、まったく美味しく思えなくなった。
それにしてもどうしてフロリメル様はこんな嘘を…………と思いながらメールを打つ彼女をじっと観察していても、なかなか終わらない。
しばらく黙って様子を見ていたのだが、なにかとんでもない事になっていそうだと気付いてすぐにスマホを取り戻した。
多くのメールのやり取りを確認すると、こんな具合だった。
ロック様「同級生といっても色々とレベルがある」
フロリメル様「偶然に隣の席になり、思わず声をかけてしまったほどの相手です」
シーマ様「運命とは素晴らしい。将来、ノア君が私の家族になってくれるのを心待ちにしているよ」
フロリメル様「お任せ下さい。私は一生、フロリメル様を大事にしてみせます」
ロック様「まさかノアがそんな積極的な男だったとは! いや、さすがにカルラの息子だ。すぐ結婚か?」
フロリメル様「すでに新居をどこにするか、話し合っているところです」
シーマ様「結婚式はどこでするのかい? バンハムーバでも……いや、神殿に招待するので私が式を手配しよう」
フロリメル様「心から感謝しております。その時になれば、必ずバンハムーバでの式も執り行います」
ロック様「新居か……なんなら紹介しようか? 豪邸でも半額ぐらいにしてもらえると思うぜ」
フロリメル様「是非、よろしくお願いいたします!」
いまここ。
「…………? フロリメル様?」
「あらごめんなさい。打ち間違えました」
「うち、うち、打ち間違える訳ないですよね?」
「でも、ノア様が龍神様とメールするなんて冗談仰るんですもの。思わず遊んでしまいましたわ。それで、この方々は、どこのご友人の方ですか?」
「じょう……だん……」
頭が真っ白になった僕の手の中のスマホに、メールが届いた音がした。
見ると、ロック様からバンハムーバ国営放送の中継を見てくれ、とあった。
僕はスマホで、バンハムーバ国民放送のチャンネルに合わせた。
ちょうど中継が始まった。
シーマ様がロック様の仕事を手伝いに、クリスタに渡ってきている。二人揃って民衆の前で中央神殿入り口に立ち、両者共にスマホを手にして笑顔を見せている。
「ノア! 結婚おめでとう! 豪邸探しておくからな!」
ロック様が高性能マイクで拾える声で、叫んで手を振ってくれた。
僕と一緒にスマホ画面を見ていたフロリメル様と共に、数分間は凍り付いた。
正気に戻り、できる限りのスピードで打ってメールジャックされたことを知らせてみた。
二人はメールチェックする暇が無いようで、そのまま仕事に出かけていってしまったようだ。
罪のない嘘をせめてアッシュ父さんに伝えないでくれと、ブルブル震えながら必死になって祈った。
2・
過ぎてしまえば笑い話だが、本気で死ぬ思いをした。
寮に戻ってから、シーマ様とロック様から嘘だって分かってたとメールをもらえた時は本気で泣いた。
顛末を知った父さんのみならずアリアナまで大爆笑し、スタインウェイさんまで普通に笑うぐらいの状況。
僕はここで、フロリメル様が周囲を巻き込む超強力なドジっ娘だと知った。遅すぎる理解だが。
「まさか、ノアが女の色香で冷静さを欠くとはな! やっぱり修行するか?」
「何のですか! それにもうフロリメル様には隙を見せませんので、大丈夫です!」
父さんが嬉しそうに小突いてくるので、押し返しながら叫び返した。
「兄さん、冷静さは何でも分かってる風なポドールイ人でも必要よ?」
「アリアナまで……うん、分かってる」
正直、自分も自分にガッカリだ。
僕は拗ねて、早いこと寝室に引っ込んだ。
そして散々だったと思いつつ制服を脱ごうとして、はたと気付いた。
フロリメル様は、不注意の上での不運を起こす能力を持っているようだ。
人に、本格的な危害を加える類いのものでないと思える。
しかしほんの少しの不運も、気付かずに放置したらとんでもない結果になった。
僕はその始まりを思い出した。ユールレムの方々に接触を持たれようとして、追い払った形だ。一週間前も、今日も!
「まずい」
何が起こるか分からないまま、僕は走って部屋を飛び出し外へと向かった。
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