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第558話
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マルメルは機体を左右に振りつつアノマリーで応射。
無理に当てる必要はない。 大事なのは自分が当たらない事だ。
エネルギーフィールドを展開して耐弾性能を上げる。
推進装置は全開にはしない――というよりできない。
片腕になった事で機体のバランスが崩れているので普段通りの挙動をしていたら転んでしまいそうだったからだ。 敵機はマルメルが闇雲にばら撒く銃弾を器用に躱しながらもグロウモスへの警戒は緩めていない。
明らかにグロウモスを優先したいといった様子だが、マルメルも無視できない。
その為、マルメルとの撃ち合いになるのだが、敵機の想定以上に粘れている自覚はあった。
攻撃はあくまで意識を向けさせる為の物で、マルメル達の狙いは別にあったからだ。
敵機の反応速度はかなりの物だ。 万全の状態であっても簡単には当てられないだろう。
ホーコートと違って回避のバリエーションも多いので、目が慣れるまで時間がかかる。
そう、多いのだ。 裏を返すと多いだけとも言える。
――だから――
アノマリーの弾が切れと同時に投げ捨ててハンドレールキャノンを展開。
左に動こうとしたタイミングを狙って照準。 敵機は右に旋回をする。
――ここだ。
動いたと同時に発射。 放ったのはマルメルでなくグロウモス。
回避コースを狙い撃ちされた事は想定外だったのか敵機の動きは鈍るが、際どい所で動きを止める事で躱す。 ホーコートとまったく同じ予備動作に挙動。 これだけは簡単に先読みできる。
「っしゃぁ!」
マルメルは狙い通りと内心で拳を握りながら推進装置を全開にして加速。
動きを止めた敵機へと体当たり。 そのまま一切減速せずに敵機を壁に叩きつけた。
衝撃で敵機の推進装置が破壊され、身動きが取れなくなる。
敵機はいつの間にか持ち替えていた拳銃をマルメルのコックピット部分に押し付けるようにして連射。
二発は耐えたが三発目は駄目だった。 だが、マルメルもただでは終わらなかった。
一発目の被弾と同時に残ったハンドレールキャノンの砲口を殴りつけるように敵機に押し付ける。
二発目の被弾と同時にエネルギーが充填。 三発目の被弾と同時に発射。
銃弾がマルメルのコックピットを破壊したと同時に放った弾体が敵機の上半身をごっそりと消し飛ばした。
敵機の紫電を纏った長剣による刺突をイラで受け止める。
紫電がイラを焼こうとするが、表面で弾かれて破壊には至らない。
「無駄だ! 煉獄の炎で鍛えし、この剣を貴様の雷で焼き払う事は不可能!」
ベリアルが得意げにそう言って四本のブレードによるラッシュを繰り出す。
敵機は長剣を下げようとしたが、ヨシナリがイラで強引に切っ先を逸らして動作を遅らせる。
転移で回避し、後方に出現。 僅かに離れているのは長剣を振り下ろす為だろう。
即座に振り返ってイラで受け止める。
刃ではなく、剣の腹で受け止め、角度を付ける事で力を流して敵機の剣を滑らせる。
それにより敵機の状態が流れた。 ここ最近、練習していた動きの一つだ。
参考にしたのはモタシラ。 あの剣士の動き――特に剣を用いた防御は素晴らしい。
挙動の理屈が分かる事もあって自分でも部分的に真似できそうな所が最高だった。
センスに頼ったふわわとは違うベクトルで剣を極めたプレイヤー。
体に染みつくレベルで型を体に覚えさせ、息をするように剣を振るう。
才能ではなく反復練習の末に至った境地。
つまりは部分的に模倣する事は難しくない。
あの後、脳裏に焼き付くほど動きを記憶してひたすらに反復練習だ。
全てを真似る事、特に攻撃に関しては間の取り方など、戦闘経験が必須な技能の習得は難しい。
だが、防御に関してはイラの形状、長さを意識した物だけに絞れば形にする事は何とかなった。
敵の攻撃に対して適切に剣の腹を当てての受け流し。
本来なら流した後、スペルビアに変形させてカウンターと行きたいところだが、今のヨシナリには難しい。
――だが、今は一人ではなく。 後ろには接近戦のエキスパートが居る。
上体が流れた所でベリアルが待ってましたと言わんばかりに斬りかかった。
普通なら一瞬後にはバラバラになる敵機の姿を幻視するのだが、この敵は並ではない。
最初の数撃を上半身を振るだけで躱す。 体勢が崩れているにもかからわずこれだ。
だが、ベリアルの繰り出す斬撃の回転速度はその程度で躱しきれるほど甘くはない。
最初は器用に躱していた敵機に一撃が入るとそのまま畳みかけるように斬撃を繰り出す。
上半身に大きな傷が刻まれ、敵機は長剣で防御しようとするが引いたタイミングでハンマーに変形させ、敵の刃を稼働部分に噛ませて強引に動きを封じる。
これでご自慢の長剣は使えない。
発生源に触れている事で電撃が襲って来るが、エーテルの鎧がある限り内部へのダメージは抑えられる。
敵機が剣を引けなかった事で僅かに驚いたように視線を落とす。
――このまま切り刻まれてしまえ!
