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新しい若き王とともに
ここまでが人間界
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僕は料理を食べ終えぬいぬいに続き、席を立つ頃には、ルイスの確認も終わりウィッシュやセリフを褒めているところだった。
ウィッシュは立ち上がった僕を見て、「今回の事、宜しくお願いします」と彼は言った。ハーピー関連の出来事はだいぶおおやけになってしまった秘密だが、まだ、迂闊に話せないデリケートな問題だ。
だから彼もここでは、曖昧なことしか語れないのだ。
そして僕も彼には僕自身の事を何も説明していなかったので、説明に困ったが「今回の旅立ちに際して、やはり僕は僕自身の事を優先させるつもりだから、それで君を焦らす事になってしまうはず。ごめんね」
そう言うと、彼は「あっ、はい」と答えた。
あくまでも僕、個人の我が儘、とても大切な私事で、自分をつくろう気もなかった。だからごめんねと言って見たが、さすがに気安すぎただろうか?
それでも僕は「では、いってきます」
それだけ言うとその場を離れた。
そしてシロスとクスキの酔いは覚めているか?と、隣の部屋へ行くと誰もいない……! 僕を追い越し部屋へと入ったメイドに「ここの双子について何か知りませんか?」と聞く。
「飲み過ぎたと言われ、お二人とも食事を済ませたら、早々に立ち去られました」と言われガックリとうなだれた。
自由な双子らしいと言えば、らしい行いだ。部屋に帰るとぬいぬいが魔法を唱えている。
ゆっくり家具の引き出しの中からペンや手紙や写真等がふわふわと出てくる。
「これ何?!」
僕は食い気味で聞くが、行方不明だった品物の量に、彼はやや絶句しているようだが。
「その魔法は凄く便利そうだね」
「まぁな」
「だが、この魔法は親が子どものために使うものだからなぁ……」
「掃除や収納は才能だから……、出来たら魔法を覚えて、魔法があるからなくしても大丈夫だと割りきりたいよ」
「しかし掃除も魔法も、どちらも覚える事にこしたことはない。それにしても必要なものもみつかったし、いつでも出発出来るように荷物をまとめておこう」
彼はそういい、収納場所を越える品物をどこしまうかの問題に直面していたようだった。僕自身としては、出発が近づくが不思議と今回は緊張がない。旅慣れたのか、感覚が麻痺しているのかわからないが……。魔王彼に、会えるのは少し嬉しいかもしれない。僕の為にも、彼女の為にも。
そして時間になると幌馬車はあっさり出発する。見送りはなし、しっかり視線は感じるが、気のせいでないだろう。
そしてギルドの前には三姉妹のセシル、メト、ミロルと受付ボーイの前をソクヤが立ていた。そしてウェートレスのカミナが窓から身を乗りだし手を振っくれた。長らく城に住み、ここでは外で暮らす事が出来なかったが、それでも見送ってくれる人が居るのは嬉しいことだ。
「「いってらしゃい」」
「「いってきます」」の声の響く中、「うけとれ!」たぶんメトはそんな事を言って荷馬車の中に、ふりかぶって何かを投げてくる。
ルイスがしっかり受け取ったが、危ない。
そしてセシルたちに注意されている彼女。僕らは笑いつつも、名残惜しく、それを見守り街を出た。
街を出るとユメラやゾルトたちが現れ、馬で僕らに並走する。躍動感のある光景に感動する。地面に響き渡る馬の足音、そして彼らの表情、不敵で、そして勇ましい。
朝食の時には居なかったが結構な人数で、来ていたらしく子ど連れの人物もおり、僕らの存在は、万博やオリンピック的なものに近いのだろうなと考えると不思議だった。
いろいろな種類の馬たちが一斉に走り、馬の息遣い、それを操る人々、この時、ここでなければ見られない光景は偉大で美しかった。
しかし少しづつ別れの挨拶とともに、彼らは彼れらの故郷へ続く場所へと帰っていった。
そうしていつか険しい山を登っていくうちに雪がふりだし、荷馬車から降りて歩きだすと、僕らはその日の内に人間界の終わりを見ることが出来た。
続く
ウィッシュは立ち上がった僕を見て、「今回の事、宜しくお願いします」と彼は言った。ハーピー関連の出来事はだいぶおおやけになってしまった秘密だが、まだ、迂闊に話せないデリケートな問題だ。
だから彼もここでは、曖昧なことしか語れないのだ。
そして僕も彼には僕自身の事を何も説明していなかったので、説明に困ったが「今回の旅立ちに際して、やはり僕は僕自身の事を優先させるつもりだから、それで君を焦らす事になってしまうはず。ごめんね」
そう言うと、彼は「あっ、はい」と答えた。
あくまでも僕、個人の我が儘、とても大切な私事で、自分をつくろう気もなかった。だからごめんねと言って見たが、さすがに気安すぎただろうか?
