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本編
ゆっくり赤ちゃんを待ちます
しおりを挟む【番組撮影時】
コクリコお母さんと、妊婦さんについて勉強しよう!
交流室でお勉強をする前から、コクリコお母さんも疲れちゃうので、少しずつチームも集まって一緒に過ごしてみてきた。
今日は皆が集まったから、竜樹やラフィネ母さんがまとめつつ、負担をかけないように、一緒にゆったり過ごす。
時が来なければ、赤ちゃんは産まれない。焦らず、無理なく、妊婦さんて、を知ることができればな、との試みである。
ステュー隊長とルムトン副隊長が、交流室で机を畳みつつ、いやいや、ほぅ~、と感嘆しきり。
「俺たちも大人だから、全く女の子と男の子の違いについて、知らなかった訳じゃないけど。ああやって、はっきり映像や知識になって教えてもらうと、あぁ、本当に違うんだなぁ、って、思うよね。」
「うんうん。違うから、相手を尊重して、自分も大事にしてもらって、お互いに助け合ってやっていきたいな、って思うよね。」
「俺たちは男だから、男の子が大人になる変化を、健康的な事だよ、ってはっきり言ってもらったのは、とても良かったと思うね。悩む子、いるよ。それでなくても、大きいの小さいの、色がどうの、毛が生えたかどうかだのさー。」
「ちゃかしちゃうスケベな奴もいるけどね~!!個人差あるよね。そしてそれが気になるよね。ヒゲ生えるとか、脇毛生えるとかもさー。ステューはいつ、脇毛生えた?」
「ええっ!?いつだっけな。もう全然忘れちゃったよ。俺、薄いんだよなぁ。」
「ルムトンも、あんまり濃くないよ。そして、番組で脱ぐ事あるかなー、なんて思って、剃ってます。」
「あー、ルムトン割と美容男子だからな。」
ここで竜樹が、興味深い事話してるなぁ、と会話に加わって。
「そういえばさ、相撲取りっていう、俺のいた世界のレスラーは、皆、脇毛がないの!激しい稽古で擦り切れちゃうんだって。騎士の人とかも脇毛があるイメージないけど、同じ事かな。」
「「ああ~!!確かに脇毛のイメージない!!」」
んん?と、問いたい気持ちで護衛の王弟マルサに目を遣れば、マルサは、なんだ?って顔ですらっと立っている。姿勢が良いのも、騎士業の人はかっこいいのである。
「マルサは脇毛、ないよね。」
竜樹はマルサの上半身裸を見た事あるのだ。
「うん。ないね。騎士は身だしなみで、剃る事になってるから。」
「「「えええ!!!」」」
衝撃の事実である。
「訓練で上を脱ぐ事もあるし、蒸れるし、匂い対策もあるからな。脇毛、めんどくさいんだよなぁ。いちいち剃るの。キレイにすると、サッパリするけどさ。」
脇がツルッとしている方が、確かに洗った時には綺麗になりそうである。
ニリヤを筆頭に、子供達がトコトコっとやってきた。
「なんのおはなし~?」
「脇毛のお話だよ~!」
ルムトン副隊長が、ニコニコ応える。チーム女子の一部が、あら、って顔をしている。うん、女子も脇毛を剃りますもんね。
「わきげ~!?ぼく、ない•••。」
ニリヤが、わきをぽふぽふ撫でて、何故かしょんぼりする。
「こどもは、ないねー。」
ステュー隊長が、うんうんとお返事。
「安心してヨォ、ニリヤ殿下。大っきくなったら、生えてくるよ。今、脇毛を剃る話してたの。匂いの対策もあるよね、って。竜樹様は、脇毛生えてるの?」
ルムトンに聞かれて、タハッとした竜樹は、やっぱり脇を何となく触りながら。
「薄いけどちょろろ、って生えてます。何だな、身だしなみ的に、こちらの世界では剃る感じなのかな。俺、お風呂のお世話とかは、最初に断ってからいつも子供達と一緒くらいで、自分でやってるから、普通がどうか、分からないんだよね。」
「普段男子同士で、お風呂一緒しないから、俺たちも分からないなぁ~!!人によるとしか。」
「だよね~!」
「そういや、エルフは、生えてなかったな!」
プールをお風呂にした、大浴場でのあれこれを思い出し、ハッとする。
エルフのロテュス王子が、んん?って顔で竜樹の側に嬉しそうに寄ってくる。マントをにぎっ、と掴んで、擦り、と近くに。
「脇毛ですか?エルフ、毛に関しては身だしなみの文化があって、脇は魔法で、生えなくしちゃうんですよね。元々薄いですけど、ヒゲも生えないですし。すね毛腕毛も、産毛くらいしかほとんど生えません。」
ツルッとしてるのである。
「「「ヘェ~!!!」」」
