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しおりを挟む悪魔……彼はとても美しい青年でした。
黒と赤と金を纏った天使のような美しい彼にみんなが見惚れました。
美しい彼のやわらかな美声にみんなが虜になりました。
そんな彼が言うのです。
「願いをどうぞ、御主人様」
恭しく頭を下げる彼に、一瞬悪魔だということを忘れさせられそうでした。彼の纏う色が白であれば、きっと彼を天の使いだと思うでしょう。
それほどまでに優しい笑みを、彼は浮かべていました。
彼の顔に見惚れた妹が夢見るように言いました。
「お姉さまの全てが欲しいの!」
それを聞いて両親は嬉しそうに微笑んでいます。
わたくしはそんな両親たちの見える位置に立たされて、全ての成り行きを見せられていました。
疾うに両親への期待は消え失せています。
この人たちがわたくしを“心無いもの”として扱ったとしてももう驚くこともありません。妹の別邸に無理やり連れてこられた時点で何となく察していました。きっとわたくしにとっては良くないことが始まるのだと。
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そんな風に思います。
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