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第16話
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俺がマネージャーになりたくない理由は2つある。
まず1つ目からわりと重要な話だが、俺はこのゲームの世界のヒロインはマネージャーになるとこから物語が始まるということを知っている。ようするにここで俺がマネージャーになってしまった時点で彼らと学園青春ラブストーリーを繰り広げるヒロインになってしまうことが確定なのだ。
だが妹がプレイしてた時はいつも途中からしか見たことがなかったためどういう経緯でマネージャーになったのかまでは俺は知らない。もしかしたら今マネージャーを断ってる状況も実はゲーム通りですでにゲームのストーリーは始まっているかもしれない。
しかしマネージャーにならないことでゲームのヒロインを回避することができるのなら中身がれっきとした男の俺にとっては回避したいのだ。
それに話が進めば彼らとの接触イベントが続々と始まる日常が訪れるだろう。ただでさえマネージャーになる前から学校内の女子達から批難の的になっているのにマネージャーになってからを想像するとこれ以上は勘弁してほしかった。てかどうせならギャルゲーの世界に転生させてほしかった。
そして2つ目、これは俺の気持ち的な問題だが自分の好きだったバスケをマネージャーという形で参加することが嫌だと思った。
勿論それはマネージャーをバカにしてるのではなく、生前の俺の身長やフィジカルはバスケをやる上で非常に有利だったし自慢だった。今はそれのほとんどを失い、こんな低身長で中身は男というわけのわからない体で女バスに入ってバスケをしようなんて到底思えず、男バスの彼らに対しても俺がもうやりたくてもできないバスケを嫉妬や妬み無しに素直に応援できるとは思えなかったからだ。
居眠りしていたらあっという間に午後の授業も終わり、帰りのホームルームが始まっていた。
「学級委員の2人には放課後やってもらいたいことがあるから終わったら俺のところに来るように」
「げっ」
「っす」
これだから学級委員は嫌なのだ。
ホームルームが終わり金本と2人で先生のところに向かった。
「来週は一年生にとって入学して初めての学校行事の遠足だろ、2人にはその時に使うしおりをクラスの人数分作ってほしいんだ。印刷はしてあるから順番に重ねてホッチキスで止めてくれ。俺は職員室にいるから出来上がったら持ってきてくれ」
そう言って先生は机にドサッとしおりにするプリントを置いて教室を出て行ってしまった。
「そのダルいという感情を全面的に出した顔やめぇや、自分から学級委員立候補したんやろ」
「…ソウデスネ」
その通りすぎてなにも言えなかった。俺と違って金本は文句を言わずに作業を開始していた。俺に楽な方を譲ってくれたのか金本がしおりになるプリントを順番に重ねて俺にはホッチキス係の方をくれた。
「つかお前部活だろ、ここやっとくから行っていいぞ」
「俺かて自分で手挙げたんやからちゃんと学級委員の仕事くらいやるっちゅーねん。てかもっと端揃えて丁寧にホッチキス止めぇや」
楽な方をくれたのは感謝するが少し細かくてうるさい。きっと金本はA型だ。
「ちなみに俺A型やのうてAB型やから。自分が大雑把すぎるんちゃう、O型やろ」
「おっふ」
一言一句心を読まれてびっくりしてしまった。そしてほんとにO型なのでそこもびっくりしてしまった。
「でも今週の練習試合出るんだろ。ここって強豪校で部員数も多いから実力がアピールできる貴重なチャンスだろうし」
「そう思うんやったら口やのうて手動かしてくれる方が助かるんやけど」
「…左様でございますか」
ほんとに1ミリたりとも可愛げがないやつだ。少しでも気をつかった自分を後悔した。
「学級委員の仕事こなしたくらいで他の奴らに負けるほどやわな鍛え方してへん」
「ほぉ、随分自信があるんだな」
「そのニタニタした顔、全然信用してへんな。今週の練習試合で実力を先輩達に見してすぐレギュラー入りしたるから」