確かに剛毛のエルフって、見た事ないな。モサァ。
「何か、こういう話もいいね。男の子の部屋、って感じで、匂いの事とかも、ざっくばらんに話せたら、ちょっと観てる人も一緒になって、ふむふむ、そうだよね、いやぁ~?なんて、参考になりそうじゃん。」
竜樹が言えば、チーム王子やチームジェム達が、男の子の部屋~!とワイワイし出した。
「勿論、女の子の部屋もね。ロテュス王子は、どっちに参加したい?男子の部屋?女子の部屋?それとも、中立のお部屋つくる?」
「竜樹様のいる方に行きたいです!」
ウフフ!ギュッ!と、変わらず一途なエルフである。
「エルフに脱毛の魔法があるなら、かけてほしいゼェ~!」
マルサが、本当に面倒くさいんです、って顔で、ロテュス王子を掴んで揺らした。ね~ね~、ダメェ?のおねだりである。アハハと竜樹とロテュス王子が笑って。
「そのうち、エルフの脱毛サロンとかできるかもしれないね。」
「おお!お仕事になるかもですね!でも騎士の方なんか、身体動かしたり戦う方は、足や腕毛は無くさない方が良いですよ。敏感な感覚器ですからね、毛って。殺気を感じたりすると、逆立って分かったりしますし。」
毛に詳しいエルフ。うーむ。
「ぼく、おとなになったら、けだらけになる!」
ムフ、とニリヤの野望である。
「毛だらけになるの?貫禄あるねぇ。」
「私はおじいちゃんになったら、おひげをはやしたいかも!」
アルディ王子が、えへ、と尻尾をゆらゆらしながら。
コクリコが、大きなお腹を苦しそうに抑えて、くくく、く、と笑っているのだった。
「きょうは、コクリコおかあさん、なにするの?」
「そうですねぇ~。何しようかなあ。オムツあるけど、もう少し縫っておこうかなぁ。」
ぼくもぬう!私も!となって、皆で一枚ずつ縫う事になった。量が沢山できたら、他の教会にも回せるし。
端を指一本ずつずらして縫い、長く出た方の布端で包んで、もう一度縫い付ける。肌に布端が当たらないようにするやり方を、竜樹とラフィネ母さんに教わりながら。
布を計って、ちょきちょき切る。布を裁つ鋏は、布しか切っちゃダメなんだよ、良く切れなくなっちゃうんだ。なんて話をしながら、手を添えてやるけど、自分でやりたいやりたいの子供達は、それを煩わしがる。見てやりながら。
糸を針に通す。きゃわきゃわと大騒ぎだ。
縫い、縫い。
「お手てを縫わないように気をつけてね。男子も、縫い物をできるようにしておくと、ちょっとした解れや、ボタンの取れたのなんかを直せていいよねー。」
スイスイ、と運針の確かな竜樹は、見本を縫って見せ、教える。時々、手を止めて、ニリヤ、ジェム、ファング王太子のお手てをとって、こう布を持って、こうよ、と刺してやり、ぐるぐる回って教えて。
女子は、リーヴちゃんが、お父さんしかいない家庭であったから、やるのは初めてであったけれど、貴族のマテリアちゃんは刺繍を習っているし、元王女シエルとエクレもそう。クーランちゃんは、花街の見習い時代に縫い物をやっていたそうだ。
そして堂々器用のエフォールは、色の糸を使って、少し肌に当たらない所をステッチし、可愛くしている。流石、父親のジャンドル、こと高級ぬいぐるみ作家のエルドラドの血を思わせる。
アミューズ、ピティエ、プレイヤードの視覚障がいの3人は、糸に針を通してもらって、真っ直ぐに縫う、を、何とか手探りでやってみている。
チームエルフは、皆、器用。
竜樹が、ゆっくりと様々な雑談をしながら、目を配る。
コクリコは、根を詰めないように、ひと針、ひと針、刺していく。ふー、と時折息を吐いて、お腹が重たそうである。
「ねえ竜樹。さっき勉強した、おとこのこのからだ、の事だけどさ。」
オランネージュが、長く取りすぎて、こんがらがった糸をラフィネに解いてもらいながら、小さな側机に頬杖をつく。
「精子の数が少ない人も、普通だと妊娠しないのでしょう?それって、ルディも、もしかしたら、精子の数は少ないけど、あるかもしんないよね?」
チームニリヤの護衛のルディ。テレビ番組編集のメルラの夫である。ある時の討伐で、獣の毒にやられて、高熱を出して。その毒に男性がやられると、ほとんどの者が、不妊になると言われ、それからメルラと仲良く夫婦2人で暮らしてきた。
チームニリヤの護衛と編集になり、夫婦で、子供であるニリヤや王子達に、お手伝いが出来て、嬉しく穏やかに生活をしている。
オランネージュもその経緯を知っていた。
「選んで卵と合わせて、お腹に戻せば妊娠するのでしょ。ルディは、子供•••。」
