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6>>姉の婚約者に甘える妹
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カリンナは自分が悲しげな顔をした程度の事でマリリンが喜んでいる事に満足していたが、そこに巻き込まれたロッシュの気持ちはとんでもなかった。
──婚約者に会いに来たらその妹に何故か懐かれた上に、その所為で大切にしなければいけない婚約者に悲しい顔をさせてしまっている!? 僕の所為か?!──
ロッシュは困った。
「……っ! マリリン様、僕は君のお姉様の婚約者なんだ。親しくしてくれるのは有り難いが、距離感は考えてくれないかっ」
「……まぁ、ロッシュお兄様ったら、……そんな悲しい事を言わないで……
わたくしは貴方の妹になるのですよ?
優しくして欲しいですわ……」
悲しく、甘える様に瞳を潤ませてロッシュを上目遣いに見るマリリンにロッシュはただただ困った。
助けを求める様にカリンナを見ると、カリンナは悲しげに妹をジッと見ている。
……悲しげに見ているが……、観察している様にも見えるな……とロッシュが思った時、カリンナが動いた。
ススッとロッシュの隣に移動して、ロッシュの服の裾を少しだけ摘んだカリンナが、悲しげな顔でマリリンを見る。
……瞳は、潤ませようとして出来なかったのかな? と何故かロッシュは思ってしまった。
「……マリリン」
カリンナが悲しげな声で妹の名前を呼ぶ。
「……お姉様……」
マリリンも負けじと姉に何かを訴える様な瞳で見返して言葉が漏れたかの様に呟いた。
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カリンナは自分が悲しげな顔をした程度の事でマリリンが喜んでいる事に満足していたが、そこに巻き込まれたロッシュの気持ちはとんでもなかった。
──婚約者に会いに来たらその妹に何故か懐かれた上に、その所為で大切にしなければいけない婚約者に悲しい顔をさせてしまっている!? 僕の所為か?!──
ロッシュは困った。
「……っ! マリリン様、僕は君のお姉様の婚約者なんだ。親しくしてくれるのは有り難いが、距離感は考えてくれないかっ」
「……まぁ、ロッシュお兄様ったら、……そんな悲しい事を言わないで……
わたくしは貴方の妹になるのですよ?
優しくして欲しいですわ……」
悲しく、甘える様に瞳を潤ませてロッシュを上目遣いに見るマリリンにロッシュはただただ困った。
助けを求める様にカリンナを見ると、カリンナは悲しげに妹をジッと見ている。
……悲しげに見ているが……、観察している様にも見えるな……とロッシュが思った時、カリンナが動いた。
ススッとロッシュの隣に移動して、ロッシュの服の裾を少しだけ摘んだカリンナが、悲しげな顔でマリリンを見る。
……瞳は、潤ませようとして出来なかったのかな? と何故かロッシュは思ってしまった。
「……マリリン」
カリンナが悲しげな声で妹の名前を呼ぶ。
「……お姉様……」
マリリンも負けじと姉に何かを訴える様な瞳で見返して言葉が漏れたかの様に呟いた。
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