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1.久々に登校したら変な部活に入っていた
しおりを挟む――一週間ぶりの登校日。
秋風が涼しい夢月学園の校門前。
私、一宮こまりは、今激しく混乱していた。
「……は?」
掲示板に貼られた新しいお知らせを、三度見した。
いくら目をこすっても、文面は変わらない。
【生徒会より新校則のお知らせ】
・全生徒は、一週間以内に必ず部活動へ所属すること。
・無所属の場合は、生徒会が指定する部に強制配属する。
「……ちょっと待って。これ、いつ決まったの」
誰にともなく呟いた声が風に溶けていく。
まさか、たった一週間休んでいる間に校則が変わるなんて聞いてない。大体なんだ。この現代にそぐわない個人の自由を無視した校則は。時代が逆行している! 今すぐ出せ、生徒会を!
「おや、こまり君じゃないか」
背後から声をかけられる。
振り向くとそこには、変わり者兼幼馴染のクラスメイトの如月二千翔が笑顔で立っていた。
「体調は戻ったのかね?」
「うん、まあ」
「それは何よりだ」
他愛のない会話。でもそんなことよりも、私の頭の中はさっきの妙な校則で頭がいっぱいだった。
「あのさ」
「ん?」
「二千翔君はこれ、どういうことか分かる? 部活強制って……」
「ああこれか」
隣に並んで掲示を見上げる。
その時、彼が浮かべた笑顔がやけに嬉しそうで、私はなんとなく嫌な予感がした。
「先週から決まったんだよ。みんな慌てて部活に入ってね。入ってないのはこのクラスだと……僕と君だ」
「やっぱり!?」
やっぱりそうだった。
私が休んだのがちょうど一週間前、その時にはこんなお知らせは貼り出されてなかった。つまり、休んでいる間に発令されて、期限の一週間が過ぎている可能性は十分にあった。
「じゃあもしかして、この下の無所属の場合は強制所属させられるってのは」
「教室の机を見てみるといい。入部届が置いてある」
「おぅ、なんと……」
知らない間に知らない部活に強制入部。どうしよう、運動部だったら。この運動音痴の私が、残り一年半の青春を楽しく送れるとは到底思えない……。
私はトボトボと教室へと続く階段を上った。
「ま、そんなに悲しむものでもないと思うがね」
教室へ入ると、自分の机の上には白い書類が一枚置かれていた。
黒いインクでしっかりと記されている。
【入部届:第25文化部】
「第25……文化……部? なにそれ」
文化部って、そんなに数あったっけ。
美術、文芸、英語……全部で10個くらいしか、っていやいや、数の問題だけじゃないな。なんだよ、第25文化部って、なんなのその適当かつありえないネーミング。生徒会、やっぱ表出ろ。
「第25文化部って……何やるのかな?」
「さあね。よく分からないが、無所属のままの余った人を所属させるために、とりあえず作った部らしい」
「とりあえず作ったって……!」
「ははは、いいじゃないか。イレギュラー感があって。僕は好きだけど?」
「でしょうね」
こんなので喜ぶの、全校生徒探しても君だけだと思いますけどね。
でも、とりあえず部活には行ってみなくちゃいけないと思った。
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