魔王がやって来たので

もち雪

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さよなら海の見える街

海底遺跡

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 ソイルドソレルの街を旅立つため、戦闘の訓練と旅立ちの用意をする中で、その知らせは来た。

 ギルドとの調整を兼ねて、ここ最近ギルドに通っているルイスが、ギルドマスターのサルメスからの連絡を僕に伝えた。

 『ここ最近、見つかった海底遺跡へ行かないか?』それがサルメスから受けた連絡であり、提案だった。
 
「行きたい…海底遺跡は、きっとガラス張りで、美しいのだろうと思うから……」

「では、行くお答えしても、よろしいでしょうか?」

 仕事の出来るルイスによって、どんどん進行されていこうとしているが、彼を押し止めもっと考えをまとめないと!
 
「いや、待ってざっくりとしか、わかって無いからぬいぬいとルイス、君の意見を聞いて決めたい」

「まぁ、行って問題ないかと、ぬいぬいにさっき聞いたところ任せる。だそうです」

「じゃ、決まりだ行こう」
 こうして迷宮としては、花のある部類の海底遺跡に潜る事になった。
          ☆
 
 そしてその当日、僕らは船に揺られて、ある小島にたどり着いた。

 ここに海底遺跡に繋がるワープ機能がある遺跡があるらしい。

 サクサクとした、浜辺の砂浜の上を完全防備で歩く人々と、結構軽装の僕らは、赤く丸の書かれたヤシの木からジャングルへと入って行く。
 そこで、僕らも一枚カッパの様なものを上下羽織り進む、がバシバシ木々が当たってくる。

 もちろん先頭は、ナタを使い枝や木々を切り払っているのにだ。

 そして「ヒルだー!」「ヘビだー!」って声も出たが、サルメスは「大丈夫だ。聖女様がいらっしゃる。噛まれたら治療して貰え!」と、意に介さない。

 ――念のために、ルナにはスフィンクスと一緒に上空から来て貰っていたが、居たら絶対揉めてただろう……。

 そこら30分余りで、目的に到着し、ヒルはすぐさま火で排除され、ベビには噛まれずにすんだ。

 それでも範囲的な浄化を受け、そのまま毒の軽減などの祝福を受ける。

 遺跡はぼぼ雨風によって腐食し、残り僅かな状態、木々の枠組みだけの状態になっている。
 そこを通り抜け、洞窟へと入って行く。

 洞窟自体は、頑丈な作りであるが、辺りは散乱し暮らしのあとが見える。

「これは場所の乗っ取りが、行われたたな……。外観に対して生活環境が悪すぎる……」

 遺跡を勉学の観点から見るぬいぬいが、そう嘆く。

 その遺跡を奥の奥まで行くと、僕らは立ち止まった。

「ここの謎の遺跡のこの部分、ようやくすると4大精霊を置けと書かれており、順番は「ノーム」、「ウンディーネ」、「シルフ」、「サラマンダー」です。ですので、手の形に彫られて部分に、順番通り土、水、風、火の魔法を送りこめば開きます。

 プ――――ンという、音ともに目の前の扉が両側へ開いた。
 開いた扉の別れ目は、クネクネとしていたが開くまでそうであるとわからなかった。

 そこには凄い技術がありそうで、期待が持てる。

 しかしこれからは未踏の地を僕らは進み制覇しなければならない。

 部屋の入り口に、ワープ機能と思われる空間の歪みがあった。

 そこへ向かうべく最低限の荷物のみにする。大半は食べ物と飲み物だ。

 そこにサルメスがやってきた。相変わらず酒焼けの声で――。

「お前達もうすぐ旅立つだってな? ここでいいもの拝んでから行けよ」

 もうすぐ別れだというのに、彼にはシゲっぽさは微塵もない。
「はい、期待してます。後、忘れられないよう大暴れ出来たらと考えています」

 そんな僕に、彼の目の笑い皺が微かに濃くなる。
 
「そんな事をしなくても、いいやつと、すげー悪いやつは忘れられない。お前は、酒を付き合わないすげー悪い奴だ」
 と、言ってがっはははと、笑って他のチームのもとへと行ってしまった。

 皆の準備が出来ると作戦の説明が始まる。

「でだ、まず俺達先発隊が、先に行く。ハヤト達は、第二段。双子のカナリアが、鳴いたら進行を中止しろ。しかし2回鳴いたら大広間で待っている。」

「わかりました。サルメス、ご武運を」

「あぁ、行ってくる」

 そう言って彼はワープの中に消えた。

 そしてぬいぬいは、長く詠唱を始めた。罠を暴く魔法、大地の強固が脆くなった場所を探す魔法で、事故防止や罠の場所を探る時に使う。
 
 まぁ、双子カナリアにも危険察知能力、人の体液の内、恐怖から生じた体液を察知する事が出来る能力もあるらしい。

 しかしなんと言っても双子のカナリアの能力は、仲の良い、カナリアが死ぬ、危機を迎えると鳴く能力だ。

  そういう個体を掛け合わせて、精度を上げているらしい。しかし2回任意に鳴かせる事も出来る。
 
 そして30分経つた。

 双子のカナリアは、鳴かなかった。僕らの出番の様だ…
 そう。思った時、双子のカナリアは鳴いたのだ。

 振り絞る様に、ぴぃー……と。

 僕らの視線は双子のカナリア集まる。

 そして重い沈黙が支配し、次の権限を持つ人物は多分僕へと変わった。

   続く
 
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