魔王がやって来たので

もち雪

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新しい若き王とともに

僕、ドラゴン装備購入への道へ

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 僕は城の防具倉庫の入り口に立っていた。
 
 別にここで盾を調達しようとしていたのてはなく、槍使いとして新しい防具を新たに揃えようと思ったからだ。

 やはり盾をこれから一からというのは、さすが呑気な僕でも無理があると思ったからだ。

 しかし一応、ルイスに頼んで盾の訓練に参加させてもらうような手筈にはなっている。

「こんにちは、勇者さんこんなところで、どうしました?」
 
 意気揚々と立っていた僕に、休憩帰りだろうか? 若い兵士が話かけてくる。
 
「こんにちは、少し見せてもらってもいいですか?」

「ええ、勇者様なら大歓迎ですよ。ご自由どうぞ」

「ありがと。少し君、えぇっと……」

「アッシュです」

「アッシュ、僕はハヤトっていうんだ。改めてよろしく。ところで、ものは相談なんだけだ。もうすぐ魔界入るので、新しい装備の参考にさせて貰おうと思って来てみたのだけど、切り込み隊長みたいな槍使い槍使いに、手頃な装備ない?」

 彼は僕の姿を上から下まで見る。
 
「今、着ている物が戦闘服ですか?」
 
「そうなんだけどうかな?」
 今、着ている戦闘装備ですが、ではなく、ですか? という部分に僕は不安を覚えた。
 
「中には、鉄かたびらだけ?」
 
「はい……」
 ふたたびの疑問形に、僕の心配は確信に変わる。僕の装備ダメぽいと。
 
 精霊には、鉄などの金属を嫌うものも多いので、僕は魔法学校で買った制服か街で売っている洋服を着てここまで戦闘してきてしまった。

 ゲーム風に街へ向かう度に買い替えるべきだったのだろうか?

 しかしオリエラは以前から使っている戦闘服、ミッシェルは以前着ていた鎧を着ているが、ルイスやフィーナも燕尾服と普通の服を着ている。
 だから、そんなものかと思っていた。

 「う……ん、ハヤトさんこちらの世界へ来て間もないですよね?」

「そうだけどなんで?」

「赤ちゃん、赤ちゃんに大人の服を着せても、サイズが合わない。それと同じように体、体の基礎体力なのない人に重い鉄のプレート装備はおすすめ出来ないんですよね。そして出来だけ、自然素材で軽いものがいい」

「ハイハイ! そうです。後、出来るだけの防御力のある物を!」

「では、あれにしましょう。ドラゴンメイル」

「ドラゴンメイル!? そんな高価そうな物をここで買えるでしょうか?」

「最近は。結構格安ですよ。まぁ、二足歩行の方ですが」

「あーーなるほど!」

 そっちのドラゴンは結構頻繁にギルドクエストの掲示板に掲載しているのを見た。集団で動き、ファンタジーでお馴染みのドラゴンより頭はあまり良くない。ドラゴンと言うより恐竜の生き残りぽいやつだ。

 そしてアッシュは、防具用倉庫の一番後ろへ進むので、僕もついて行っている。防具倉庫は窓は上の方に付いている。そして劣化を防ぐ為か、日光も直接当たらない様になっているか、ブラインドの様なものが閉じられて最低限の光を保っている。

「はい、ありましたよ。ドラゴンレザーとドラゴンスケール。防御力では、鱗で出来たスケールの方が上です。ですが動きの柔軟さではレザーの方が上です。購入はお好みですね。試着だけなら好きなだけしてしていってください。購入もこちら出来るのでどうぞ。私は鎧の管理しているので帰る時は声をかけてください」

 「ありがと助かる」
 そう言って彼は、他の鎧の整備を始めた。僕は入り口にあった絨毯と箱が置いてあるだけの試着スペースで、服の上から鎧を着こむ。

 それでもまだ緩いぐらいだ。北へ行く為にもっと防寒具を着こめるためなのか、大きめのサイズなのかはわからない。

 僕はまずスケールの方を着てみる。思った以上に鱗の1枚1枚がでかい、そして硬い。肩で縫い合わせ補強してあり、腕は上腕の部分は胴にくついて半袖の様になっているが、手の下の部分は指先から通す仕組みらしい、夏によく見かける日焼け止めのためのアームカバーみたいな感じだ。親指を入れる部分はあるが、残りは手の指先が隠れるぐらいの丸みがある板で、それを中指に細い紐を巻き付ける事で固定している。

 腕は、う……ん、小さく鱗を切断して、チーェンメールの布の様なもので上手く形にしてあるのだが、普通の動作ならいいが細かい動作なら気になる。

 次にドラゴンレーザーは、なめしてあるようだ。作りは同じであるが、鱗のような防御に関しての安心感少し少ない。

 うちの槍の流儀、槍ぶん回すだよなぁ……チアリーダーみたいに、自分の指使いの柔軟性を出す為だからだけど、その事を考えたり、腕まわりのフィット感はやはりレザーだな。

 その時、管理人さんが置いていっただいたいの値段表を見てみると、まぁ車一台買える値段であるが、命に代えられない。

 僕は彼が仕事しているエリアまで、来ると「鎧ありがとう。どこに置いとけばいい?」

 「では、いただきます。着きてみてどうですか?」
 
 「アッシュレーザー買いたいので注文お願いしたい」

「はい! オーダーメイドなんで、今の時期だと、10日ですね。ここの倉庫で、採寸、見積もりから、仮縫い、受け渡しまでやりますか? お勧めは、仮縫いと受け渡しをこちらで、がいいですよ。私もチェックするので」

「では、それでお願いします。あ……もしかすると、うちの執事連れて来るかも?」

「あ――ルイスさんですね。どうぞ、どうぞ。では、はいこれ。ここに書いてある店で、この封筒持って行くと採寸と値段の見積もりでるので、仮縫いと受け渡しこちらでやる様につたえてください」
 彼は値段表の中に入っていた封筒を取り出しそう言った。

「わかったありがとう」

 僕は、いい買い物出来たと、ご機嫌で城の僕らに当てがわれた部屋へ帰るとミッシェルが、「どうしたんですか? ハヤトさん」と聞いて来た。
 
 今、さっき鎧の契約をして来たことを伝えると。
 
「これでハヤトさんはドラゴンスレーヤーの道へまっしぐらですね」と彼はしみじみ言う。

「どういう事?」
 
 ドラゴン装備は強いじゃないですか。しかしドラゴンは結構な種類をいるので、強い敵と戦い装備が物足りなくなると、流通してないドラゴンを自分で狩りに行くんですよ。そうやって次々竜殺しの名声がランクアップしていくですよね……。戦闘能力のある人って……。

 それってゲームのあるあるではないだろうか。 しかしゲームやってた僕ならわかる。今のギルドクエスト漬けの状態で、そんな装備は狙える状態ではない事を。

 ゲームの全てを懸けないとスーパー凄い装備は取れないんだよーー!

      つづく
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