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 ピロン♪

 嫌な気持ちを抱えたまま、数日が経っていた。
 またキララから通知が来る。
 確認して驚いた。

『今シオンといっしょ』

 そんなメッセージがキララから来ていた。
 確か詩諺しおんは今バイトのはず。
 今からバイトだ、ダルい~って言ってた詩諺しおんを見送った。
 だったらキララの嘘だ。

 そう思った私を嘲笑うかのようにキララから動画が送られてきた。

 サムネイルに映っている詩諺しおんのスマホ画面。
 そこには今日の日付けと今より少し前の時間が映っていた。

「っ!?」

 私は息を呑んだ。
 今……詩諺しおんはキララと居る……?

 私は我慢ができずにその動画を再生した。


『今何時~?』
『自分のスマホ見りゃいいじゃん』
『今撮るの~、記念だから♪』
『何の記念だよ』
『うちとシオンの記念♪』
『お前、撮るの好きだな~』
『大好き♡ ヤッてるシオン撮るのが一番スキ♡』
『ウハッ、変態♪』
『シオンだって好きな癖に~!』
『うるせ~、お前に言われたくねー。いーからヤんぞ』
『キャー♡ たくさんしてして♡』


 気持ち悪い。

 そんな感想しかなかった。

 自分が半眼になってるのが分かる。
 私はもう、一度観たら全部一緒だと思って、前に送られてきていた動画も観た。

 自分の彼氏が一生懸命サカっている姿が映っていた。
 キララ本人が動画を撮ってる所為でキララの顔は一度も画面に映らなかった。
 だけど彼女の豊満な胸やお尻が時々画面に映り込む。
 モザイクなんか当然無い無修正動画を観せられて私の気分は最低最悪になっていた。

 知らない詩諺しおんの喘ぎ声。
 知らない女相手に上げてると思うと純粋に気持ち悪さしかない。
 初めて見る彼氏の雄の部分。
 へ~……こんなになってるんだ~……しか思わなかった。

 寝取られた彼女としてはもっと嫉妬に駆られて泣き喚いた方がいいんだろうけど、なんかこんな生々しいもの見せられるともう純粋に気持ちが冷める。
 私の彼氏を返してよ!!
 なんて、埃ほどにも思わないのよね……

 ただ気持ちが冷めに冷めて。
 むしろ『こいつらどうしてやろうかな』ってことしか思わなかった。




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