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魔界の新たな闇
因縁の場外乱闘、ここに終結?
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昼間の温泉街は、日本家屋の情緒豊かな風景がひろがり、僕らはそこを気軽に散策していた。
僕とルイス、その後ろにフィーナと、ウンディーネそして最後にぬいぬいとミッシェル、よしのさんそんな順番でなんとなしに歩いていた。
僕らは黙々と歩き、温泉街を把握していく。
すると後ろから走る足音がして、体を硬くし振り返る。
「ハヤトさん、ルイスさんなんでそんなに黙々と歩いて行っちゃうんですか?!」
追いかけて来たのはミッシェルの様で、僕らの袖を引きながら、それだけ言って息を整えるために手を離した。
「あ……いつもの調子で安全そうなのを確認したら、全体確認してた……ごめん」
「そうじゃないかと思ってました」
ルイスは、ミッションに引っ張られた浴衣を丁寧に整える。
――なら言おうよ!
「あれ? 他の皆は?」
「よしのさんとウンディーネがお土産屋で、止まってしまったのでぬいぬいがウンディーネに、よしのさんにフィーナがついてます」
「うん……そっか。じゃあ引き返す事にしょうか」
ウンディーネはともかく、よしのさんはフィーナを見守る側なはずなのに……。人の事は言えないけれど。
来た道を戻って行くと、呉服店の隣りに胡麻すりの道具の書かれた看板が掲げられた店がある。
その軒先に、ぬいぬいとウンディーネがいた。
「おぉーーい」
僕が手を振ると、ウンディーネが僕に向かって手を振り「主様ーー!」と、駆け寄って来た。
「見て、あそこのふくろう可愛いよーー」
ウンディーネは、梟を指差す。
バァ――ン、僕の心の中で銅鑼が鳴り響く、久しぶりの仇敵と出会った気分で、前に進みでた。
「あれ? 主様どうしたの?……」
彼女は僕に寄り添い、僕の変化に驚いているようだ。
「何でもないんだ。ふくろうちゃんを見てみたいだけだよ」
僕は勤めて笑顔で言うが、もう目の前となった梟に備えて頭がいっぱいだった。今度は人間様の心の余裕を見せてやるぜ!
と、悪役しか思わない気持ちで、梟を見下ろす。
その梟は全体的に白い色だが、水色が羽先に入ってオシャレ感を出している。今まで見た事ないタイプの梟だ。
「愛らしい梟ですね」
戦闘的な梟に先制パンチの愛らしい発言をした。
この後は、どんなリアクションにも「可愛い」と、連呼する予定だった。
「ルイス、この梟知っているか?」
僕らが来たことに気付いた、ぬいぬいが振り返りルイスに聞く。
すると、いきなりルイスが僕らをかき分け前に進み出た。
「虹の梟ですね。嘴の付け根に様々な色が、間違いありません……」
「しかし何でこんなとこに……」
二人ても、頭を傾け考える仕草をしている。
ここで頼るべきは、ミッシェル。
僕は振り返り彼を見つめる。
目が合ったミッシェルは、記憶を探るように腕組みをする。
「虹の梟と、お二人とも呼んでいますが、正式にはソルアット・リレゼロ梟です。オリエラの故郷にしか生息しない梟で、確か多くの梟が先の戦いで焼かれています」
僕たちの出会いはふたたび果たされたが、梟はすでに主役級の過去の持ち主のようだ……。
「えっどう言う事? 何でそんな事に……」
「ソルアット・リレゼロって植物の花や実は、呪術や魔法の媒体、薬の原材料となるのですが、大量に必要ですが、開花時期が年単位で不明な植物です。しかしこの梟がその花や実が大好物らしく。この梟を追えば見つける事が出来らしいです。で、この梟を勝手に買うと給料の2か月分は飛んで行くので、発見した場合はすぐさま城に連絡後、連絡を受けた事務員はオリエラの祖父である現在の領主に連絡し、この梟を飼育出来る人物を派遣して貰わなくてはいけません。これは70%の確率で事務所の採用試験に出ます!」
