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──7──そして
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その日は突然訪れた。
何の予兆も無い。
みんな普段通り生活していた。
空は晴れていた。
気持ちの良い日差しだった。
いつもと変わらぬ日々を過ごす者。予定を立てて動く者。祝いの日に浮かれる者。家族が亡くなり悲しむ者。不祥事に怒る者。ただ怠慢に過ごす者。愛する人と愛し合う者。
何も変わらない日常が過ぎ去るはずだった。
しかし一部の者は異変に気付いた。
聖女付きのメイドたちは違和感に首を傾げて聖女を見る。
聖女は今まで見せた事も無い笑みを口元に浮かべていた。
そして誰に言うともなしに呟いた。
「そうよね。やっぱりそうよね。
だと思ったのよね~。
こういうのって、大抵エネルギー量だもんね」
聞こえてきた聖女の独り言にメイドたちが集まってくる。
しかし聖女はそんなメイドたちを気にする事なく嬉しそうに手に拳を作って嬉しさに体を震わせていた。
「せ、聖女様……?」
メイドの一人が声を掛ける。
その声に初めてメイドたちの存在に気づいたかの様に聖女は振り返ると、全員の顔を見渡して申し訳なさそうな表情をした。
「ゴメンネみんな。
私、帰るから。
恨むなら私を召喚した奴を恨んでね!」
聖女の言葉に「え?」とメイドたちが零したと同時に、聖女は目を瞑った。
その途端に世界に溢れかえる光、光、光。
真っ白な世界に溶け込んだ人々は何が起こったのかも分からずに、消えた。
その日、ドリアルダ国に居た全ての人が消息不明となり、国が滅んだ。
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その日は突然訪れた。
何の予兆も無い。
みんな普段通り生活していた。
空は晴れていた。
気持ちの良い日差しだった。
いつもと変わらぬ日々を過ごす者。予定を立てて動く者。祝いの日に浮かれる者。家族が亡くなり悲しむ者。不祥事に怒る者。ただ怠慢に過ごす者。愛する人と愛し合う者。
何も変わらない日常が過ぎ去るはずだった。
しかし一部の者は異変に気付いた。
聖女付きのメイドたちは違和感に首を傾げて聖女を見る。
聖女は今まで見せた事も無い笑みを口元に浮かべていた。
そして誰に言うともなしに呟いた。
「そうよね。やっぱりそうよね。
だと思ったのよね~。
こういうのって、大抵エネルギー量だもんね」
聞こえてきた聖女の独り言にメイドたちが集まってくる。
しかし聖女はそんなメイドたちを気にする事なく嬉しそうに手に拳を作って嬉しさに体を震わせていた。
「せ、聖女様……?」
メイドの一人が声を掛ける。
その声に初めてメイドたちの存在に気づいたかの様に聖女は振り返ると、全員の顔を見渡して申し訳なさそうな表情をした。
「ゴメンネみんな。
私、帰るから。
恨むなら私を召喚した奴を恨んでね!」
聖女の言葉に「え?」とメイドたちが零したと同時に、聖女は目を瞑った。
その途端に世界に溢れかえる光、光、光。
真っ白な世界に溶け込んだ人々は何が起こったのかも分からずに、消えた。
その日、ドリアルダ国に居た全ての人が消息不明となり、国が滅んだ。
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