ルディは、オランネージュを、穏やかな優しい顔で見つめている。
竜樹は、期待を持たせて落とす事はしたくなかったから、慎重に応えて。
「オランネージュ。俺、それ、ルディに相談してみてるんだよ。メルラさんが排卵できたとして、そしてルディから精子がとれたとして。メルラさんは42歳、だったかな、妊娠する確率は、低め塩梅だと思う。こちらの世界と、俺のいた世界のやり方で、違いがあるから、絶対じゃないし、40代で妊娠してる人も結構、いるけれどもね。卵と精子が揃って、そうして、お腹は別の健康な女性にお願いして、産んでもらうーーーそんな事も出来たりするかも。でもね、無理強いはできないからさ。検査して、卵と精子を出会わせて、赤ちゃんのもとを、すごーく低い温度で凍結して、とっておいて。どうかな、ルディ、メルラ、将来の可能性を調べてみませんか?ってね。」
ルディは、オランネージュ、その小さなお胸に、気にかけてもらってたんだな、と微笑みを浮かべる。
「オランネージュ殿下。お気にかけていただき、有り難く存じます。メルラと相談して、やってみようか?って話になっている所なのですよ。私はメルラの子じゃなければ、いや。メルラは私の子じゃなければ、って言うし。どちらか片方の理由でダメそうなら、諦めよう、って話していて。」
「そうかあ。」
うん、うん、とオランネージュは納得する。
うん、うん、と竜樹も頷く。
「正直、テストケースになってもらえたら嬉しいけれど、調べてみての事だもんね。気持ちは複雑だろうし、絶対赤ちゃんが出来る、って言えない。調べるのにすら、抵抗感あるだろうよね。2人に、良いように、流されるように強引に、なんて事はなく、いつだって、やめたくなったらやめられる、そういう感じにやらせてね。」
はい、と静かに笑うルディに。ニリヤが、ぱっ、とガタガタに縫いかけのおしめを竜樹に渡して、たた、ギュッ!と抱きついた。
「ニリヤ殿下?」
「ルディ。がんばってね。あかちゃん、できたら、いっしょ、あそぼうね!」
ニコ!とルディは笑って、ニリヤの両肩に手を乗せる。
「はい。ニリヤ殿下。」
ギュ、ギュッとニリヤの肩を掴む。
「私に子供が出来たとしたら、男の子なら、ニリヤ殿下をお護りする者にも、育てられましょうか。女の子なら、メルラみたいに、テレビの編集をやっても良いですね!なぁんて、メルラと2人で、今まで出来なかった夢の話をしているんです。•••それが、結構、嬉しくて。もしダメだったら、ガッカリしてしまうだろうから、メルラも調子が良くなってるし、子供を養子に貰っても良いかな、なんて話もして。そんな気持ちになれた事。オランネージュ殿下、ネクター殿下、ニリヤ殿下の周りでお手伝いをさせていただいた事で、心の準備ができたのかな、って思っています。」
ありがとうございます、殿下方。それに、竜樹様。
ニリヤは、ニパッ!と笑ってルディを見上げた。
ネクターは、一生懸命におしめを縫っていたが、話に自分が出て、えへ、と笑う。
オランネージュも、ニコリとして、ルディの手をギュッと握った。
「お2人に、時がきた、って事ですかね。本当、こういうのって、それまで思ってもみなかったことが、時がね、やってきたら、パタパタ!って、ハマる。時間が必要だったのですよね。そんな事も、ありますよね。」
竜樹はニリヤの縫いかけのおしめを手に、感慨深く。
ふわぁ~う、とコクリコが欠伸をする。手で隠しながら。
「うあぁう。眠い。」
「妊娠さんて、眠くなんのか?」
ジェムが、不思議そうに聞く。既に、ザクザクと、それほど粗くもなく縫えたおしめが完成している。
コクリコが、むぐむぐ、とお口を動かして応える。
「あのね、さっきも身体スキャナで見たみたいに、おしっこを溜める膀胱が、押されて、頻尿、ちょくちょくトイレに行きたくなるの。それって寝ててもそうで、夜、時々起きちゃうのよ。だから眠くて•••ふわぁう。ごめんなさい、失礼。」
「サンとおひるね、する?」
サンが、チョコ、と顔を出す。
コクリコも、うん、と頷き、最後のひと針を縫い終えると、サンを撫でながら。
「サン君とお昼寝しようかしら?あぁ、赤ちゃん産んだら、思いっきり、うつ伏せで寝っ転がりたいわ!!」
「そうか、お腹がおっきいから、いつも仰向けなんだね?」
仰向けで、しかも赤ちゃん、重そうだ。
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