「いや、僕は城へ務めるつもりはないから、でも、そんな梟を焼いてしまったの?」
「焼いたのは飼っていた魔物の呪術師たちらしいですけど……、そこまでテストに出ないので、調べてません」
「とにかく魔界から遠い我国のあんな辺境のにまで来ているのなら、他のどことつながっていてもおかしくない。そしてオリエラの故郷の話にしても、王の功績で、呪術を使う種族は倒れたといえ、まだまだ頭の回る魔族は少なからずいるはずだ」
「では、その魔族たちにある程度の資材は運びこまれてしまったと考えていいのですか?」
「あくまでも可能性にすぎないがな。そこまで力のある魔族ならギルドの情報網に、必ず引っかかるはずだ」
その時、梟が僕の顔を見てホォーホォーと
鳴く。
「かっ……可愛い……」
僕が予定通りそう言うと、梟は首をかしげる。そして目をパチパチとしてからホォーホォーとふたたび言うのである。
「ハヤトさん、勇者はもしかして鳥語も理解できるんですか? もしそうなら儲かりますね!」
――もう、一周まわってミッシェルのその貪欲さは大好きではある。
「負けました……」
「ハヤトさん!? いきなり何言って……本当に負けちゃったんですか?……」
「わからない……。しかしこんな魔界に、1羽居てキーパーソンみたいな事されたら、負けを認めるしか……」
「は?」僕と梟の戦いは、ミッシェルにはわかって貰えないようだ。梟は満足げに僕を見ている。……気がする。
「そしてどうやらこの薬屋も、白煙に関係あるようですね。ほら、フィーナさんと同じ白銀の髪の青年が奥にいるようです」
そしてルイスは、ガン無視である。って……えっ!?
そうルイスが指差した先には、割烹着の様な白衣を脱ぐ青年が見える。彼の狐の耳はフィーナと同じく白銀色をしている。
つづく
僕とルイス、その後ろにフィーナと、ウンディーネそして最後にぬいぬいとミッシェル、よしのさんそんな順番でなんとなしに歩いていた。
僕らは黙々と歩き、温泉街を把握していく。
すると後ろから走る足音がして、体を硬くし振り返る。
「ハヤトさん、ルイスさんなんでそんなに黙々と歩いて行っちゃうんですか?!」
追いかけて来たのはミッシェルの様で、僕らの袖を引きながら、それだけ言って息を整えるために手を離した。
「あ……いつもの調子で安全そうなのを確認したら、全体確認してた……ごめん」
「そうじゃないかと思ってました」
ルイスは、ミッションに引っ張られた浴衣を丁寧に整える。
――なら言おうよ!
「あれ? 他の皆は?」
「よしのさんとウンディーネがお土産屋で、止まってしまったのでぬいぬいがウンディーネに、よしのさんにフィーナがついてます」
「うん……そっか。じゃあ引き返す事にしょうか」
ウンディーネはともかく、よしのさんはフィーナを見守る側なはずなのに……。人の事は言えないけれど。
来た道を戻って行くと、呉服店の隣りに胡麻すりの道具の書かれた看板が掲げられた店がある。
その軒先に、ぬいぬいとウンディーネがいた。
「おぉーーい」
僕が手を振ると、ウンディーネが僕に向かって手を振り「主様ーー!」と、駆け寄って来た。
「見て、あそこのふくろう可愛いよーー」
ウンディーネは、梟を指差す。
バァ――ン、僕の心の中で銅鑼が鳴り響く、久しぶりの仇敵と出会った気分で、前に進みでた。
「あれ? 主様どうしたの?……」
彼女は僕に寄り添い、僕の変化に驚いているようだ。
「何でもないんだ。ふくろうちゃんを見てみたいだけだよ」
僕は勤めて笑顔で言うが、もう目の前となった梟に備えて頭がいっぱいだった。今度は人間様の心の余裕を見せてやるぜ!