敵に執れる手段はそう多くない。 長剣を手放して下がるか、まだ使ってない装備を使うかだ。
観察していて気付いたのだが、この敵機が使った武器は剣、短剣、長剣と外付けの武器だけだ。
ジェネシスフレームである以上、内臓武装がないというのは考え難い。
仮に内蔵武装があったとしたらそれは何か?
「頭部!」
ヨシナリが警告を飛ばすと同時に敵機の口が大きく開く。
わざわざ口なんて付けてるんだ。 飾りの訳がないと最初から思っていた。
バチバチと口腔内部に仕込んでいた砲口が紫電を放つ。
――想定内だよ。 この野郎!
EMPのような機体を麻痺させてくるタイプではなく直接攻撃の隠し武装であるなら何の問題もない。
発射の直前、敵機の顎に膝を叩きこんで強引に口を閉じさせる。
暴発を期待したのだが、エネルギーが霧散。
どうやら妨害されると強制的に発射が中断される安全装置のような物が内蔵されていたのかもしれない。
その間にベリアルの斬撃が上半身を切り刻む。
敵機は喰らいながらも上半身をだけの動きで内部へのダメージを避けているが、流石に捌き切れずに長剣を諦めたのか手放して後退。
――ここだ。
「ベリアル!」
「ふ、今度こそ落ちるがいい! 光なき世界へ!」
ブレードを砲へと変形させ、内部のエーテルを収束。
二機分のエーテルによって放たれた砲は敵機を完璧に捉えていた。
転移の予備動作もない。 これは躱せないはずだ。
闇色の光が敵機を飲み込み――
無理に当てる必要はない。 大事なのは自分が当たらない事だ。
エネルギーフィールドを展開して耐弾性能を上げる。
推進装置は全開にはしない――というよりできない。
片腕になった事で機体のバランスが崩れているので普段通りの挙動をしていたら転んでしまいそうだったからだ。 敵機はマルメルが闇雲にばら撒く銃弾を器用に躱しながらもグロウモスへの警戒は緩めていない。
明らかにグロウモスを優先したいといった様子だが、マルメルも無視できない。
その為、マルメルとの撃ち合いになるのだが、敵機の想定以上に粘れている自覚はあった。
攻撃はあくまで意識を向けさせる為の物で、マルメル達の狙いは別にあったからだ。
敵機の反応速度はかなりの物だ。 万全の状態であっても簡単には当てられないだろう。
ホーコートと違って回避のバリエーションも多いので、目が慣れるまで時間がかかる。
そう、多いのだ。 裏を返すと多いだけとも言える。
――だから――
アノマリーの弾が切れと同時に投げ捨ててハンドレールキャノンを展開。
左に動こうとしたタイミングを狙って照準。 敵機は右に旋回をする。
――ここだ。
動いたと同時に発射。 放ったのはマルメルでなくグロウモス。
回避コースを狙い撃ちされた事は想定外だったのか敵機の動きは鈍るが、際どい所で動きを止める事で躱す。 ホーコートとまったく同じ予備動作に挙動。 これだけは簡単に先読みできる。
「っしゃぁ!」
マルメルは狙い通りと内心で拳を握りながら推進装置を全開にして加速。
動きを止めた敵機へと体当たり。 そのまま一切減速せずに敵機を壁に叩きつけた。
衝撃で敵機の推進装置が破壊され、身動きが取れなくなる。
敵機はいつの間にか持ち替えていた拳銃をマルメルのコックピット部分に押し付けるようにして連射。
二発は耐えたが三発目は駄目だった。 だが、マルメルもただでは終わらなかった。
一発目の被弾と同時に残ったハンドレールキャノンの砲口を殴りつけるように敵機に押し付ける。
二発目の被弾と同時にエネルギーが充填。 三発目の被弾と同時に発射。
銃弾がマルメルのコックピットを破壊したと同時に放った弾体が敵機の上半身をごっそりと消し飛ばした。
敵機の紫電を纏った長剣による刺突をイラで受け止める。
紫電がイラを焼こうとするが、表面で弾かれて破壊には至らない。
「無駄だ! 煉獄の炎で鍛えし、この剣を貴様の雷で焼き払う事は不可能!」
