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4>>お叱り
国に帰ってきた国王は怒り、王妃はショックを受けて倒れた。
国王は直ぐにリネットを保護する為に騎士隊を動かし、騒動の元となった第一王子とその側近、そして騒動の中心人物となるフリーネを呼び出した。
「いつお前に人を裁く権限を持たせた」
「…………」
「私には国王として発言力がある。
しかしその息子に同じ権力があるとは知らなかった。
いつからだ?
いつから“ただの息子”に人を裁く権限が与えられた?」
国王の静かな怒りに王子は何も言えなかった。
王座の前に跪き、項垂れるように頭を下げた王子とその一歩後ろで同じように跪かされていた第一王子の側近たち3名とフリーネも、全員が微動だに出来ずに床を見つめていた。
「お前の婚約者であるリネット嬢は依然行方知れずだ。
隣国で着ていた服や宝飾品を売った事までは分かっている。冒険者ギルドにそれらしい年若い女性が同じ頃に登録した事も分かってはいるが、それがリネット嬢かまでは分かっていない」
「リネットが冒険者に?」
「……まだ本人かまでは確認が取れていない。しかし国から出され身分を示す物が何もない者が冒険者登録する事は珍しいことではない」
「こ、公爵令嬢が冒険者など出来る訳がない……っ!」
「……出来る出来ないの話ではない。
何もかもがなくなった者が“生きる為”に冒険者になるしかなかったのならばおかしなことではないだろう」
「っ、…………」
国王の目ははっきりと『お前のせいでな』と言っていて、ギルベルトは何も言えなくなった。
「は、発言をお許し下さい!!」
空気を読まずにフリーネが声を上げた。国王は息子を見ていた目をフリーネに向け、ため息と共に「許可する」と告げた。
「あ、義姉は昔からわたくしにツラく当たって……遂にわたくしを殺そうとしました! ギル様はそんなわたくしの身を案じて行動を起こして下さったのです! 義妹を……人を殺そうとした人です! そんな人が危険に晒されたとしても、それは自業自得……仕方の無い事だと思います!
罪を犯した人が悪いのです!
それなのに、そのせいでギル様が責められるのはおかしいと思います!」
フリーネは震えながらも国王に反論した。あんな義姉のせいでギルベルトが責められるなんて我慢できなかった。
フリーネはチラリとギルベルトを見た。ギルベルトが自分を称賛する目で見てくれていると思ったからだ。でもギルベルトはフリーネを横目にも見てはいなかった。ギルベルトだけじゃない。フリーネの横にいる側近たちの誰一人としてフリーネを見てはいなかった。その事にフリーネは違和感を感じる。だけどそれが何なのかまでは分からない。
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