と、悪役しか思わない気持ちで、梟を見下ろす。
その梟は全体的に白い色だが、水色が羽先に入ってオシャレ感を出している。今まで見た事ないタイプの梟だ。
「愛らしい梟ですね」
戦闘的な梟に先制パンチの愛らしい発言をした。
この後は、どんなリアクションにも「可愛い」と、連呼する予定だった。
「ルイス、この梟知っているか?」
僕らが来たことに気付いた、ぬいぬいが振り返りルイスに聞く。
すると、いきなりルイスが僕らをかき分け前に進み出た。
「虹の梟ですね。嘴の付け根に様々な色が、間違いありません……」
「しかし何でこんなとこに……」
二人ても、頭を傾け考える仕草をしている。
ここで頼るべきは、ミッシェル。
僕は振り返り彼を見つめる。
目が合ったミッシェルは、記憶を探るように腕組みをする。
「虹の梟と、お二人とも呼んでいますが、正式にはソルアット・リレゼロ梟です。オリエラの故郷にしか生息しない梟で、確か多くの梟が先の戦いで焼かれています」
僕たちの出会いはふたたび果たされたが、梟はすでに主役級の過去の持ち主のようだ……。
「えっどう言う事? 何でそんな事に……」
「ソルアット・リレゼロって植物の花や実は、呪術や魔法の媒体、薬の原材料となるのですが、大量に必要ですが、開花時期が年単位で不明な植物です。しかしこの梟がその花や実が大好物らしく。この梟を追えば見つける事が出来らしいです。で、この梟を勝手に買うと給料の2か月分は飛んで行くので、発見した場合はすぐさま城に連絡後、連絡を受けた事務員はオリエラの祖父である現在の領主に連絡し、この梟を飼育出来る人物を派遣して貰わなくてはいけません。これは70%の確率で事務所の採用試験に出ます!」
「いや、僕は城へ務めるつもりはないから、でも、そんな梟を焼いてしまったの?」
「焼いたのは飼っていた魔物の呪術師たちらしいですけど……、そこまでテストに出ないので、調べてません」
「とにかく魔界から遠い我国のあんな辺境のにまで来ているのなら、他のどことつながっていてもおかしくない。そしてオリエラの故郷の話にしても、王の功績で、呪術を使う種族は倒れたといえ、まだまだ頭の回る魔族は少なからずいるはずだ」
「では、その魔族たちにある程度の資材は運びこまれてしまったと考えていいのですか?」
「あくまでも可能性にすぎないがな。そこまで力のある魔族ならギルドの情報網に、必ず引っかかるはずだ」
その時、梟が僕の顔を見てホォーホォーと
鳴く。
「かっ……可愛い……」
僕が予定通りそう言うと、梟は首をかしげる。そして目をパチパチとしてからホォーホォーとふたたび言うのである。
「ハヤトさん、勇者はもしかして鳥語も理解できるんですか? もしそうなら儲かりますね!」
――もう、一周まわってミッシェルのその貪欲さは大好きではある。
「負けました……」
「ハヤトさん!? いきなり何言って……本当に負けちゃったんですか?……」
「わからない……。しかしこんな魔界に、1羽居てキーパーソンみたいな事されたら、負けを認めるしか……」
「は?」僕と梟の戦いは、ミッシェルにはわかって貰えないようだ。梟は満足げに僕を見ている。……気がする。
「そしてどうやらこの薬屋も、白煙に関係あるようですね。ほら、フィーナさんと同じ白銀の髪の青年が奥にいるようです」
そしてルイスは、ガン無視である。って……えっ!?
そうルイスが指差した先には、割烹着の様な白衣を脱ぐ青年が見える。彼の狐の耳はフィーナと同じく白銀色をしている。
つづく
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