それでも僕は「では、いってきます」
それだけ言うとその場を離れた。
そしてシロスとクスキの酔いは覚めているか?と、隣の部屋へ行くと誰もいない……! 僕を追い越し部屋へと入ったメイドに「ここの双子について何か知りませんか?」と聞く。
「飲み過ぎたと言われ、お二人とも食事を済ませたら、早々に立ち去られました」と言われガックリとうなだれた。
自由な双子らしいと言えば、らしい行いだ。部屋に帰るとぬいぬいが魔法を唱えている。
ゆっくり家具の引き出しの中からペンや手紙や写真等がふわふわと出てくる。
「これ何?!」
僕は食い気味で聞くが、行方不明だった品物の量に、彼はやや絶句しているようだが。
「その魔法は凄く便利そうだね」
「まぁな」
「だが、この魔法は親が子どものために使うものだからなぁ……」
「掃除や収納は才能だから……、出来たら魔法を覚えて、魔法があるからなくしても大丈夫だと割りきりたいよ」
「しかし掃除も魔法も、どちらも覚える事にこしたことはない。それにしても必要なものもみつかったし、いつでも出発出来るように荷物をまとめておこう」
彼はそういい、収納場所を越える品物をどこしまうかの問題に直面していたようだった。僕自身としては、出発が近づくが不思議と今回は緊張がない。旅慣れたのか、感覚が麻痺しているのかわからないが……。魔王彼に、会えるのは少し嬉しいかもしれない。僕の為にも、彼女の為にも。
そして時間になると幌馬車はあっさり出発する。見送りはなし、しっかり視線は感じるが、気のせいでないだろう。
そしてギルドの前には三姉妹のセシル、メト、ミロルと受付ボーイの前をソクヤが立ていた。そしてウェートレスのカミナが窓から身を乗りだし手を振っくれた。長らく城に住み、ここでは外で暮らす事が出来なかったが、それでも見送ってくれる人が居るのは嬉しいことだ。
「「いってらしゃい」」
「「いってきます」」の声の響く中、「うけとれ!」たぶんメトはそんな事を言って荷馬車の中に、ふりかぶって何かを投げてくる。
ルイスがしっかり受け取ったが、危ない。
そしてセシルたちに注意されている彼女。僕らは笑いつつも、名残惜しく、それを見守り街を出た。
街を出るとユメラやゾルトたちが現れ、馬で僕らに並走する。躍動感のある光景に感動する。地面に響き渡る馬の足音、そして彼らの表情、不敵で、そして勇ましい。
朝食の時には居なかったが結構な人数で、来ていたらしく子ど連れの人物もおり、僕らの存在は、万博やオリンピック的なものに近いのだろうなと考えると不思議だった。
いろいろな種類の馬たちが一斉に走り、馬の息遣い、それを操る人々、この時、ここでなければ見られない光景は偉大で美しかった。
しかし少しづつ別れの挨拶とともに、彼らは彼れらの故郷へ続く場所へと帰っていった。
そうしていつか険しい山を登っていくうちに雪がふりだし、荷馬車から降りて歩きだすと、僕らはその日の内に人間界の終わりを見ることが出来た。
続く
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