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8.八話目にして部活の内容を検討する
しおりを挟む「では、改めて活動内容を決めよう」
凛とした透き通った声。
黒板の前に立つ聖会長が、チョークを手に取る。
ああ、テーマがテーマじゃなきゃ、今の光景かっこいいのに。
「何か希望や提案のある者はいるか?」
「では、わたくしから」
最初に手を挙げたのは伍鳥羽先輩。
上品にふわりと笑い、紅茶の入ったカップをかかげながらみんなに向かって微笑む。というか、どこから出した。
「みなさんでティータイムを楽しむ部活というのはいかがかしら?」
……ティータイム。それは単なるサボりでは?
でもこの方が言うと、それなりに説得力があるように見えるから不思議だ。
「せっかくこうして集まったんですもの、美味しいお菓子を持ち寄って、放課後雑談に花を咲かせる。どう、素敵でしょ?」
「残念ながら却下だ」
「なぜですの!?」
「そんなもの部活ではなく、娯楽だからだろ」
神楽先輩の厳しい一刀両断。
けれど聖会長の見解は違ったようで、首を横に振る。
「違う、そうではない。お茶なら既に茶道部がある。重複は認められない」
……意外と制度に厳しいタイプだった。
===
「他にはあるか?」
会長が全員を見渡す。そしてふと視線を止めて「じゃあ九重」と口にした。……えっ、起きてるの?
私はとっさに左隣を確認する。
確かにさりげなく、ぴょこんと手が上がっていた。やっぱり話は聞いているらしい。
「寝る部」
「却下だ」
即答。即退場。
まあ、当然だけど。
「次、七海」
「はい! みんなでVtuberをやるのはいかがでしょう。部費でこう、いい機材とか買っちゃって……!」
そう言いながら、七海君はノートPCの画面を開き、カタカタと『おすすめ配信セット』を検索し始める。
「ふん、兄様と同じ人間とは到底思えない愚かな思考だな」
ぼそりと教室に響くみーくんの毒。
空気が一瞬で冷えた。
「……ごめんなさい、取り下げます」
七海君はそっとPCを閉じた。
土下座こそしなかったけど、たぶん心の中は土砂降りだ。
「では……四季はどうだ? 何か意見はあるか?」
今度はみーくんのお兄さん、四季先輩へと話を振る。
「んー俺は特にないかな? 決まったものに賛同するよ」
「僕も兄様に同じく」
ここの兄弟は特になし、と。平和に収まってよかった。
あとは……。
「じゃあ僕いいですか?」
「如月か」
「はい」
出た。如月二千翔。
どうせ変なことしか言わないんだろうなってのは、経験で分かる。
「やはりここは、『25人集める部活』ってのはどうでしょう。第25文化部なんで」
いや、全然意味分からないよ。何が「やはりここは」なの。
「あー分かる! 俺もそれアリだと思う!」
うわ、もう一人変な賛同者が出た。南瓜君。
駄目だこれ。ここは神楽先輩あたりがスパッと切ってくれなきゃ。ね、先輩。
「極月。ちょっといいか?」
よし、来た! 正論の時間! 神楽先輩、お願いします!!
「なんだろうか?」
「そもそも、うちの学校の文化部は15しか存在しないはずだが――何故こんな名前にした?」
…………確かに。
根本の疑問すぎて、誰も口にしなかったやつ。
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