「そうかそうか、良い報告を待っているよ。頑張りたまえ少年」
ニタニタ顔で言うと金本に頭をチョップされた。
まず1つ目からわりと重要な話だが、俺はこのゲームの世界のヒロインはマネージャーになるとこから物語が始まるということを知っている。ようするにここで俺がマネージャーになってしまった時点で彼らと学園青春ラブストーリーを繰り広げるヒロインになってしまうことが確定なのだ。
だが妹がプレイしてた時はいつも途中からしか見たことがなかったためどういう経緯でマネージャーになったのかまでは俺は知らない。もしかしたら今マネージャーを断ってる状況も実はゲーム通りですでにゲームのストーリーは始まっているかもしれない。
しかしマネージャーにならないことでゲームのヒロインを回避することができるのなら中身がれっきとした男の俺にとっては回避したいのだ。
それに話が進めば彼らとの接触イベントが続々と始まる日常が訪れるだろう。ただでさえマネージャーになる前から学校内の女子達から批難の的になっているのにマネージャーになってからを想像するとこれ以上は勘弁してほしかった。てかどうせならギャルゲーの世界に転生させてほしかった。
そして2つ目、これは俺の気持ち的な問題だが自分の好きだったバスケをマネージャーという形で参加することが嫌だと思った。
勿論それはマネージャーをバカにしてるのではなく、生前の俺の身長やフィジカルはバスケをやる上で非常に有利だったし自慢だった。今はそれのほとんどを失い、こんな低身長で中身は男というわけのわからない体で女バスに入ってバスケをしようなんて到底思えず、男バスの彼らに対しても俺がもうやりたくてもできないバスケを嫉妬や妬み無しに素直に応援できるとは思えなかったからだ。
居眠りしていたらあっという間に午後の授業も終わり、帰りのホームルームが始まっていた。
「学級委員の2人には放課後やってもらいたいことがあるから終わったら俺のところに来るように」
「げっ」
「っす」
これだから学級委員は嫌なのだ。
ホームルームが終わり金本と2人で先生のところに向かった。
「来週は一年生にとって入学して初めての学校行事の遠足だろ、2人にはその時に使うしおりをクラスの人数分作ってほしいんだ。印刷はしてあるから順番に重ねてホッチキスで止めてくれ。俺は職員室にいるから出来上がったら持ってきてくれ」
そう言って先生は机にドサッとしおりにするプリントを置いて教室を出て行ってしまった。
「そのダルいという感情を全面的に出した顔やめぇや、自分から学級委員立候補したんやろ」
「…ソウデスネ」
その通りすぎてなにも言えなかった。俺と違って金本は文句を言わずに作業を開始していた。俺に楽な方を譲ってくれたのか金本がしおりになるプリントを順番に重ねて俺にはホッチキス係の方をくれた。
「つかお前部活だろ、ここやっとくから行っていいぞ」
「俺かて自分で手挙げたんやからちゃんと学級委員の仕事くらいやるっちゅーねん。てかもっと端揃えて丁寧にホッチキス止めぇや」
楽な方をくれたのは感謝するが少し細かくてうるさい。きっと金本はA型だ。
「ちなみに俺A型やのうてAB型やから。自分が大雑把すぎるんちゃう、O型やろ」
「おっふ」
一言一句心を読まれてびっくりしてしまった。そしてほんとにO型なのでそこもびっくりしてしまった。
「でも今週の練習試合出るんだろ。ここって強豪校で部員数も多いから実力がアピールできる貴重なチャンスだろうし」
「そう思うんやったら口やのうて手動かしてくれる方が助かるんやけど」
「…左様でございますか」
ほんとに1ミリたりとも可愛げがないやつだ。少しでも気をつかった自分を後悔した。
「学級委員の仕事こなしたくらいで他の奴らに負けるほどやわな鍛え方してへん」
「ほぉ、随分自信があるんだな」
「そのニタニタした顔、全然信用してへんな。今週の練習試合で実力を先輩達に見してすぐレギュラー入りしたるから」
「そうかそうか、良い報告を待っているよ。頑張りたまえ少年」
ニタニタ顔で言うと金本に頭をチョップされた。
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