糸を紡ぐ。

カナタ

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そ の 少 女

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「くそっ!!!!一匹逃した!!!!!」

悲鳴と爆音が轟く戦場で私は、三人の敵を相手に激戦を繰り広げていた。

数では劣っているものの、戦況は悪くなかった。しかし、熟練者だと思われる二人の圧倒的な防御術が目くらましになり、新兵らしきひとりの兵士が、その二人に庇われるようにして戦線離脱しようとしたのだった。


「リース!!!!!!そいつを逃がすな!!!!」

私は大声を響かせる。


その瞬間、稲妻のような速さでひとりの少女が姿を現した。

動揺したその兵士が声をあげる間もなく、彼女は剣を抜き、彼の喉笛を掻き切って絶命させた。

少女はまた猛スピードで此方に戻り、私と対峙していた二人の敵兵をも一瞬で斬り裂いた。




「…班長。これで全部ですか」

返り血を浴びたその少女、アザレア・リースが無表情で私を見た。

「ああ、恐らくな。…… 負傷者の具合を見なければ。その後すぐに第二班と合流して帰還する。」

「…了解しました」

その目には疲れも安堵もない。ただ無表情に、荒れ果てた戦場を眺めている。そして、その目はひとつしかなかった。



アザレア・リース。訓練生の誰もが最強だと謳う、史上最年少で軍隊に入った隻眼の少女。
まるで心を持っていないような表情、行動をするため、上層の幹部達からは兵器と呼ばれているとの噂もある。

班長である私をも圧倒させる技術。彼女は、その技術をどこでどのようにして身につけたのだろうか。


「班長」アザレアの声に、私ははっとする。



「行きましょう」


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