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48-1 レイモンド
アデレードは、息を呑んで立ち竦んだ。
偶然ではない。間違いでもない。目の前にレイモンドがいる。
窓辺の席に座り、顔だけこちらに向けている姿が、まるで止まっているみたいに見える。
ひたすらにわけがわからなくて、今すぐ引き返したくなった。
でも、ここで踵を返したら、今度会う時に更に気まずくなるだろう。
どうするのが正解なのか。
視線を逸らすように俯くと、ドレスの裾が目に映る。銀の鈴蘭が光っている。
青いドレスを着て、卒業パーティーに出席することを夢みていた。
現実はブラウンのドレス。自分の瞳と同じ色だ。けれど、これでよかったと思う。
(そうよ。よかったのよ)
アデレードは、ぎゅっと拳を握りしめ唇を開いた。
「久しぶり。元気だった? 卒業生代表になったの見ていたわ。凄いね。おめでとう」
心臓が震えるように脈打って、足元がおぼつかない。
なのに、うわっつらな言葉だけは、すらすら出てくる。
「……そっちこそ、おめでとう」
少し高めの落ち着いた声。
名前を呼ばれないことに胸がキュッとなった。
レイモンドの強張った表情から、喜んで来たわけではないことが窺い知れる。
もし、七ヶ月前逃げ出さなかったら、今日は笑顔で祝い合っていただろうか。それはないか。
「……座ったら? よければだけど」
レイモンドがおずおずと続ける。
隣室でペイトンが待っている。
でも、この場を設けたのは他でもないペイトン自身だ。一分、二分で戻るとも思っていないだろう。
アデレードは、申し出に応じることにして、つかつかレイモンドの前まで歩み寄り、向かいに腰を下ろした。
「何か飲むか?」
「喉乾いていないからいい」
ぶっきらぼうに答える自分を嫌な奴だ、と思った。
不機嫌であるから気を遣え、みたいなこと。以前やられたから今そうしている。とても嫌な奴。
だから、こんなことをする嫌な奴には、あの時も、あの時も、あの時も、我慢なんてせずに言い返せばよかった。
「こんな所にいて大丈夫なの? 生徒会の夜会に遅れるんじゃない?」
「参加しない」
「え? メイジー様と参加するんじゃないの?」
どうでもよいような反応に、面食らってしまう。
先日の夜会で、メイジーは確かに、卒業パーティー用にドレスを買ってもらった、と言っていた。
「君と行く約束だったろう」
「私? そんなのとっくに反故でしょ」
反射的に言葉が口を衝く。
「……反故だなんて言ったことないだろ」
「何度も約束を破られてきたから、学習したのよ」
眉を寄せるレイモンドに、むかむかと反論が出てくる。
まるでこちらが悪いみたいな発言は、受け入れられない。冗談じゃない。
アデレードは、冷めた目でレイモンドを睨んだ。
「すまない」
しかし、返ってきたのは思いもよらない謝罪で、怒りの矛先を失った。
レイモンドから謝られるなんて、何年振りかもわからなかった。
「別に……謝られても困る」
アデレードは言った後、でも、じゃあ、何を求めているのだろうか、と唐突な疑問に苛まれた。
レイモンドに会って、嫌だったことを全部言って、結果どうなることを望んでいたのか。
謝罪されたかったわけじゃないことは、今明確にわかった。
いや、むしろ、謝られたくなどなかった。だって、
「大体、なんで謝るの? 貴方はそれでいいと思っていたから、約束を破っていたんでしょ。なら、謝る必要なくない?」
わざとやっていたのなら余計に許せないから。
「……うん、そうだな。わかっている」
「は? 何が?」
レイモンドの穏やかな態度に、憤りの感情が泡立った。
バリバラへ行ってから、音沙汰はなかった。謝罪する気があるなら、とっくに手紙の一つでも、寄越してきたはずだ。
そもそも、今何故ここにいるのか。
「ペイトン・フォアードに何か言われて来たんだよね?」
嫌な予感で、鼓動が小刻みに脈打つ。
「なんて言われたの?」
レイモンドの表情が硬くなるのがわかった。
やっぱり、ペイトンが余計なことを言ったんだ、と怒りが湧いた。
「なんで黙るの?」
「……あの人、噂とは随分違うんだな」
「噂? 女嫌いで傲慢な碌でなしのクズってやつ?」
「誰もそこまで言ってない」
レイモンドが罰が悪そうに答える。
「私、何も頼んでないわよ」
子供の喧嘩に親が出ていったようなペイトンの行動が、異様に自分を情けなくさせた。
「あぁ、知ってる。フォアード卿は、君が、俺とメイジー嬢を恋人だと勘違いしているから、話し合って誤解を解くように言ったんだ」
