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4.イレギュラーな存在
しおりを挟む「生徒会長」
神楽先輩の見つめる先、そこには――確かにいた。
寝癖の一つなく綺麗な黒髪ストレートに整った姿勢、無駄のない動作。間違いない。この学園の生徒会長、極月聖その人である。
しーん、と静まり返る部室。
誰も何も言わない。というか、言葉を失っている。
「……なんで?」
気づいたら、私が口走っていた。いや、他にも同じことをつぶやいた人が数名いた気がする。
「む。自己紹介、次は私の番だな」
そうだけど……! いや、そうじゃなくて!
当の本人はまるで何事もないように立ち上がる。
「極月聖、三年。生徒会長を務めている」
「……あの、多分全員知ってるよ?」
四季先輩が即ツッコミ。全員の心の声を代弁してくれた。
当の会長だけは、どうして場が混乱しているのか今ひとつ掴めないようで、顎に手を当て考えこんでいた。見かねた四季先輩が助け船を出す。
「えーっと……生徒会長がどうしてここにいるのかな?」
「全校生徒が何らかの部に所属するのが義務だろう? 私も例外ではない」
「それで自分も!?」
言われて、聖会長は小首をかしげる。
「生徒たちに新しいルールを浸透させるのに忙しくてな、私自身が入部を忘れていた」
「忘れるな」
つっこんだのは神楽先輩。
「しかしそういう生徒のために、第25文化部を作ったからな。ちゃんと機能したようで安心した」
「は、はは……そうだね」
四季先輩はひきつった笑みを浮かべた。
少しだけ騒がしくなる室内。
伍鳥羽先輩は「会長が参加してくださるなんて心強いですわ」とにこやかに拍手している。いや、あなた、どんな神経してるの。
この短時間で、すでにカオス。
というか、こんな面々が集まった部って、存在していいの?
「……なんか、嫌な予感しかしないんだけど」
思わず呟いた私の声は、誰にも届かなかった。
聖会長が腕時計を確認し、落ち着いた声で言う。
「では、引き続き自己紹介を進めよう」
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