転生したら、天才魔法士の卵でした

mikuru

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死と転生

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 暖かい日の光の中私は目を覚ました。
だけど、その身体は私の本当の身体ではない。だって、私は転生してしまったのだから。

 今日は校外学習の日。微笑みながら、窓の外を眺めている彼女は水蝶藤未来。明るく、真面目な少女だ。その側にいるのが、梨火川湘吾。彼は、物静かな少年。二人は、今回の校外学習の班が同じなのだ。だから、今はその最終確認をしている所だった。そこに、竹叉木勇哉が隣に座って来た。 
 「三人だけである話すなんて酷いなぁ。俺を同じ班なのに。あぁ~、俺泣いちゃう。」
     勇哉がそんな冗談を言って未来と湘吾はつい笑ってしまった。勇哉は、いつもみんなを笑わしてくれる、ムードメーカーだ。この三人は小学校の時から付き合いだ。だから、自然と一緒にいることが多くなった。だから、未来はこの二人ことが大好きなのだ。だけど、こんな日常も一瞬で壊れてしまった。勇哉が眼鏡を外して、コンタクトレンズに変えている時に起きてしまった。

 未来達の死へのカウントダウンの始まりだった。

バスが急に止まってしまった。高速道路に乗ったのだろうとみんなが思うだろう。もしくは、信号が赤だったのだろうか。だけど、二つとも違う。バスが急に止まってしまった原因それは、ガソリン漏れだった。だけど、それは誰も知る余地もない。ましてや、バスの運転手もバスガイドさんだって知らない。バスが急に止まってしまったのをおかしいと思った運転手はバスをもう一回、進ませようとしてアクセルを踏んだその瞬間だった。

 未来達が乗っていたバスは爆破した。

 紅蓮の炎が立ち、バスを粉々にしてしまった。なんと、未来達のクラスメイトや先生、そして運転手とガイドさんもみんな亡くなってしまったのだ。未来達はなんと、14歳という若さで亡くなってしまったのだった。

   
 そして、月日が流れて私、未来はアルシア・フェノールとして、転生してしまった。それが、私の過去であり、前世の記憶。私は、前世の記憶を持って、目を覚ました。私が目を覚ました世界は異世界だった。今ここにいる世界の名はエルセノアという。エルセノアのには、私達の世界にはいない妖精な精霊がいる。その影響なのか、エルセノアの人々は魔法が使えるらしい。だけど、全員は使えない。魔法の素質に目覚めた15歳の少年少女達だけが魔法を使うことが出来るのだという。魔法の素質に目覚めた少年少女達は魔法士養成学校に強制的に行かされ、魔法士になるための勉強をするのだ。魔法の素質に目覚めた少年少女達は死ぬまで魔法が使える。だけど、なかなか魔法の素質は目覚めない。魔法士を目指す、子供達は沢山いるが多くの子供達は目覚めずに終わることが多いほどだという。私のいた世界とは全く違う世界。私は本当に転生してしまった。たった一人で。

 私がアルシアの身体に転生出来たのは、たまたま運が良かったのだと思う。アルシアはもう命がないと言われていた。そして、私がその身体にたまたま転生出来たということだろう。それと、不思議なことに左手には私の宝物の黄色のお洒落な鍵を持っていた。この鍵は私の幼馴染の山椿祥に昔貰った大切な鍵だ。でも、なぜ持っていたのかはよく分からない。それがとても、不思議だ。
 そして、ちょうどアリシアの年齢は14歳。私と同い年だ。本当に運だ。だけど、心が喜べない。一人知らない世界に転生してしまったのだから。まだ、誰も信用出来ない。だけど、生きていかないといけないこの世界で。私は、そう誓いアルシア・シェノールとして、生きることに決めた。だけど、アルシアの髪の色は、ローズピンク。そして、瞳の色はライムグリーン。とても、カラフルだ。エルセノアでは、普通なのだと思うけど、やっぱり私はまだ慣れない。慣れるのには、少し時間がかかりそうだ。