ベリアルが得意げにそう言って四本のブレードによるラッシュを繰り出す。
敵機は長剣を下げようとしたが、ヨシナリがイラで強引に切っ先を逸らして動作を遅らせる。
転移で回避し、後方に出現。 僅かに離れているのは長剣を振り下ろす為だろう。
即座に振り返ってイラで受け止める。
刃ではなく、剣の腹で受け止め、角度を付ける事で力を流して敵機の剣を滑らせる。
それにより敵機の状態が流れた。 ここ最近、練習していた動きの一つだ。
参考にしたのはモタシラ。 あの剣士の動き――特に剣を用いた防御は素晴らしい。
挙動の理屈が分かる事もあって自分でも部分的に真似できそうな所が最高だった。
センスに頼ったふわわとは違うベクトルで剣を極めたプレイヤー。
体に染みつくレベルで型を体に覚えさせ、息をするように剣を振るう。
才能ではなく反復練習の末に至った境地。
つまりは部分的に模倣する事は難しくない。
あの後、脳裏に焼き付くほど動きを記憶してひたすらに反復練習だ。
全てを真似る事、特に攻撃に関しては間の取り方など、戦闘経験が必須な技能の習得は難しい。
だが、防御に関してはイラの形状、長さを意識した物だけに絞れば形にする事は何とかなった。
敵の攻撃に対して適切に剣の腹を当てての受け流し。
本来なら流した後、スペルビアに変形させてカウンターと行きたいところだが、今のヨシナリには難しい。
――だが、今は一人ではなく。 後ろには接近戦のエキスパートが居る。
上体が流れた所でベリアルが待ってましたと言わんばかりに斬りかかった。
普通なら一瞬後にはバラバラになる敵機の姿を幻視するのだが、この敵は並ではない。
最初の数撃を上半身を振るだけで躱す。 体勢が崩れているにもかからわずこれだ。
だが、ベリアルの繰り出す斬撃の回転速度はその程度で躱しきれるほど甘くはない。
最初は器用に躱していた敵機に一撃が入るとそのまま畳みかけるように斬撃を繰り出す。
上半身に大きな傷が刻まれ、敵機は長剣で防御しようとするが引いたタイミングでハンマーに変形させ、敵の刃を稼働部分に噛ませて強引に動きを封じる。
これでご自慢の長剣は使えない。
発生源に触れている事で電撃が襲って来るが、エーテルの鎧がある限り内部へのダメージは抑えられる。
敵機が剣を引けなかった事で僅かに驚いたように視線を落とす。
――このまま切り刻まれてしまえ!
敵に執れる手段はそう多くない。 長剣を手放して下がるか、まだ使ってない装備を使うかだ。
観察していて気付いたのだが、この敵機が使った武器は剣、短剣、長剣と外付けの武器だけだ。
ジェネシスフレームである以上、内臓武装がないというのは考え難い。
仮に内蔵武装があったとしたらそれは何か?
「頭部!」
ヨシナリが警告を飛ばすと同時に敵機の口が大きく開く。
わざわざ口なんて付けてるんだ。 飾りの訳がないと最初から思っていた。
バチバチと口腔内部に仕込んでいた砲口が紫電を放つ。
――想定内だよ。 この野郎!
EMPのような機体を麻痺させてくるタイプではなく直接攻撃の隠し武装であるなら何の問題もない。
発射の直前、敵機の顎に膝を叩きこんで強引に口を閉じさせる。
暴発を期待したのだが、エネルギーが霧散。
どうやら妨害されると強制的に発射が中断される安全装置のような物が内蔵されていたのかもしれない。
その間にベリアルの斬撃が上半身を切り刻む。
敵機は喰らいながらも上半身をだけの動きで内部へのダメージを避けているが、流石に捌き切れずに長剣を諦めたのか手放して後退。
――ここだ。
「ベリアル!」
「ふ、今度こそ落ちるがいい! 光なき世界へ!」
ブレードを砲へと変形させ、内部のエーテルを収束。
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闇色の光が敵機を飲み込み――
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