魔王がやって来たので

もち雪

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新しい若き王とともに

幽霊も苦労する

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　　今日もまたギルドクエストの後の手続きで、出かける事となった。以前、クエストの終了時の確認のサインを貰う事の出来なかったクエストあった。そのためギルドで依頼主の家を教えて貰い、今度は家へギルド側にアポを取って貰い押し掛ける事になったのだ。
　
　後で考えると、僕と彼との他の誰か、しいて言うなら幽霊のお導きってやつなのかもしれない。
　
　このクエストの依頼者の家の扉を開けると、彼は大変へん憔悴していた。年の頃は40手前位、やつれて顔色が悪いがそれ以外は結構羽振りの良さそうで、アンバランスさな不思議さがあった。

　貴族のようで彼はとても高価な洋服などを身につけ、それと真逆の彼の白い幽霊のような顔色を見て僕らは病院へ行く事を彼に勧め、やや強引に待ち合わせのレストランから病院へと背中を押して連れていく。

　しかし診察室から出て来た彼は、「病気的なもの医者からも、魔法使いから診てもみつからなかった」と、悲しげに首を振る。
　
　しかし体調の悪さから、「今なら聖女様がいらっしゃる教会に」と、受付で言われていた。気持ち的に授業参観へ行く気分になって来る中、僕らは教会への道を歩いた。病院を出て大通りをまたいで、彼に付いて教会へ。

　歩きながら世間話とともにギルドからの説明通り、彼の死んでしまった妻が枕もとへと立つという話しを聞く事が出来た。

　そしてルナの職場、大聖堂を思わせる教会へ入ると、スフィンクスがやってくる。彼は珍しくやって来た僕らを見つけて馬が楽しそうに、脚を高くあげてスキップするように歩く感じでやって来た。

　しかし依頼者周辺を見ると、彼はなにやらドン引きしている。それが駄々洩れである子どもだから、そんな事もあるだろう。問題はその理由を知る必要があったが、スフィンクスは「こんな人嫌い」と言って行ってしまうのである。何やったのこの人？

　……しかしスフィンクス事を僕はわかっているつもりだ。こんな人と言うのは確実に、依頼者だ。……だが、パパ嫌いって言われたようで、こっちまでどんより来た。依頼者が隣に居ても、利便上教会で暮らしている彼とは久しぶりだから、僕のもとへ来て欲しかった。

　どんより……。

　「しっかりしてくださよ」と、ミッシェルに言われ、フィーナにも「子どもってそういう時もありますよ」慰めれる。

　「フィーナ、君はには反抗期あったの?」

　「いえ、たぶんありません。実家では子ども達の中に居ましたから、魔王様のもとでは私がしっかりしませんと回らないところがありましたから特には……」

　無い?　魔王は僕には、最初にわからせる系のように結構脅しもんくを言って来たけど女の子相手だと違うのだろうか?

「皆さんどうされ……」順番がまわってきたと思ったら、ルナはそう言って押し黙った。

「ルナ?」

　「あっ、すみません。わたくしとした事が、あの……誰にも教会は平等です。そして貴方の懺悔を受け入れます。何かございませんか?」

　ルナの依頼者に完全にロックオンをしている。依頼者は一体何やったの?　

「死んだ奥さんが夢枕に立つ、それからどうなさっとたのですか?　根本的な解決をはかるため正直に、何をやったのか話してください」と僕らも交じり、尋問が行われた。　

　そんな事をやっていたらシスターに「ちょっとここでは困ります」と、言われて教会を追い出されそうになり、仕方がないので、ルナに治療をして貰いその場を後にした。

　飲食店に入る事も考えたが、追い出されるのが落ちだ。

　市場のはしの椅子で僕らと依頼者は、落ち着いて話し合うことにする。

　そして出て来た事実がなんと――。

「妻の事はお互い尊敬出来る間がらでしたが、それでも舞踏会出て会ってしまった令嬢に私は心を奪われてしまったのです」

「なるほど、浮気ですか……」「まぁ、浮気する人はだいたいそれいいますよね」「許せません！」

　奥さんは無理や心労がたたって病にかかり病死。

「私たちの愛は罪なんて罪深いんでしょう……」
「まぁ、実際罪だからじゃないですか？」「それって愛なの？」「もう、聞きたくありません」

　しかしそのまま彼は愛人と暮らしているそうで……。
「罪深さまだなお実行中でする？！」「結果まだですかね――」

　そしてとりあえず奥さんの他殺をも考慮しつつ、彼はの家に行くことになった。

　なんと家には12歳の息子が主人が帰らない事良いこと、食事をさせて貰えなかっのか結構痩せほそった状態だった。
　そこで子どものことを考慮して淡々と彼を連れ出す。

　そして少年を引きとり再び治療のため教会へと出向く。

　しかし体はルナに癒して貰うのだが、心の面でしばらく教会のルナに託し僕らはギルドと役所へそれぞれ赴く事になってしまった。

　そして彼を守るため幽霊となった彼の母はもう消え、代わり父親は兵士に少し懲らしめらしい。

　　　続く
　

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