 アルシアの家はお花屋さんだった。魔法薬を使わない植物を売っている。魔法薬を使わないおかけで、咲いている時間は長いし、どの花も立派に咲いてエルセノアではとても、人気で有名な花屋さんだ。 
 「アルシア。隣町まで、ブーケを届けてくれる?」
     「はーい」
注文のブーケを持って私はお店を出て、バス停まで走った。急いでいたせいか男の子二人とぶつかってしまった。
 「ごめんなさい。」
    「いや、こっちこそ、ごめん。」
    「怪我はないか?」
ブーケを持って顔上げたその時だった。男の子二人は勇哉と湘吾にとても似ていた。似ているというか雰囲気まで似ていて、まるで勇哉と湘吾がそこにいるみたいだった。
 「勇哉・・・。湘吾。」
私はあっと思い出し、口を押さえた。すると、思っても見なかった言葉が返ってきた。 
 「未来なのか?」
男の子二人が同時に私の前世の名前を言ったのだった。私は、涙を流しながら首を縦に振った。やっと、会えたのだから。大好きな勇哉と湘吾に。私は涙が止まらなかった。勇哉と湘吾も目に涙を流し、私を抱きしめた。

 私と勇哉と湘吾は、一緒に歩きながら隣町に向かった。歩きながら、お互いのことを話した。勇哉と湘吾も私が気付いた通り転生していた。勇哉の転生した少年の名前はジル・ブレンシャーと言う。オレンジの髪、そしてライトブルーの瞳をしている。そして、湘吾はラフレ・ラパージュという少年に転生したという。抹茶色の髪で、バイオレットの瞳をしていた。ラフレは髪が長かったため、結んでいたから今も髪を結んでいるらしい。やっぱり、私達みんな見た目が変わりすぎてもよく分かったよねって言って久しぶりに沢山笑ってしまった。沢山話しながら、注文のブーケを届けて、三人で一緒に家に帰っていった。

 私達の町に戻る途中、黒い煙が私達を襲った。おかしいと、思った私達は急いで帰った。すると、町は炎の海に呑みこまれていた。急いで走って、お互いの家に帰った。私は、すぐに家に入った。すると、部屋でアリシアのお父さんとお母さんが血を流して、倒れていた.意識を確認して見たがもう、遅かった。アリシアのお父さんとお母さんはとっくに息を引き取っていた。

 勇哉と湘吾と合流したが、二人いや、ジルとラフレのお父さんとお母さんは同じく血を流して、亡くなっていた。私達は仕方がないと決めて、急いで逃げようと決めた。すると、黒いローブを着た男の人が私達の前に現れた。 
 「やっと、見つけた。手間をかけさせやがって。捕まえろ。」
男の後ろから、黒いローブを着た6人の人達が出て来て、私達全員を捕まえようとしてきた。
     「来ないで!」
     「辞めろ!」
     「触るな!」
私達がそう言った時、周りの炎が私達を囲い、地面から木が生えて来てその枝や葉が私達の視界を遮り、宙から氷と稲妻が轟いたのだった。私達は何がどうなったのか、さっぱり分からなかった。すると、みるみる髪の色と瞳の色が全員前世のようなセピア色に変わった。そして、勇哉と湘吾の右の手の甲には、それぞれ赤と緑の魔法陣の印が有り、未来には、青の魔法陣の印の他に稲妻のようなあざが腕に出来てしまった。ふと、前向くとさっきまでいた黒いローブの人達が全員消えていた。すると、今度は白いローブ着て、長い杖を持った男の人が現れた。その男の人は炎を一瞬で消してしまった。多分、この男の人は魔法士だ。すると、私達の方向に歩いて来た。
 「もう、大丈夫だよ」
そう言われて、ほっとした私達は全員意識を失くして、その場に倒れてしまった。
    
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