MAXコーヒーから始まる糖度MAXなこじらせ魔法使い達

琉水 魅希

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第1章 MAXコーヒーが繋いだ奇跡

第16話 参拝時は住所と名前と感謝を述べるようです。

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 本殿までの列は長い。
 友人、恋人、夫婦、家族…色々な人が並んでいる。
 どうみてもヲタな人も見かける。
 人の多さに反して大きなトラブルも見当たらないし、一時期に比べたら人数が多いだけで普通の参拝だと思う。


 ふっと横を見る。
 ちょこっと視線を下に落とし、小動物のように袖を持つ友紀さんが可愛い。
 なにこれ、本当に1年分の運とかが今日に集中してない?
 もしかしたら来年の分も?
 俺、来年死ぬの?魔法使いのまま死ぬの?

 友達になれたのが嬉しかったのかな。
 でもそれにしては顔赤いけど…寒いのかな?

 俺もこの歳になって異性の友達は嬉しい。
 会社と家の往復がほとんどなので友人知人は増えない。
 
 実際コスを一緒にした仲間くらいしか仕事以外の付き合いがある人いない。
 
 2~3歩進んで一旦停止を繰り返す事30分。

 並び始めてからはほとんど会話出来ていない。
 

 トイレ我慢してる……じゃないよな。←バカ
 やっぱりおばちゃんの言葉で照れてるってのが濃厚だけど……

 引きずり過ぎやしませんかね。
 あ、いけね。思い出したら俺まで意識し始めちゃった。あ、これ照れ臭いは。
 やっぱそう見えたんだろうか。

 おばちゃんも伊達に年齢重ねてないよな、色々な人を見てきてるだろうし。
 ただの友達とそうでないのとでは違うのを見分けらるのだろうか。

 確かにドンキーの頃からたまに赤くなったりしてるのを見てはいるけども。
 それで自分に気があるのではと考えるのは危険だ。
 もちろん友紀さんが、そんな気もないのに勝手に勘違いしないで、気持ち悪いとか言ってくる可能性もゼロではない。
 いやいや、例え気がなくてもこれまでの対応から、そういう言い方はしないだろう。
 
 童貞センサーが反応して……いない…だと?
 注:童貞センサーは悪女の騙しとかよいしょとか美人局的な事とかに過敏に反応する。
   童貞ヲタという種族が身に着けた最終防衛障壁なのだ。
 
 だよな。少なくとも良い子だ、それは間違いない。

 だとするとこの沈黙は何?どきどきなんですけど。もしかしたら俺も真っ赤なのか?
 うるさいっ心臓の鼓動よ止まれ…って心臓止まったらじきに死ぬわ。

 「……っ……さん、真人さん。もう少しで私達の番ですよ。」

 はっ
 そして時は動き出す。
 友紀さんに呼ばれて焦点を合わせると、確かにあと3グループくらいしか前にいなかった。

 ん?
 何か違和感が…
 あ……
 呼び方!
 「わんもあぷりーず。」

 「へ?」
 驚いた表情で聞き返された。

 「あぁあ、あの呼び方……本名の方だったので。」

 「ああああ、ごご、ごめんなさい。つい…」

 「あ、いえそうではなくて、家族以外に下の名前で呼ばれたの随分久しぶりだったんで。」

 ちょっと涙が出ちゃう。

 「なんか…良いなって思って。」

 「そ、それじゃぁ私の方も本名でお願いします。」

 「えぇぇ?そんな恐れ多い。」
 手を振って反対アピールをしたが。
 
 「ぶー、平等じゃないです。そういう事言う人嫌いです、パート2」

 「あ、ハイ。友紀さんと呼ばせていただきます。呼びます。」

 「よろしい。」

 どうやら友紀さんは再起動完了したらしい。
 なんて会話をしていたら自分達の番が回ってきた。
 
 財布から555円(500円玉、50円玉、5円玉)を取り出し賽銭箱に投入する。
 なぜ555円なのかは某仮面なライダーさんの影響です。
 5円は御縁がありますように等の意味を孕んでいるそうだけど。

 そして2礼2拍手1礼する。
 同じタイミングで友紀さんも行っていた。息ピッタリジャン。

 ……………

 それから拝礼所でおみくじを買い引いてみる。

 友紀さんは何吉?

 ………へんじがないただのしかばねのようだ。

 さっきから友紀さんがふくれっ面だ。

 理由はわかってる。

 何をお願いしたか教えなかったからだ。

 恥ずかしくて言えるか!!

 と言えれば良いんだけど。

 参拝における一人当たりの時間て短い。
 
 限られた時間で何かを言うのって間違いだ。

 参拝時はこれまでの俺を言うのが良いとされている。

 故に今年一年の感謝を述べた。

 正確には住所と名前と感謝を告げた。

 欲張って、新年は旧年よりも充実し満ち足りた1年でありますようお願いします。

 なんてつけ添えたなんて言えない。

 抑々アバウトだし、聞き取りようによっては友達以上の関係になりたいとも受け取れる。

 恥ずかしくて具体的になんて言えるかっ!!童貞舐めんな神様。

 さらに欲張ってもう一つお願い…というか意見を問いかけた、神様に。

 それは今は言えない。


 「教えるんで許してください。」

 根負けした。

 五木さんの事言えない、男は女に弱いのだ。

 「住所と名前と、神様に感謝の言葉を伝えたんですよ。」

 するとふくれっ面を見せていた友紀さんは驚き…

 「私も……です。」

 なんだよもう息ぴったりじゃんパート2

 「素敵な出会いをありがとうございますって。」

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