レイモンドが思いもよらないことを告げる。理解できなかった。
「……なにそれ」
「商工会の夜会で、俺と彼女の会話を偶然聞いたらしい。それで、俺がレイモンド・リコッタかどうか確かめるために、訪ねて来たそうだ」
やはり意味がわからない、というのが正直な感想で、余計なことをするな、が率直な感情だ。
メイジーが恋人じゃない? 誤解? 一人で邪推していただけってこと? ぐるぐる思考が巡る。
しかし、それはすぐに止まった。
だって、もうそんな次元の話じゃないから。問題なのはそれじゃない。メイジーなんて関係ない。
「でも、そんなことじゃないんだろ」
アデレードが声を上げる寸前に、レイモンドが答えを縫い合わせるみたいに言った。
息を呑んで顔を見ると目が合う。
眼前に分厚い硝子があるような沈黙が、冷たく落ちる。
こんな関係になるなんて想像もしなかった。虚しさが競り上がってくる。
でも、もう戻れないのだから仕方ない。
「そうね。そんなことじゃない」
アデレードは、一呼吸おいて力強く返した。
「……学校に入学する前に戻って、やり直せたらな」
レイモンドが、笑い損ねたみたいに小さく息を吐く。
何処か達観したような表情が、不快でたまらなかった。
何一つ解決していないのに、一人で納得するな、と強く思った。
こんなのは違う。七ヶ月前と同じでいて欲しかった。
前のまま、不機嫌を露わに、ぞんざいな態度で。
そしたら、自分の感情をありのまま吐き出せた。
きっと、今何を言っても、すーっと飲み込まれる気がする。
そんなのは、ごめんだ。
どうすればいいのか。
アデレードは考えあぐねて、再びレイモンドの顔を見た。
でも、今度は目が合わなかった。視線が低い。
何? と思うより先に、
「そのブローチ、セシリア様から借りたのか?」
静かな空間に小さく質問が浮かぶ。
「……なんで? 違うけど」
アデレードは眉間に皺を寄せた。今は楽しい雑談タイムじゃない。
「じゃあ、自分で買ったのか? それとも誰かからのプレゼント?」
苛ついたアデレードが黙ったままいると、
「……フォアード卿か」
とレイモンドは察したように呟いた。
「それ聞いてどうするの? 今関係ある?」
突き放して返すと、
「俺がプレゼントする約束だったから」
「え」
レイモンドは、懐かしい思い出話でもするみたいに言った。
偶然ではない。間違いでもない。目の前にレイモンドがいる。
窓辺の席に座り、顔だけこちらに向けている姿が、まるで止まっているみたいに見える。
ひたすらにわけがわからなくて、今すぐ引き返したくなった。
でも、ここで踵を返したら、今度会う時に更に気まずくなるだろう。
どうするのが正解なのか。
視線を逸らすように俯くと、ドレスの裾が目に映る。銀の鈴蘭が光っている。
青いドレスを着て、卒業パーティーに出席することを夢みていた。
現実はブラウンのドレス。自分の瞳と同じ色だ。けれど、これでよかったと思う。
(そうよ。よかったのよ)
アデレードは、ぎゅっと拳を握りしめ唇を開いた。
「久しぶり。元気だった? 卒業生代表になったの見ていたわ。凄いね。おめでとう」
心臓が震えるように脈打って、足元がおぼつかない。
なのに、うわっつらな言葉だけは、すらすら出てくる。
「……そっちこそ、おめでとう」
少し高めの落ち着いた声。
名前を呼ばれないことに胸がキュッとなった。
レイモンドの強張った表情から、喜んで来たわけではないことが窺い知れる。
もし、七ヶ月前逃げ出さなかったら、今日は笑顔で祝い合っていただろうか。それはないか。
「……座ったら? よければだけど」
レイモンドがおずおずと続ける。
隣室でペイトンが待っている。
でも、この場を設けたのは他でもないペイトン自身だ。一分、二分で戻るとも思っていないだろう。
アデレードは、申し出に応じることにして、つかつかレイモンドの前まで歩み寄り、向かいに腰を下ろした。
「何か飲むか?」
「喉乾いていないからいい」
ぶっきらぼうに答える自分を嫌な奴だ、と思った。
不機嫌であるから気を遣え、みたいなこと。以前やられたから今そうしている。とても嫌な奴。
だから、こんなことをする嫌な奴には、あの時も、あの時も、あの時も、我慢なんてせずに言い返せばよかった。
「こんな所にいて大丈夫なの? 生徒会の夜会に遅れるんじゃない?」
「参加しない」
「え? メイジー様と参加するんじゃないの?」
どうでもよいような反応に、面食らってしまう。
先日の夜会で、メイジーは確かに、卒業パーティー用にドレスを買ってもらった、と言っていた。
