病弱系男子水川くん

蛍。

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男子高校生に断られました

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日曜日、今日は涼君が洋服を返しにくる日だ。

この間駅まで送る時に別に急いでないとは言ったもののちゃんと昨日の夜に明日返しにいくと連絡がきた。

涼君への気持ちを自覚したからか、会えることに対して少し浮き足立ってるというかドキドキしてるというかとりあえず時間までソワソワして落ち着かない。

「…なんだ、この、変な緊張感」

涼君と会う時間はお昼の12時頃、俺の家の最寄り駅前で待ち合わせになってる。そのままどこかに出かけるか俺の家に来るか予定は特に決めてないが、どっちでも大丈夫のように俺の部屋は昨日掃除しただけあってこの前よりも綺麗に片付いている。

時刻は11:30。俺の家から駅までは10分くらいだが落ち着かない俺はもう向かうことにした。



「まあ、まだ早いよなぁ」

普段よりだいぶ早歩きになってしまったのか5分で駅に着いた。

涼君に到着したら連絡してとメッセージを送り俺は駅前の書店に入ることにした。


「…(そういえばあの漫画の最新巻てもう出てんのかな…あ、あった)」


目的の漫画を見つけてそれに手を伸ばすと、丁度同じタイミングで手を伸ばしてきた女性と手が触れてしまった。


「あ、すいません!」

「あ、いやこちらこそすいません。て、あっ」



慌てて手を離した俺は相手の方を見て謝るとそこにいたのは大学生時代に付き合っていた佳夜だった。

「…」

「…それ買うんだろ」

「え?あ、うん」


本を買い終えると2人で店の外に出た。

「なんか久々だな」

「そうだね」

佳夜とは大学2年生の頃に俺から一目惚れし、不器用ながらも地道なアタックを続けた末に付き合うことになった。あの頃は付き合えたことが嬉しくて佳夜が喜んでくれるようにわざわざ事前に下見してからデートプランを練ったりしていたのを覚えてる。

でも大学3年の後半からお互い就活が始まったのを機に就活のことで心に余裕がなかったりと距離が少しずつ開いていき、大学を卒業すると同時に俺は佳夜に振られてしまった。


「なんでこんなとこいるんだ?」

「今日はこれから友達の家に行くところでここが最寄りの駅なの。家に行くまでに少し時間があったから本屋さんに寄ろうと思って。健人は?」

「俺も人と待ち合わせ、そろそろ来ると思うんだけど」

「…彼女?」

「え、いやそういうんじゃないよ。彼女とかいないし」

「そうなんだ…なんか昔よりまた背伸びた?こんなに身長差あったっけ?」

身長比べをしてきて突然詰められた距離にドキッとしてしまった。

「あっ」

「えっ」

突然佳夜が俺の頭に手を伸ばしてきた。

「髪になんかゴミついてたよ」

「お、おう、さんきゅーな」

流石にびっくりして声がうわずってしまった。

「あ、じゃあそろそろ時間だからもう行くね。近いうちにまたご飯でも行こうよ!それじゃまたね」

「…ああ、またな」


少しテンパってしまったが涼君と待ち合わせしてるのを思い出して我に返り、急いでスマホを確認した。案の定数分前に到着したという連絡が入っていた。

「やべ、返信するの少し遅れた…」

改札を出てすぐのベンチのところにいると返信すると突然視界が真っ暗になった。

「…涼…君?」

「はは、流石に2回目はすぐバレちゃうか」

視界が明るくなるとそこにはいつものように可愛くてかっこいい涼君がいた。
この間会った時とは違い、涼君への気持ちをちゃんと自覚してるからか心臓がドキドキして顔が熱くなるのを感じる。

「これ、この間はありがとう。返すね」

「おう、これくらい気にすんな。ところで今日は、この後どうする?ご飯とか…」

「…あ、えっとこの後は用事があるから今日はもう帰るね」

「え?」

「またね健人さん」

まさかの返答に戸惑ってしまい、咄嗟に俺は涼君の手を掴んでしまった。

「…用事って、なに?それこの後すぐじゃなきゃダメなの?」

振り返った涼君の表情はいつもの涼君とは程遠い、泣きそうな歪んだ表情だった。

「…関係、ないでしょ」

俺の手を振り払うと涼君はまた改札の中へ入っていってしまった。



この時の俺は全部を察した気がした。


多分元カノといるところを涼君に見られてしまったんだなと。
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