晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]

ラララキヲ

文字の大きさ
4 / 12

4>>お叱り





 国に帰ってきた国王は怒り、王妃はショックを受けて倒れた。

 国王は直ぐにリネットを保護する為に騎士隊を動かし、騒動の元となった第一王子とその側近、そして騒動の中心人物となるフリーネを呼び出した。

「いつお前に人を裁く権限を持たせた」

「…………」

「私には国王として発言力がある。
 しかしその息子に同じ権力があるとは知らなかった。
 いつからだ?
 いつから“ただの息子”に人を裁く権限が与えられた?」

 国王の静かな怒りに王子は何も言えなかった。
 王座の前に跪き、項垂れるように頭を下げた王子とその一歩後ろで同じようにひざまずかされていた第一王子の側近たち3名とフリーネも、全員が微動だに出来ずに床を見つめていた。

「お前の婚約者であるリネット嬢は依然行方知れずだ。
 隣国で着ていた服や宝飾品を売った事までは分かっている。冒険者ギルドにそれらしい年若い女性が同じ頃に登録した事も分かってはいるが、それがリネット嬢かまでは分かっていない」

「リネットが冒険者に?」

「……まだ本人かまでは確認が取れていない。しかし国から出され身分を示す物が何もない者が冒険者登録する事は珍しいことではない」

「こ、公爵令嬢が冒険者など出来る訳がない……っ!」

「……出来る出来ないの話ではない。
 何もかもがなくなった者が“生きる為”に冒険者になるしかなかったのならばおかしなことではないだろう」

「っ、…………」
 
 国王の目ははっきりと『お前のせいでな』と言っていて、ギルベルトは何も言えなくなった。

「は、発言をお許し下さい!!」

 空気を読まずにフリーネが声を上げた。国王は息子を見ていた目をフリーネに向け、ため息と共に「許可する」と告げた。

「あ、義姉あねは昔からわたくしにツラく当たって……遂にわたくしを殺そうとしました! ギル様はそんなわたくしの身を案じて行動を起こして下さったのです! 義妹を……人を殺そうとした人です! そんな人が危険に晒されたとしても、それは自業自得……仕方の無い事だと思います! 
 罪を犯した人が悪いのです!
 それなのに、そのせいでギル様が責められるのはおかしいと思います!」

 フリーネは震えながらも国王に反論した。あんな義姉のせいでギルベルトが責められるなんて我慢できなかった。
 フリーネはチラリとギルベルトを見た。ギルベルトが自分を称賛する目で見てくれていると思ったからだ。でもギルベルトはフリーネを横目にも見てはいなかった。ギルベルトだけじゃない。フリーネの横にいる側近たちの誰一人としてフリーネを見てはいなかった。その事にフリーネは違和感を感じる。だけどそれが何なのかまでは分からない。




あなたにおすすめの小説

妹のことが好き過ぎて婚約破棄をしたいそうですが、後悔しても知りませんよ?

カミツドリ
ファンタジー
侯爵令嬢のフリージアは婚約者である第四王子殿下のボルドーに、彼女の妹のことが好きになったという理由で婚約破棄をされてしまう。 フリージアは逆らうことが出来ずに受け入れる以外に、選択肢はなかった。ただし最後に、「後悔しないでくださいね?」という言葉だけを残して去って行く……。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

そんなの知らない。自分で考えれば?

ファンタジー
逆ハーレムエンドの先は? ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。

真実の愛のおつりたち

毒島醜女
ファンタジー
ある公国。 不幸な身の上の平民女に恋をした公子は彼女を虐げた公爵令嬢を婚約破棄する。 その騒動は大きな波を起こし、大勢の人間を巻き込んでいった。 真実の愛に踊らされるのは当人だけではない。 そんな群像劇。

その婚約破棄、卒業式では受け付けておりません

ファンタジー
卒業パーティの最中、第一王子アデルは突如として婚約者クラリッサに婚約破棄を宣言する。 いわゆる『公開断罪』のはずだった。 しかし、周囲は談笑を続け、誰一人としてその茶番に付き合おうとしない。 困惑する王子と令嬢たちの前に立ったのは……。 ※複数のサイトに投稿しています。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<あなた方を相手にするだけ、時間の無駄です> 【私に濡れ衣を着せるなんて、皆さん本当に暇人ですね】 今日も私は許婚に身に覚えの無い嫌がらせを彼の幼馴染に働いたと言われて叱責される。そして彼の腕の中には怯えたふりをする彼女の姿。しかも2人を取り巻く人々までもがこぞって私を悪者よばわりしてくる有様。私がいつどこで嫌がらせを?あなた方が思う程、私暇人ではありませんけど?