「君と行く約束だったろう」
「私? そんなのとっくに反故でしょ」
反射的に言葉が口を衝く。
「……反故だなんて言ったことないだろ」
「何度も約束を破られてきたから、学習したのよ」
眉を寄せるレイモンドに、むかむかと反論が出てくる。
まるでこちらが悪いみたいな発言は、受け入れられない。冗談じゃない。
アデレードは、冷めた目でレイモンドを睨んだ。
「すまない」
しかし、返ってきたのは思いもよらない謝罪で、怒りの矛先を失った。
レイモンドから謝られるなんて、何年振りかもわからなかった。
「別に……謝られても困る」
アデレードは言った後、でも、じゃあ、何を求めているのだろうか、と唐突な疑問に苛まれた。
レイモンドに会って、嫌だったことを全部言って、結果どうなることを望んでいたのか。
謝罪されたかったわけじゃないことは、今明確にわかった。
いや、むしろ、謝られたくなどなかった。だって、
「大体、なんで謝るの? 貴方はそれでいいと思っていたから、約束を破っていたんでしょ。なら、謝る必要なくない?」
わざとやっていたのなら余計に許せないから。
「……うん、そうだな。わかっている」
「は? 何が?」
レイモンドの穏やかな態度に、憤りの感情が泡立った。
バリバラへ行ってから、音沙汰はなかった。謝罪する気があるなら、とっくに手紙の一つでも、寄越してきたはずだ。
そもそも、今何故ここにいるのか。
「ペイトン・フォアードに何か言われて来たんだよね?」
嫌な予感で、鼓動が小刻みに脈打つ。
「なんて言われたの?」
レイモンドの表情が硬くなるのがわかった。
やっぱり、ペイトンが余計なことを言ったんだ、と怒りが湧いた。
「なんで黙るの?」
「……あの人、噂とは随分違うんだな」
「噂? 女嫌いで傲慢な碌でなしのクズってやつ?」
「誰もそこまで言ってない」
レイモンドが罰が悪そうに答える。
「私、何も頼んでないわよ」
子供の喧嘩に親が出ていったようなペイトンの行動が、異様に自分を情けなくさせた。
「あぁ、知ってる。フォアード卿は、君が、俺とメイジー嬢を恋人だと勘違いしているから、話し合って誤解を解くように言ったんだ」
レイモンドが思いもよらないことを告げる。理解できなかった。
「……なにそれ」
「商工会の夜会で、俺と彼女の会話を偶然聞いたらしい。それで、俺がレイモンド・リコッタかどうか確かめるために、訪ねて来たそうだ」
やはり意味がわからない、というのが正直な感想で、余計なことをするな、が率直な感情だ。
メイジーが恋人じゃない? 誤解? 一人で邪推していただけってこと? ぐるぐる思考が巡る。
しかし、それはすぐに止まった。
だって、もうそんな次元の話じゃないから。問題なのはそれじゃない。メイジーなんて関係ない。
「でも、そんなことじゃないんだろ」
アデレードが声を上げる寸前に、レイモンドが答えを縫い合わせるみたいに言った。
息を呑んで顔を見ると目が合う。
眼前に分厚い硝子があるような沈黙が、冷たく落ちる。
こんな関係になるなんて想像もしなかった。虚しさが競り上がってくる。
でも、もう戻れないのだから仕方ない。
「そうね。そんなことじゃない」
アデレードは、一呼吸おいて力強く返した。
「……学校に入学する前に戻って、やり直せたらな」
レイモンドが、笑い損ねたみたいに小さく息を吐く。
何処か達観したような表情が、不快でたまらなかった。
何一つ解決していないのに、一人で納得するな、と強く思った。
こんなのは違う。七ヶ月前と同じでいて欲しかった。
前のまま、不機嫌を露わに、ぞんざいな態度で。
そしたら、自分の感情をありのまま吐き出せた。
きっと、今何を言っても、すーっと飲み込まれる気がする。
そんなのは、ごめんだ。
どうすればいいのか。
アデレードは考えあぐねて、再びレイモンドの顔を見た。
でも、今度は目が合わなかった。視線が低い。
何? と思うより先に、
「そのブローチ、セシリア様から借りたのか?」
静かな空間に小さく質問が浮かぶ。
「……なんで? 違うけど」
アデレードは眉間に皺を寄せた。今は楽しい雑談タイムじゃない。
「じゃあ、自分で買ったのか? それとも誰かからのプレゼント?」
苛ついたアデレードが黙ったままいると、
「……フォアード卿か」
とレイモンドは察したように呟いた。
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⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。